(アーカイブ)前日記者会見LIVE|第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第1局

(アーカイブ)前日記者会見LIVE|第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第1局

産経新聞YouTubeチャンネルにて



2021/6/5 21:26

将棋の藤井聡太棋聖(18)=王位=に渡辺明三冠(37)=名人・棋王・王将=が挑戦する「第92期ヒューリック棋聖戦五番勝負」(産経新聞社主催)第1局が6日開幕するのを前に、会場の「龍宮城スパホテル三日月」(千葉県木更津市)で5日午後、記者会見が行われ、藤井棋聖は「防衛戦は初めて。挑戦した昨年との違いを意識せずに臨みたい」、渡辺三冠は「技術的なところに注目していただき、将棋ファンの期待に応えたい」とそれぞれ抱負を語った。

記者会見には、報道各社約45人が出席。藤井棋聖、渡辺三冠の順で一人ずつ会見した。

棋聖の防衛戦に臨む藤井棋聖はこの1年について「タイトルホルダーという立場になり、その中で銀河戦や朝日杯などでも結果を出すことができ、成長できた1年だった」と振り返った。

現在の心境について「昨年は挑戦が決まってすぐ第1局があり、タイトル戦だと意識することはあまりなかった。しかし今回はタイトルホルダーという立場。渡辺三冠が挑戦者に決まってじょじょに気持ちが高まった」と語った。

渡辺三冠については「大変充実されている。(棋聖戦の)挑戦者決定戦でも苦しい場面から粘り強く指されており、手ごわい認識です。番勝負の作戦が巧み」と印象を述べた。

対応を問われると「後れを取らないように。戦略という面では、渡辺三冠に一日の長がある。こちらがしっかり考えて対応できれば。防衛戦は初めてだが、昨年との違いを意識せずに臨みたい」と話した。

続いて渡辺三冠が登壇。昨年、棋聖を失ったがその後名人を獲得。そこから王将、棋王の防衛に成功し、5月下旬に名人の防衛も果たした。前期と立場が逆となった今期棋聖戦について「昨年は反響の大きいシリーズで、印象に残る手もあった。今回もそんな番勝負を目指したい」と抱負を述べた。

藤井棋聖について「タイトルを2つ取られており、押しも押されもせぬトップ棋士になった。自分は3冠のいい状態で戦える。技術的なところに注目してもらいたい。将棋ファンの期待に応える将棋を指していかねば」と語り、第一人者としての自負をのぞかせた。

さらに「昨年は藤井さんはタイトルを持っておらず、挑戦者と受ける側という構図だった。今回、藤井さんは2冠となってトップ棋士に成長された。今年はフラットな戦い方になる」とも話した。

どのように戦うかを問われると「藤井さん相手に特化した作戦はない。相手が藤井さんだからどうというよりも、自分の指し方をやってどれくらい戦えるか。普段通りにやって少ないチャンスをつかむ」と話した。

情報源:棋聖戦会見で抱負 藤井棋聖「昨年と違い意識せず」、渡辺三冠「技術的なところに注目を」 – 産経ニュース


2021年6月5日 21時30分

藤井聡太棋聖(18)=王位と合わせ二冠=に渡辺明名人(37)=棋王・王将と合わせ三冠=が挑戦する将棋の第92期棋聖戦五番勝負(産経新聞社主催)が6日、千葉県木更津市で開幕する。第1局前日の5日、両者が記者会見を開いた。

藤井棋聖の一問一答は次の通り。

――昨年、棋聖を獲得して1年たった。どういう1年だったか。

「この1年は、今までと変わってタイトルホルダーという立場になって、その中で銀河戦や朝日杯などでは結果を出すことができましたし、今までできなかった経験を多くすることができて、成長できた1年だったのかなと思っています」

――初防衛をめざす心境を。昨年との違いは?

