豊島将之竜王
2021/7/5 17:00
もはや敵なしともいえる勢いの棋聖の藤井聡太(18)=王位=。「第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負」(産経新聞社主催)では、三冠の渡辺明(37)=名人・棋王・王将=に一勝も許さなかった。伸び盛りの18歳の若武者。その前に立ちはだかる棋士が一人いる。王位戦七番勝負の挑戦者で竜王と叡王の二冠、豊島将之(31)だ。
「藤井さんは特別な才能を持った方と感じている。自分はわりと一般的な棋士と思っているので…。何とか戦えるようにと思ってやってきている」
王位戦第1局前日の6月28日、名古屋市内で行われた記者会見で豊島は、藤井についてこう答えた。控えめなコメントとは裏腹に、第1局の指し手はさえわたった。
互いに端を攻め合う強気の応酬から、少しずつ後れを取る藤井。豊島の精密な攻めに反撃の糸口すらつかめぬまま、持ち時間1時間41分を残して投了した。持ち時間をたっぷり使って考えるのが藤井流。これほど時間を残しての投了は藤井にとって初めてだった。
「自分でもどう解釈していいか」
2人の対戦成績は藤井から見て1勝7敗。通算勝率8割超の藤井をこれだけ負かす棋士はいない。歴代4位の29期のタイトル数を誇る渡辺に勝つ藤井がなぜ、ここまで豊島に負かされるのか。
棋聖戦初防衛を果たした7月3日夜、祝賀ムードに包まれる中でも、記者会見ではさっそく厳しい質問が飛んだ。
「自分でもどう解釈するか難しい。かなり負け越してしまっているが、負けた将棋をしっかり学んで今後対抗できるようにやっていけたら」
豊島との次の対局は王位戦第2局の13、14日。25日開幕の叡王戦五番勝負では挑戦者として戦う。藤井にとって試練の夏だ。
「2人はいつかタイトル戦で戦うと思っていた」。藤井の師匠で八段、杉本昌隆(52)は平成26年末、名古屋市内の自身の教室で、当時七段の豊島と小学6年生の藤井が盤を挟んだことを思い出した。
杉本は当時、研究会が一緒だった豊島に、奨励会初段の藤井と練習将棋を指すよう頼んだ。「プロの厳しさを教えたかった。私では分が悪くなりつつあったので」。藤井の力量を推しはかるような指し回しで、結果は豊島が圧倒。これが2人の初対局だった。
豊島は愛知県一宮市出身で、5歳で大阪府へ引っ越し、今は兵庫県に住む。同じ愛知県出身の杉本は豊島が幼少の頃から注目してきた。将棋大会での豊島を見て「隙がなく、ミスが少ない。子供らしからぬ指し手」と衝撃を受けた。「この子は15年後には恐ろしい子になるよ」と大会主催者に耳打ちした。予言は的中した。
中学生でプロになると期待され、16歳でデビュー。平成生まれ初の棋士と話題になった。その後、杉本は再び〝ダイヤの原石〟に出会った。それが藤井。豊島に冗談ぽく「師匠にならない?」と勧めたこともある。「杉本先生が師匠になるのがいいと思います」と豊島は笑ったという。
抜群の修正力
29年6月、藤井はプロ入りから負けなしで史上最多記録の29連勝を樹立。「藤井フィーバー」が巻き起こった。その2カ月後に豊島とのプロ初対局が訪れた。このときすでに豊島はタイトル戦にも出場し、順位戦最上位のA級に在籍するトップ棋士。やはり結果は藤井の完敗だった。
藤井はその後も躍進をみせるが、対豊島戦では負け続けた。「負けた対局も内容はよくなってきていた」と杉本。弟子は完敗したが「1局ごとの修正力が抜群なので、次はまた別人のような切れ味をみせてくれるはず」。師匠として、果てなき成長を期待する。(敬称略)
情報源:【藤井時代(中)】豊島二冠との試練の夏 「特別な才能」の宿命 – 産経ニュース
【藤井時代(中)】豊島二冠との試練の夏 「特別な才能」の宿命https://t.co/bsGKk5Ol3N
もはや敵なしともいえる勢いの #棋聖 の #藤井聡太 (18)=王位=だが、立ちはだかる棋士が一人いる。#王位 戦七番勝負の挑戦者で #竜王 と #叡王 の二冠、#豊島将之 (31)だ。— 産経ニュースWEST (@SankeiNews_WEST) July 5, 2021
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五番勝負の結果
投了までの10分
https://www.youtube.com/watch?v=IHrMb9mjkXM&t=16s&hd=1
終局直後のインタビュー&感想戦
初手からの解説
https://www.youtube.com/watch?v=BqU_YT57aHo&t=18s&hd=1
記者会見
一夜明け会見
村)渡辺明名人がブログを更新しています。有望な局面があったものの、ものにできなかったようです。序盤の研究のぶつかり合いから中終盤の競り合いまで、見応えのある将棋でした。https://t.co/UiKXjxHURI
— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) July 3, 2021
対局についてはブログに書きました。https://t.co/Mz6DdoprrF
第2局、第3局は内容は悪くなかったと思いますが、終盤で競り負けました。
対局間隔もあいていて準備としては万全だったと思います。(続く)
— チーム渡辺 (@abT_watanabe) July 3, 2021
敗因を分析して、というのは昨年と同じことを言っていますが、次は競ったスコアに出来るように考えていきたいと思います。
総括するには早いんですが、今年のタイトル戦出場はこれで終わりです。ご声援を頂いた皆さま、ありがとうございました。(渡辺)
— チーム渡辺 (@abT_watanabe) July 3, 2021
▲渡辺明名人-△藤井聡太棋聖(棋譜中継)
96手 「△7一飛」
100手 3六桂打まで、△藤井聡棋聖 の勝ち
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対戦成績で豊島に勝ち超せるのは何時になるか・・・
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