就位式前のインタビュー
2021/11/5 22:45
将棋の「お~いお茶杯第62期王位戦」(神戸新聞社主催)7番勝負を制した藤井聡太王位(19)=棋聖・叡王=の就位式があった10月28日、主催各紙による合同インタビューが東京都内で行われた。対局に向かう姿勢から趣味の鉄道まで、話題は多岐にわたり、藤井王位は時に真剣に、時に笑顔で思いを語った。(井原尚基)
藤井王位は今夏、王位戦7番勝負で豊島将之竜王(31)=尼崎市=を4勝1敗で下し、初防衛した。合同インタビューは就位式の直前に行われ、藤井王位はまず「将棋を始めたころの探究心や好奇心を忘れずに盤へ向き合うことが大切だと常に意識している」と日頃の心構えを明かした。
中学生棋士だった経歴が共通する谷川浩司九段(59)=神戸市=は「棋士は勝負師、研究者、芸術家の三つの顔を持つべきだ」と主張してきた。藤井王位は「互角や有利な局面では最善を追求すること自体が勝ちに近づくので、研究や探求の側面が大きくなる」と述べ「不利な局面になると勝負師の面が出てくる」と語った。また「芸術性や独創性についてはあまり意識しないが、指した結果として自分らしさを感じていただけるようになれば」と、三つの「顔」の使い分けについて話した。
近年指されている将棋の傾向として、自玉を囲うことの価値が低くなってきたのではないか、という質問も出た。藤井王位は「相手の手を見て自分の手を決めたいのが将棋の基本。最近はその考えがあらゆる場面で用いられるようになってきた印象がある」と前置きした上で「玉を囲うことは形を決めてしまうことでもあるので、玉の移動を保留し、より価値の高い手を指そうという動きがある」と解説した。
タイトル戦の決着局といった大きな対局でも平常心を保って実力を出し切っているように見える藤井王位。心構えを尋ねられると「大一番であることをまったく意識しないのが自分にとっては一番いい」と打ち明けた。
今期第4局は当初、佐賀県嬉野市で行われる予定だったが、直前の大雨により、会場が急きょ関西将棋会館(大阪市)へ変更された。「被災された人にお見舞い申し上げたい。来年は九州にうかがえると思うので楽しみにしたい」と地元の関係者らを気遣い、就位式での謝辞でも将来の嬉野対局に期待を寄せた。
北海道旭川市で行われた今期第2局では、新千歳空港から旭川駅まで鉄道で移動した際の思い出について問われ「田園風景が続き、印象に残っている」。兵庫県内で乗ってみたい鉄道については「私鉄が充実しているイメージがあるが、これまであまり乗ったことがないので、阪神、阪急などに機会があれば乗ってみたい」と答えた。
■藤井王位 謝辞
本日は王位就位式を開催していただき、ありがとうございます。
今期は防衛戦という形で7番勝負を迎えましたが、第1局を熱戦にできずに敗れてしまい、厳しいスタートとなりました。第2局も苦しい展開でしたが、勝つことができ、そこから流れをつかめたのかなと感じています。
7番勝負を振り返ると、序盤で形勢を損ねてしまった将棋が多く、課題の見つかったシリーズでした。その課題をしっかり見つめ直して前に進んでいけたらと思っています。
主催社や特別協賛社、関係者にお礼を申し上げます。また、第4局が予定されていた(佐賀県嬉野市の)和多屋別荘さま、嬉野市の方々にお見舞い申し上げるとともに、来期以降うかがえることを楽しみにしています。
■最も印象に残った局面は?
「第1局の手順 対応難しかった」
藤井王位は就位式の会見で、今期王位戦7番勝負で最も印象に残っているシーンとして、第1局の1日目、後手番の豊島竜王が2枚の桂で中央を狙えるようにした局面(図)に至るまでの手順を挙げた。
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おめでとうございます。
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