「昨年は挑戦が決まってすぐに第1局があったので、自分としてはタイトル戦と意識する間もなく始まった。今回はタイトルホルダーという立場で棋聖戦を迎えることになって、挑戦者が渡辺名人に決まって徐々に気持ちが高まってきているのかなという感じはします」

――準備は十分できたか。

「自分なりにしっかり取り組むことができたかなと思っています」

――挑戦者として渡辺三冠を迎える心境を。

「渡辺名人は今年の名人戦も防衛されて、大変充実されているという印象があります。挑戦者決定戦の対局は途中苦しい場面もあったかと思うんですけど、そこからも非常に粘り強く指されていて、ほんとに手ごわい相手かなという認識を改めて感じました。番勝負は特に作戦が巧みという印象がありますので、そこで後れをとらないように、こちらもしっかり対応できればと思っています」

――2回目の対戦ということでシリーズを通しての戦略はあるか。

「そういった戦略という面では渡辺名人の方に一日の長というのがあるのかなと思っているので、ただそれに対してこちらがしっかり考えて対応していければと思っています」

――先日の順位戦で稲葉陽八段に敗れた。その前も永瀬拓矢王座戦、三浦弘行九段戦で苦しい戦いが続いている。今の自分の調子は。

「客観的には状態が良いというわけではないんでしょうけど、この棋聖戦の開幕が決まってからそれに向けてなんとかコンディションを整えていければと思っていましたし、自分自身の気持ちを高めて臨めればと思っています」

――タイトル戦は王位戦と合わせると最長で12回戦うことになる。幕開けに当たってどんな心境か。

「6月にはもう王位戦も始まることになるんですけど、(棋聖戦は)渡辺名人と(王位戦は)豊島(将之)竜王という将棋界を代表するお二人との対戦になるので自分自身も大変楽しみですし、その番勝負を成長できる機会にしていければと思っています」

――「タイトルは防衛して一人前」という言葉がある。藤井棋聖自身はどう思っているか。

「自分自身、防衛戦というのは初めてなので、防衛戦をやってみると挑戦とは違うところもあるのかもしれませんけど、自分としてはあまりその違いというのは意識せずに今回の棋聖戦にも臨めればと思っています」

――昨年の棋聖戦から1年経って成長を実感できるところは。

「はっきりとは分かることはないんですけど、序盤の形勢判断やその指し方の改善に取り組んでいるので、今回の五番勝負でもそういった序盤からの工夫というのをお見せできるように頑張りたいと思います」

――持ち時間4時間の対策は。

「公式戦で持ち時間4時間の対局自体は多いですけど、タイトル戦では少しスケジュールが異なってくるので、昨年のことも少し思い出しながらやることになるのかなと思います」

――タイトル戦ではいろんなイベントがあるが。

「タイトル戦で全国いろいろなところに行くことができて、地元の食べ物をいただけるのは楽しみにしているところです。今回、第1局は前夜祭がなくなってしまったんですけど、タイトル戦ですと、もちろん注目もしていただけますし、ファンの方と接する機会も多いかなと思うので、そういったところを力に変えていければなと思います」

――会見やあいさつの声が、前よりも大きい。意識しているのか。

「意識しているわけではないですけど、けっこう声が小さい方ではあるので、少し張らないといけないこともあるかなという気はします」

――木更津市の将棋を楽しむ子どもたちに一言メッセージを。

「今回、木更津を訪れるのは初めてなんですけど、対局室からの眺めもきれいで、すばらしい対局室を用意していただいたことに感謝しています。今回、緊急事態宣言の延長もあって、イベントが中止になってしまうという残念なこともあったんですけど、明日熱戦になるように全力を尽くしたいと思っていますので、楽しんで観戦していただきたいなと思いますし、また子どもたちにこれからも楽しんで将棋を続けてもらえたらなと思っています」

「好球必打で向かって行ければ」 渡辺名人

渡辺名人の一問一答は次の通り。

――昨年、名人を手にして、棋王・王将・名人を防衛された。この1年の評価は。

「昨年は藤井さんと棋聖戦の五番勝負で初めて対戦して、番勝負の対戦はそれ以来ですし、昨年は負けてしまっているので、1年越しにまたこうして対戦できる機会が来たというのはうれしく思っているところで、タイトルをもったまま藤井さんとまた対戦できるという状況にもってこられたというのはよかったと思っているところです」

――四冠を狙う立場。調子は?

「あまり状態は変わりなく来ていると思うんですけど、対局も1月から続いているので、あとは藤井さんと1年ぶりのタイトル戦なので、昨年負けてしまっているので、1年間でどういった変化をつけられるか、そういったあたりが焦点になるかなと思います」

――昨年は名人戦と並行して棋聖戦を戦った。集中力という意味で大変だったという印象がある。今回は棋聖戦に焦点を絞れるが、その評価は。

「昨年は緊急事態宣言明けの6月からいろんな対局が一気に動き始めたというところで、日程的に厳しいところもあったかと思うんですけれども、ただタイトル戦が並行すること自体はよくあることなので、昨年の6月、7月が特別厳しかったわけではない。今年はそれとはちょっと状況が違う。先週までは名人戦をやっていたので、この棋聖戦に向けた準備を始めたのはそれが終わってからなんですけど、ここからよりこの番勝負に時間をかけて作戦を構築していけるかなというところはあるかなと思います」

