高橋道雄九段
2021年7月15日 9時8分
将棋の藤井聡太王位(18)=棋聖=に豊島将之竜王(31)=叡王=が挑戦している第62期王位戦七番勝負第2局が14日、北海道旭川市の花月会館で前日から指し継がれ、後手の藤井王位が102手で勝ち、シリーズ成績を1勝1敗のタイとした。豊島竜王が主導権を握った一局だったが、気付けば終盤の攻め合いの中で藤井王位が抜け出していた。盤上で何が起きていたのか。1983、85、86年度に王位を獲得した高橋道雄九段(61)が解説した。
あまりにレベルが高くて、プロが見ても「どうなってるのかなあ」と分からなくなることがよくある2人です。局後に豊島竜王が話したように、先手がいけそうだなと思えながら、具体的な手順としては難しい。そんな将棋でした。いけそうでいけない、勝てそうで勝ち切れない。豊島竜王はそのような誤算を感じていたはずです。
両者の角換わりは(バランス型の)相腰掛け銀が多いですけど、本局は攻勢を取っていく「相早繰り銀」になりました。特に藤井王位にとって新しい形でしたけど、実は昭和50年代によく指されていた戦型なんです。島朗九段や青野照市九段が得意とされていました。自分はガチガチの矢倉党だったので自分から指すことはありませんでしたが、後手を持って何局か経験はあります。
まさに温故知新の形ではありますけど、未知の部分も多くて、指す方も新鮮でいいな、と思っていたのではないかと感じます。実際、本局では互いに右の端歩を突き越すことで一気に例が無くなりました。非常に面白いやり取りで、また今期のタイトル戦のどこかで採用されるかも、と思いました。
一局を振り返ると、後手の藤井王位が先手の飛車を働かせなかったのが最大のポイントだったと思います。一見、豊島竜王の飛車が後手陣を突破して勝ちにいけそうな局面もあったようにも見えたのですが、押したり引いたりして戦っているうちに、いつの間にか先手の飛車は攻めにも受けにも利かなくなって、あれ?雰囲気がおかしいなあ、と思っていたら後手の飛車だけが成っていた。後手は駒損にはなりましたけど、やはり飛車の働きは大きいんですよ。
流れが変わったなあと思っていたら、あっという間に激流になっていました。そして後手の勝ちに。この感じはプロの将棋にもそんなにはありません。自分にはちょっと指せませんね~。
両者の対戦は常にエキサイティングで、見ていて面白いです。藤井王位も豊島竜王と戦うことでさらに力を付けていくと思います。タイトル戦を指していると、相手にレベルを上げてもらうということがたしかにあるんです。本局を振り返っても、新しい形を豊島竜王という最高の相手と指すことで、藤井王位は確実に何かを吸収したと思います。
最終的にどちらが勝つかは分かりませんけど、今回はフルセットまでいくと思います。王位戦には個人的にも馴染みがありますし、第3局以降も楽しみですね~。
◇高橋 道雄(たかはし・みちお)1960年4月23日、東京都北区生まれ。61歳。故・佐瀬勇次名誉九段門下。80年、四段(棋士)デビュー。83年の王位戦で内藤國雄を破り、史上最低段(当時)の五段で初タイトルを奪取。獲得タイトルは王位3、棋王1、十段1の通算5期。矢倉を主力とする重厚な棋風の居飛車党だが、横歩取りなどの空中戦にも秀でる。2008年度、48歳で順位戦A級に復帰するなど、A級に3度返り咲いて在位13期。棋界随一のサブカルフリークとしても知られる。
情報源:「藤井聡太王位、昭和50年代への温故知新」元王位・高橋道雄九段の王位戦第2局解説(スポーツ報知) – Yahoo!ニュース(コメント)
情報源:「藤井聡太王位、昭和50年代への温故知新」元王位・高橋道雄九段の王位戦第2局解説 : スポーツ報知
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— スポーツ報知 (@SportsHochi) July 15, 2021
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投了までの10分
https://www.youtube.com/watch?v=yqW0N0qhhRM
終局後のインタビューと感想戦
初手からの解説
https://www.youtube.com/watch?v=p18k1pgh66w
▲豊島将之竜王-△藤井聡太王位(棋譜中継・棋譜DB)
81手 6九銀打まで(36%→60%)
102手 2六龍まで、△藤井聡王位 の勝ち
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- 2021年7月13日 七番勝負第2局 藤井聡太王位 対 豊島将之竜王|第62期王位戦
終盤での逆転勝利。
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