加藤桃子清麗
2021.12/4 10:00
女流棋界はこのところ、里見香奈女流四冠と西山女流三冠がタイトルを独占し、誰も割って入れない状態が長く続いていた。
他の女流棋士からすれば、奨励会に入って三段リーグを戦い、なおかつ公式戦で男性棋士に勝ち越す2人にはとても勝てない、と最初から諦めているようにも思える。
不思議なことに、2人の持っているタイトルは、お互いに挑戦権を得ることがあまりなく、ずっと2人は仲良くタイトルを分け合っていた。
ただし今年の秋からは、霧島酒造杯女流王将戦とリコー杯女流王座戦で、続けて里見が挑戦者に。女流王将は2勝1敗で西山を破り、里見が3期ぶりに復活した。
また、女流王座でも、現在里見が2連勝していて、あと1勝で、タイトルに復活する。
一時、2人の関係は西山有利の時代があったが、最近は里見が巻き返している。
ここにきてタイトル戦線に、猛然と挑戦してきたのが、大成建設杯清麗戦の挑戦者となった、加藤桃子女流三段だった。
加藤は実父が元奨励会員で、本人も奨励会に入会。四段を目指したが、初段で断念した。
その代わり奨励会時代から、マイナビ女子オープンとリコー杯女流王座戦で4回ずつタイトルを獲得した経験がある。
従ってタイトルを取り返しても、何ら不思議のない実力者だが、最近は二強に押されて、縁がなかった。
ただ実際は、挑戦者になるのも容易でない世界である。今回、清麗戦の挑戦は初めてで、加藤にとっては昨年の女流王位戦で里見に敗れたリターンマッチとなった。
冠がヒューリックから大成建設に代わった清麗戦は、賞金が700万円の女流第2位の棋戦。
五番勝負は9月から始まったが、第1局で加藤は里見の中飛車を穴熊からきれいに捌いて完勝。14連敗していた相手に完勝したことで嫌な流れを断ち切ったか、続く第2局も難しい終盤で気合良く踏み込んで勝利した。
しかしここから里見は、自分らしさを取り返して連勝。勝負は最終局に持ち込まれた。
最終戦をほとんど負けたことのない里見を相手に、加藤は駒得を生かし、自陣に馬を引いて負けない形を作り、快勝でタイトルを手にした。
久しぶりに二強に割って入った女流の誕生だが、ゴルフ界のように次々と若いスターが誕生するようになれば、女流棋界ももっと注目されるであろう。
情報源:【勝負師たちの系譜】女流2強に割って入り、3年ぶりタイトル獲得の加藤桃子清麗 大成建設杯清麗戦(1/2ページ) – zakzak:夕刊フジ公式サイト
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女流棋界はこのところ、里見香奈女流四冠と西山女流三冠がタイトルを独占し、誰も割って入れない状態が長く続いていた。
ここにきて猛然と挑戦してきたのが、加藤桃子女流三段だった。— zakzak (@zakdesk) December 4, 2021
次は防衛戦ですね。
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