第70期王将リーグ
2021年11月7日 5時00分
「三冠を目指す二冠同士の激突」と注目されたのが2020年10月5日、関西将棋会館(大阪市)での藤井聡太(19)と豊島将之(31)の一戦。王将の渡辺明(37)への挑戦権を争う第70期王将戦の挑戦者決定リーグ戦(通称・王将リーグ)。勝者は王位・棋聖の藤井か、竜王・叡王の豊島か。
王将リーグは7人の総当たりで、それぞれ6対局し、優勝者が王将に七番勝負を挑む。「2敗すると単独首位での挑戦権獲得は難しくなる」が定説だ。本局は両者にとってリーグ2戦目。初戦で豊島は木村一基(かずき)(48)に勝ち、藤井は羽生善治(51)に敗れた。本局は特に藤井にとって負けられない一局だった。
戦型は「相懸(あいが)かり」に。先手の豊島が序盤で工夫した指し方を披露。その後、リードを奪った藤井が豊島玉を追い詰めたが、明快な勝ち筋を逃し、混戦に。対局開始から約11時間後、勝ったのは粘り強く指した豊島だった。逆転負けした藤井は「(挑戦には)厳しいスコアになってしまいました」と話した。
公式戦での対戦成績が豊島6連勝(=藤井6連敗)となったことも話題だった。過去5局は(1)棋王戦(17年8月対局)(2)銀河戦(19年5月)(3)竜王戦(19年7月)(4)王将戦(19年10月)(5)日本シリーズ(20年9月)。
藤井にこれほど大きく勝ち越した棋士はこの時点では豊島だけ。藤井戦6連勝の感想を後日、記者が尋ねると、豊島は、しばし沈黙した後、「たまたまだと思います」。
実は、非公式戦だが、18年12月の新人王戦の記念対局では藤井が豊島に勝っている。終局直後の対局室内は公式戦同様の真剣な気配だった。こうした事情に加え、本局も大逆転勝ち。6勝0敗という数字ほどの差は無いと豊島は感じていたのだろう。=敬称略(佐藤圭司)
◆毎週日曜に掲載します。
情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)試練編:8 二冠同士、豊島との激突は逆転負け:朝日新聞デジタル
村)昨年の王将リーグの内容です→「リードを奪った藤井が豊島玉を追い詰めたが、明快な勝ち筋を逃し、混戦に。対局開始から約11時間後、勝ったのは粘り強く指した豊島だった」
(大志 藤井聡太のいる時代)試練編:8 二冠同士、豊島との激突は逆転負け https://t.co/mstmEIhn6N— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) November 7, 2021
第70期はリーグ陥落だった。
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