渡辺明名人との棋聖戦、豊島将之竜王との王位戦
2021/6/5 11:30
将棋の藤井聡太棋聖(18)=王位=が保持する「棋聖」と「王位」の2冠をめぐるタイトル戦が6月、相次いで開幕する。6日開幕の「第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負」(産経新聞社主催)と29日開幕の「第62期王位戦七番勝負」(新聞三社連合主催)だ。昨年、2棋戦に初挑戦し、一気に2冠を獲得した藤井棋聖。今回はタイトルを守る側に回る。それぞれ挑戦者は現在1、2を争う強豪だ。2冠の行方は-。天才棋士の真価が問われる夏が始まる。
戦略家の渡辺三冠
「今回の番勝負は、自分にとっても今後に向けての大きな番勝負。これからの(将棋界での)立ち位置を考える上での試金石になる」
棋聖戦の挑戦者となったのは、昨年の棋聖保持者の渡辺明三冠(37)=名人・棋王・王将=だ。挑戦を決めた後の5月7日、東京都内で行われた王将就位式後の会見で、棋聖戦への思いを語った。それは、棋界を背負う第一人者としての覚悟の言葉だった。
渡辺三冠は平成16年に初タイトルの竜王を獲得して以来、現在まで無冠になったことがない。永世竜王、永世棋王の資格を持ち、タイトル獲得数は歴代4位の29期だ。
昨年は1勝3敗で敗れ、藤井棋聖に初戴冠(たいかん)を許した。渡辺三冠による終盤の16連続王手を藤井棋聖がかわし切った第1局が第48回将棋大賞の名局賞に選ばれるなど、前期の五番勝負は名勝負ばかりだった。
決着した第4局は昨年7月16日で、その翌日、渡辺三冠は衝撃の大きさを自身のブログに書き込んだ。「負け方がどれも想像を超えてるので、もうなんなんだろうね、という感じです」
ただ、その後は波に乗っている。同時並行で行われた名人戦で挑戦者としてタイトルを獲得し、今年1~3月には王将戦、棋王戦の防衛戦でトップ棋士らの挑戦を退けた。さらに名人戦は、5月29日の第5局で4勝1敗で防衛に成功したばかり。「現役最強」と呼ばれる第一人者が、棋聖戦に集中できる環境が整った。
もともと、勝つための作戦を組み立てるのが巧みな棋界随一の戦略家だ。「(前回の五番勝負で)藤井さんの強さや長所が分かったつもり。どうやったら勝てるかを具体的に練って対局していく」とリターンマッチに燃えている。
精密機械の読み 豊島二冠
棋聖戦と並行して行われるのが王位戦七番勝負で、5月24日、豊島将之二冠(31)=竜王・叡王=が挑戦を決めた。豊島二冠は藤井棋聖と同じ愛知県出身。小学生でプロになるのでは、と期待された才能の持ち主だ。タイトル挑戦5回目の平成30年の棋聖戦で初タイトル。王位や名人も獲得したことがあり、タイトル獲得数は6期だ。
4年連続で勝率8割超と超人的な成績を誇る藤井棋聖に対し、6勝1敗と圧倒しており、ネット上では「ラスボス」と呼ばれる。
藤井棋聖の師匠、杉本昌隆八段(52)は「精密機械のような読み」と早くから豊島二冠の才能を高く評価していた一人だ。
才能の一端をのぞかせていた小学生の藤井少年の師匠にならないかと声をかけたり、練習対局を頼んだりしたこともある。「2人はいつかタイトル戦で戦うと確信していました。やはり実現したか」と感慨深げだった。
王位戦への挑戦を決めた豊島二冠。幼少から知る対戦相手について「国民的スーパースター」とたたえた上で「全体的に非常に精度が高い。優勢を維持したまま勝つ将棋が多く、非常に強敵。どんどん強くなっており、大変な戦いになる」と話した。
ダブル防衛戦 新たな経験
昨年と違い、迎える立場となった藤井棋聖。将棋界には「初タイトルを取るとしばらく成績が落ちる」というジンクスがある。第一人者の羽生善治九段(50)の場合、初タイトルの竜王を獲得した平成元年度の勝率は7割5分7厘だが、翌年度は6割3分3厘で、タイトル防衛に失敗した。
だが、藤井棋聖はこの因縁に当てはまらない。
棋聖を獲得した翌月に王位を手に入れ、その後も2棋戦で優勝。令和2年度までの4年連続で勝率8割超を達成した。昨年10月から今年4月まで勝ち続け、歴代8位の19連勝を挙げた。
タイトル獲得数27期で歴代5位の記録を持つ谷川浩司九段(59)は「まだ18歳。どのような結果になろうとも、経験が貴重な財産になる」と話している。(中島高幸)
情報源:将棋・藤井二冠「ダブル防衛戦」試練の夏 (産経新聞) – Yahoo!ニュース(コメント)
情報源:将棋・藤井棋聖「ダブル防衛戦」試練の夏 (1/2ページ) – 産経ニュース
将棋・藤井二冠「ダブル防衛戦」試練の夏 https://t.co/uapAk9Txta @Sankei_newsより
— kewpiehoney (@kewpie_honey) June 5, 2021
6月6日 (日)9時から対局開始
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第1局の先手は?
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