(杉本昌隆八段の棋道愛楽)オールスター戦 12月に10人が東西決戦:朝日新聞デジタル

ほぉ・・・


2021年11月6日 16時30分

「ファン投票による選出」が画期的な準公式戦、SUNTORY将棋オールスター東西対抗戦2021。私も先日、関西予選Bブロックで対局をしました。

投票での選出棋士は関東から羽生善治九段と永瀬拓矢王座、関西は豊島将之竜王と藤井聡太三冠が決まっています。

関西将棋会館に集合する20人の棋士たち。トーナメント表が廊下に張り出されており、数人ずつチラチラとそれを眺めます。

「今日のメンバーは厳しいね」

代表になれるのはここから1人。事前に見て知っているとはいえ、皆で眺める表はまたひと味違うものです。

職員の合図で、対局が開始されます。初手から30秒の早指しだけに心を落ち着かせる余裕もありません。記録係もおらず、自分で対局時計を押す光景はさながらアマ大会のようです。

開始後数十分で次々と終わる対局は、やはり反射神経の優れた若手が有利。私も高田明浩四段に負けました。控室に戻ると、対局を終えた他の棋士たちも次々とやってきます。

「いや、ひどい内容だった」

「1勝1敗なら上出来かあ」

公式戦敗戦のどんよりした悲壮感がないのはオールスター選抜という、一種の「お祭り」だからでしょうか。研究熱心な若手同士、久しぶりに会ったベテラン同士、それぞれ将棋談話に花が咲いたものです。

この日の決勝戦は前年度NHK杯選手権者・稲葉陽(あきら)八段対関西若手のホープ黒田尭之(たかゆき)五段。好カードにふさわしく大熱戦が展開されましたが、最後は稲葉八段が代表の切符を手に入れました。

祭りの後の静けさ。午前中はあれだけ多かった棋士たちも少しずつ姿を消し、気がつくと控室に残ったのは私と平藤眞吾七段の2人だけでした。

私と平藤七段は奨励会同期。対局結果はさておき、「旧友」との棋譜並べや研究などは非常に有意義でした。総じて充実した良い一日を過ごしたのでした。

このオールスター戦の祭りの本番はここから。選抜された東西棋士5人ずつでの決勝戦は12月下旬に行われます。関西棋士の代表、藤井三冠はもちろんですが、他の棋士の活躍も楽しみです。

すぎもと・まさたか 1968年、名古屋市生まれ。90年に四段に昇段し、2019年2月に八段。第20回朝日オープン将棋選手権準優勝。藤井聡太三冠の師匠でもある。

情報源:(杉本昌隆八段の棋道愛楽)オールスター戦 12月に10人が東西決戦:朝日新聞デジタル



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