JT杯
2021.11.28
将棋日本シリーズJTプロ公式戦は、唯一の公開で指す棋戦で、今期は第42期になる。
最初はトップの4人から始まった棋戦だが、すぐにタイトル保持者とA級棋士の12人で、全国各地を回るトーナメント戦となり、私も新A級の頃から出場させて頂いた。
ファンにとっては、目の前で公式戦が見られる楽しみがあるが、対局者にとっても初期の頃は、勝利者賞で各地の名産品が頂けるのが楽しみだった。
もっとも私などは敗れて、目の前を仙台箪笥や博多人形が通り過ぎるのを、何度も経験した方だが。因みに私が頂いたのは、サン・ルイのワイングラス等である。
今日では出場資格がA級でなく、タイトル保持者の次は、賞金ランキングの上位からとなっているが、トップ棋士だけの棋戦には間違いがない。
プロの対局前に、テーブルマーク主催のこども大会が開かれ、ここからプロになった人も多い。規模は日本一で、出場者は合計1万人を超える大会だ。
昨年はコロナの影響で、全会場が中止となったが、今年は何とか東北、福岡、大阪、東海、東京の5カ所だけ開催ができた。
東京大会は日本シリーズの決勝戦の日で、21日に千葉市の『幕張メッセ』で行われた。
決勝に残ったのは、奇しくもこの夏から19番勝負を戦った豊島将之JT杯覇者と藤井聡太四冠。
藤井は永瀬拓矢王座、豊島は渡辺明名人をそれぞれ破っての決勝進出で、豊島は前年に続き、2年連続の優勝を目指すことになった。
早指し戦でも、4強と言われる棋士がベスト4に出てくる辺りは、実力が抜けている証拠でもある。
将棋は豊島の先手で、角交換腰掛銀に誘導。豊島は玉の囲いが中途半端な局面から、いきなり後手に襲い掛かった。
解説者が「攻めるか受けるか難しい局面」というのを、豊島は足を止めて一気に終盤戦に持ち込んだ。
普段なら、自分の将棋が終わると帰ってしまう子供たちや父兄も、人気の2人の対戦とあって、大勢が残って見守っている。
最後は2人とも一手も受けの手を指さない、一直線の寄せ合いとなったが、藤井の必死の王手の連続をかわし、豊島は2年連続の優勝を果たした。
それと同時に、豊島は藤井に散々な目にあった屈辱を一つ返したことになり、巻き返すきっかけになったかも知れない。
■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。
情報源:【勝負師たちの系譜】豊島将之が藤井四冠に雪辱を果たし2年連続の優勝 日本シリーズJTプロ公式戦 (1/2ページ) – zakzak:夕刊フジ公式サイト
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— zakzak (@zakdesk) November 28, 2021
▲豊島将之JT杯覇者-△藤井聡太竜王(棋譜中継・棋譜DB)
豊島JT杯覇者の振り歩先、歩が4枚で豊島JT杯覇者の先手
初手は、▲豊島JT杯覇者 2六歩、△藤井聡竜王 8四歩
52手 7六飛まで、▲豊島JT杯覇者 が53手目を封じる
▲豊島JT杯覇者 の53手目は「6五角」
62手「△8八歩」で勝率逆転
95手 3九玉まで、▲豊島JT杯覇者 の勝ち
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来年はどうなるかな?
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