へぇ・・・
2021.8.15
将棋ファンと言っても、最近では将棋を指さないファンが多くなった。棋士個人のファンや、対局中に何を食べるのかが興味のある人。
また対局姿を見たいとか、前夜祭や就位式に行って、直接話をしたいという人など、さまざまだ。
そこで主催者側は、そういう『観る将』と呼ばれるファンのための、新しいサービスを考えることになる。
観る将への企画としては、5年前の竜王戦七番勝負『天龍寺』対局(渡辺明竜王-丸山忠久九段戦)における、観戦ツアーがある。
1日目だけだが、朝の対局開始の場面を対局室で観戦。午前は谷川浩司九段の講演を聞き、昼食は棋士と一緒にお寺の精進料理を食べ、午後は指導対局と竜王戦の解説会、夕方は封じ手の場面を見て頂き、最後に棋士の直筆センスをお土産に渡すというもので、これにいくらの価格をつけるか、担当のスタッフと考えた。
それまでは解説会の高いところでも5000円(センス付き)だったが、3万円にしたところ、30人近くのファンに来て頂き、最後センスを渡したときは、「まだ頂けるのですか」と喜んで帰られた。
この観戦ツアーは形を変え、毎年竜王戦の第1局、『渋谷・セルリアンタワー』で行われている。
そして最近では叡王戦五番勝負で、各局1人の「見届け人」を募集している。
見届け人とは、ファンの方に前日の検分、対局の開始と終局の場面を見届けて頂くもので、立会人と同じ目線で対局を見られる権利である。
その上対局中は控室で、男性(トッププロ)と女流棋士の2人が終局まで付き添い、対局の解説や指導対局、最後に対局に使った最高級の駒を対局者の揮毫付きで頂けるのだ。
対局が地方で行われる時は、当然交通費と宿泊が付いてくる。
今期の第2局は私が立会人で、甲府市の湯村温泉『常盤ホテル』で行われた。ここは皇室の方々も泊まられた名旅館で、今回申し込まれたのは、千葉県から来られた産婦人科の医師。前日の検分時に使う駒として、竹風作、巻凌湖(まきのりょうこ)書の駒を選ばれた。
当然、これだけの権利だから価格も安くはなく、「3桁」万円になるが、第1局では女性の会社経営者が申し込んだというから、好評のようである。
こういう企画によって、今までにはないタイプの将棋ファンが増えていくのだと思っている。
■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。
情報源:【勝負師たちの系譜】「観る将」のための新サービス 超高額でも好評な「見届け人」企画 (1/2ページ) – zakzak:夕刊フジ公式サイト
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— zakzak (@zakdesk) August 15, 2021
ほぉ・・・
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