第91期棋聖戦五番勝負の第2局
2021年6月20日 5時00分
「一本もシュート(王手)を打たせない完勝。バケモノ」
2020年6月28日。棋士の勝又清和(52)は、そうツイートした。藤井聡太(18)の「バケモノ」のような強さを目の当たりにしたからだった。
三冠の渡辺明(37)に藤井が挑戦した第91期棋聖戦五番勝負の第2局がこの日、東京・将棋会館で行われた。藤井が勝てば開幕2連勝となり、史上最年少での初タイトル獲得に大きく近づく。勝又は「歴史的なタイトル戦を見たい」と思い立ち、現地の検討室に足を運んだ。
戦型は「矢倉」。先手の渡辺が得意としている形だが、藤井は戦いが始まって早々、自陣の金を攻めに活用する大胆な構想を見せる。互いに後に引けない戦いに突入した。
その十数手後、さらに驚くべき手を藤井が放つ。△3一銀。常識を覆す絶妙手だった。
勝又は検討室のモニターで、この手が指されるのを見た。日本将棋連盟会長の佐藤康光(51)は「えっ?」と声を上げた。勝又は「全く思い浮かばなかった。ここで受けに回る手は考えない」と振り返る。
激しい攻め合いの最中に、ただ自陣に駒を打って守るだけのような手を、プロは普通は指さない。だが、この場合は、そんな「ありえない」手が功を奏した。午後6時38分、渡辺が投了を告げた。藤井の玉には、1回も王手がかからなかった。
勝又は終局後、感想戦を遠巻きに見守った。両者が猛スピードで駒を進めながら披露した読み筋は、まさに異次元。常識外れの手が次々と飛び出した。「水面下の読みがすごくて衝撃を受けた。生で見て良かった」
藤井は第1局の終盤、「攻めの妙手」で勝利をつかんだ。勝又は言う。「攻めと受け、両方のすごさを兼ね備えている。四段の時と比べて、どれだけ強くなったんでしょうね」
偉業達成まで「あと1勝」となった。=敬称略(村瀬信也)
◆次週は「名人戦ニュース」です。次回の「大志」は7月4日に掲載します。
情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)戴冠編:7 棋聖戦連勝、「バケモノ」が放った「ありえない」手:朝日新聞デジタル
村)去年の棋聖戦第2局。「歴史的なタイトル戦を見たい」と考えて現地に足を運んだ勝又清和七段は、そこで「バケモノ」を見ました。
(大志 藤井聡太のいる時代)戴冠編:7 棋聖戦連勝、「バケモノ」が放った「ありえない」手:朝日新聞デジタル https://t.co/CEq5dAVlE5— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) June 20, 2021
守備の金が前線に上がり玉の頭上に飛車がスライドする前代未聞のフォーメーション。金のドリブルで桂得したあと意表の守備堅め。相手のカウンター狙いを見透かしたようにサイドチェンジして「聡太必殺の桂打」で相手の金を釣り出して寄せ切る。一本もシュート(王手)を打たせない完勝。バケモノ。
— 勝又清和 (@katsumata) June 28, 2020
ほぉ・・・
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