前期の王位戦
2021年8月22日 5時00分
列島を沸かせた――。2020年8月19、20の両日、福岡市の「大濠(おおほり)公園能楽堂」で指された第61期王位戦七番勝負第4局を、こう表現した記者もいた。当時18歳1カ月だった藤井聡太(19)がタイトル保持者の木村一基(かずき)(48)に勝てば、シリーズ成績4連勝で、棋聖と合わせ二冠を達成し、タイトル2期という規定を満たして八段昇段も決まる。いずれも最年少記録で、将棋の歴史が、また塗り替えられることになる。
福岡の地元紙のテレビ欄には「藤井聡太」「藤井棋聖」の文字が多数、踊っていた。藤井人気、恐るべしだが、前年、7度目のタイトル挑戦で悲願の初タイトル、王位を獲得し、「中年の星」と注目された木村が対戦相手だったことで、本局への関心はさらに高まったと思う。第2局は先手番の木村が「相懸(あいが)かり」という戦型から優勢を築き、逆転負けはしたものの、強さもみせていた。
第4局も、第2局と同じ「相懸かり」の戦いに。木村は新たに用意した積極策で挑んだ。1日目の終わりに藤井が封じ手にした△8七同飛(車)成は、飛車と銀の交換に踏み切る派手な一手。だじゃれが得意な副立会人の豊川孝弘(54)が「同飛車大学(同志社大学のもじり)」とジョークを飛ばし、ネット上でトレンドワードに。それほど本局は注目されていた。
2日目。木村にミスが出て、藤井ペースに。午後4時59分、藤井が勝利をつかんだ。終局直後、藤井は「4連勝という結果は望外というか、実力以上の結果だった」、木村は「ストレート負けは恥ずかしい限りで、申し訳ない。また一から出直します」と語った。
翌朝の記者会見で「将棋を離れてやりたいことは?」と問われた藤井は「落ち着いたらパソコンを1台、組みたいなと思っています」。藤井の素顔が垣間見えた気がした。=敬称略(佐藤圭司)
◆次週は「名人戦ニュース」です。次回の「大志」は9月5日に掲載します。
情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)戴冠編:12 4連勝二冠で八段昇段――列島を沸かせた:朝日新聞デジタル
村)史上最年少で二冠になったのは1年前のことでした。そして、今日は史上最年少の三冠を懸けた戦いに臨んでいます。
(大志 藤井聡太のいる時代)戴冠編:12 4連勝二冠で八段昇段――列島を沸かせた:朝日新聞デジタル https://t.co/YKuaeevDbj— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) August 22, 2021
ほぉ・・・
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