――今の実力は棋士人生の中でどのあたりなのか。

「成績的には20代後半の時に1回、三冠までいって、その時と今との比較ということになると思うんですけども、その時と今では、やっている将棋のアプローチが全然違うので、なかなか比較というのは難しい。20代後半の時は読みのスピードとか経験とか、そういうのがいろいろマッチして一番良い時期ではあったし、今は今でその時とは違うやり方で、それがフィットして成績的には出るようになった。20代後半で三冠だった時と、勝てていた要因が違う。なのでどっちが上という比較は難しいんですけど、今はもう37なので、今の状態をどれくらい続けられるかということを考えてやっています」

――どういうところを見てもらいたいか。

「昨年の棋聖戦は反響が大きいシリーズで、印象に残る手もいくつか残りましたし、賞を取るような将棋も多かった。昨年反響が大きい番勝負だったので、今年もそういった番勝負を目指していきたいなというところと、藤井さんはデビューしてからずっと注目されて、昨年タイトルを二つ取られて、今は押しも押されもせぬトップ棋士だと思うんですけど、自分も今はタイトルを三つ持ってという、いい状態で戦えるので、そこの技術的なところに注目してもらいたいなというのもありますし、そういった将棋ファンの期待に応えるような将棋を指していかないといけないなという気持ちはあります」

――立場を入れ替えた気持ちの違いは。

「昨年は藤井さんはまだタイトルを持ってなかったですし、挑戦者と受ける側という構図があった。そこから藤井さんはタイトルを二つ取られて、もう押しも押されもせぬトップ棋士に成長されて、そういった意味ではフラットな戦いになる。昨年はまだ地位が実力に追いついてない状態だった。そこからタイトルを二つ取られて、昨年と比べると状況の違いはあるかなと思います。ただそれがすごく盤上の技術に影響するわけではないんですけど、ここから先はお互いにタイトルを持っている者同士でやるというところで、フラットな戦いになりますから、昨年とは違う戦いの始まりという位置づけにはなるかなというのはありますね」

――藤井さんと対面されて違いを感じたことは。

「今のところ、まだそんなに検分ぐらいしか様子を見てないんで、明日1日、将棋盤をはさんで対戦するので、1日やって去年との違いとか、感じられるとは思う。今の段階で去年との違いはまだ把握できてないところはありますね」

――どういう戦略で臨むか、どういった戦いに持ち込みたいか。

「藤井さん相手に特化した作戦というのはない。相手が藤井さんだからどうというよりも、ここまでやってきた自分の指し方を出すというところと、昨年、4局同じ持ち時間でやっているので、そのへんは今年なんとなく生かせるかなというのはあるんですけれども、そのあたり1年経ってしまっているので、このシリーズ、1局、2局と進んでいく中で、より最近の藤井さんの特徴をつかんで、対策として出していければいいと思う。何か特別、相手が藤井さんだからという指し方はないというか、あくまで普段どおりに自分の指し方をやって、それでどこまで戦えるかという感じで考えてます」

――藤井さんは終盤の寄せ合いに強い。それまでに差をつけておきたいという思いは。

「昨年4局やって、自分が勝った将棋とか負けた将棋とか、僕と藤井さんの対戦における、勝ちパターン、負けパターンは当然あると思うんですけれども、ただなかなか全部がそういった展開になるはずはないんで、普段通りにやって少ないチャンスをつかむというか、そんなにいっぱいチャンスボールはこないと思うんですけれども、好球必打じゃないですけれども、そういう感じで向かって行ければいいかなと思っています」(村上耕司)

情報源:「工夫をお見せできれば」 初の防衛戦へ藤井聡太棋聖:朝日新聞デジタル


藤井聡太棋聖に渡辺明名人が挑戦する、第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第1局が、6月6日(日)に千葉県木更津市「龍宮城スパホテル三日月」にて行われます。

藤井棋聖VS渡辺名人は、過去6回対戦し、藤井棋聖の5勝1敗です。

この対局の模様は、ABEMA棋聖戦中継サイト日本将棋連盟ライブ中継でご覧いただくことができます。

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藤井聡太棋聖-渡辺明名人(棋譜中継

6月6日 (日)9時から対局開始


 

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