元記事は2021/11/20、翌日のJT杯では豊島JT杯覇者に負けている。
2021.11.20
先週、竜王戦第4局が山口県で行われ、挑戦者の藤井聡太三冠が豊島将之竜王に勝ち、4連勝で竜王位を奪取した。
19歳での四冠は、羽生善治九段が持つ22歳での達成を3年半ほど縮める新記録である。つい2年前まで、藤井は勝率が8割を超えていても、中々タイトル戦に登場できず、まだまだと思われていた。ところが昨年、渡辺明三冠から棋聖を、木村一基九段から王位をと、連続してタイトルを奪ってからは、誰が藤井と指しても勝てないという雰囲気が漂い始めた。
最後の砦として出てきたのが、藤井に大きく勝ち越していた豊島で、王位戦、叡王戦、竜王戦と続けて指す19番勝負が始まった。これだけ一人の相手と指すと、痛み分けに終わることはまずなく、精神的ダメージを受けた方が一方的に敗れることが多い。
王位戦の1局目で豊島が完勝した時は、藤井を抑え込むのかと思わせたが、2局目以降は藤井が完全にペースを掴んだ。
藤井が勝つ時は、序盤から徐々に優位を重ねていって勝ち切る。豊島にチャンスがある将棋も、逆転を許してしまうという負のスパイラルで、豊島は2つのタイトル戦で敗れた。最後の砦となった竜王戦でも、第3局までは余り見せ場のない形で敗れ、最終となった第4局は、まさに精神的に追い込まれた側の負け方だった。
最終盤に来て豊島に勝ちが出たのだが、非常に難解。豊島とて読み切る力は尋常ではないのだが、読み切れない時に相手が自分より読める相手と思うと、つい居直ることができないのだ。
豊島が保険のつもりでかけた桂の王手が、自身の逃げ道をなくす敗着となって敗れ、竜王位を失った。
完膚なきまでに叩きのめされた棋士が、巻き返した例が2つある。最初は升田幸三三冠(当時独占)に対する大山康晴15世名人で、大山はタイトルをすべて奪われ、香落でも負ける屈辱を味わった。
もう一例は羽生善治九段に七冠を独占された谷川浩司九段だ。前年、王将戦で独占を阻んだものの、翌年は気力が萎えたか、羽生に4-0で敗れ、独占を許した。後輩に敗れた点は、今回のケースとよく似ている。
しかし両者とも、すべて失って気持ちが切り替わったか、それから程なくして、タイトルを次々と取り返したのである。今回の豊島が、同じことができるか、興味深い。
またもう1人の第一人者の渡辺にしても「現在藤井を破る策はない」とハッキリ言っている。また「この年から自分の型を入れ替えるのは無理だから、今までの延長線上で戦うしかない」とも。渡辺にはAIを使った新たな渡辺将棋を期待したい。
このまま藤井が八冠まで突っ走るのか、ストップをかける棋士がいるのか。将棋界は新たな世界を見ることになるであろう。
■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。
情報源:【勝負師たちの系譜】4連勝で「藤井竜王」誕生 独走を止める棋士はいるのか (1/2ページ) – zakzak:夕刊フジ公式サイト
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— zakzak (@zakdesk) November 20, 2021
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