第80期順位戦B級1組3回戦、屋敷伸之九段戦
終局後のインタビューと感想戦
感想戦は6分37秒~
2021年7月3日 16時30分
A級昇級の2枠を争う第80期将棋名人戦・B級1組順位戦は3回戦が終了し、郷田真隆九段(50)、千田翔太七段(27)、佐々木勇気七段(26)の3人が3連勝で頭一つ抜け出した。2回戦で黒星を喫した藤井聡太二冠(18)=王位・棋聖=は、3回戦は屋敷伸之九段(49)に勝ち、1敗を守った。終盤に藤井が逆転負けの筋を寸前で回避する、見どころ満載の対局だった。
■読み抜け気づき、土壇場で修正
藤井と屋敷の一戦は6月13日、東京・将棋会館で行われた。
B級1組は13人が総当たりでA級への昇級を争う。B級2組から昇級したばかりの藤井は1回戦は勝ったものの、2回戦で前期A級の稲葉陽(あきら)八段(32)に敗れ、順位戦の連勝が22で止まった。連続昇級を狙うには後退するわけにはいかない。
対局は午前10時に屋敷の先手番で始まった。相懸かりの戦型から互いに駒組みで時間を使う、じっくりした中盤戦になった。本格的な戦いが始まったのは午後8時ごろ。藤井が徐々にリードを広げていく。
午後11時、屋敷が▲7二角(図)と打ったところで、ライブ中継していたABEMAのAI(人工知能)の評価値が、藤井96%、屋敷4%となった。藤井は残り42分のうち22分を使って△6六桂と打った。AIが示す最善手だった。
以下▲同金△8七飛成▲7八銀△8九金と進めたところで、屋敷が少考。この時、藤井は自分の読みに誤りがあることに気づいた。
感想戦で藤井は、実戦に現れなかった水面下の読み筋を披露した。
藤井は△8九金に▲6九玉△6六馬▲同銀△6七銀(参考図1)と先手玉に必至をかけて後手勝ちと判断していた。以下▲3三歩成△同桂▲3四桂△5一玉▲4二銀△同金▲同桂成△同玉▲3四桂△5一玉▲6一金△5二玉▲4二桂成△同玉▲5一角△3一玉▲3三飛成△2一玉▲2三竜△2二歩▲3三桂△3一玉(参考図2)で、次の▲3二歩が打ち歩詰めになり、後手玉は詰まないというもの。しかし藤井が改めて読んでみると、参考図2から▲4二角成△同玉▲4一桂成という、詰将棋のような手順で詰むことが分かった。感想戦で屋敷も「打ち歩詰めだと思っていた」と言い、藤井の深い読みに感心した様子だった。
手順中▲4二銀に△6二玉なら詰まないが、以下▲6三角成△同玉▲7五桂△6二玉▲5三銀成△7一玉▲6二角△8一玉▲8二歩△同竜▲6七銀で、藤井は「後手玉が詰めろで、先手玉に詰みがないため、後手が負けではないかと読んでいました」。
直前で負け筋に気づいた藤井は、参考図1の△6七銀を打たずに△7九金▲同玉△8八金▲6八玉△7八竜▲5七玉△4八銀▲4六玉△7二竜と進めて自玉の詰みを回避。手数は伸びたが、きっちりと勝ちを読み切り、最後は先手玉を長手数の詰みに討ち取った。
屋敷は「終盤は思ったより難しかった。やはり少しずつ足りなかったと思います」と振り返った。藤井は「ちょっと読み抜けがあった。別の順を選ばないといけなかった」と反省した。あと9局残っているが「あまり先のことは考えずに、目の前の一局一局を集中して指していきたい」と話した。(村上耕司)
情報源:(月刊将棋)藤井二冠、深夜の詰み回避劇 名人戦・B級1組順位戦、屋敷九段破り1敗守る:朝日新聞デジタル
村)屋敷伸之九段戦の終盤で生じた藤井聡太二冠の「誤算」の中身に迫りました。実戦で現れなかった深い深い読み筋をご覧ください。明日は久保利明九段戦です。
(月刊将棋)藤井二冠、深夜の詰み回避劇 名人戦・B級1組順位戦、屋敷九段破り1敗守る:朝日新聞デジタル https://t.co/yyPc1UVZNr— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) July 5, 2021
▲屋敷伸之九段-△藤井聡太二冠
130手 3七銀成まで、△藤井聡二冠 の勝ち
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