150手 1四銀打まで、△里見香女流王位 の勝ち
女流王位獲得3期連続7期目、タイトル獲得44期で歴代単独1位
2021年6月2日 19時34分
将棋の第32期女流王位戦五番勝負(新聞三社連合主催)の第3局が2日、福岡県飯塚市で指され、里見香奈女流王位(29)=清麗(せいれい)、女流名人、倉敷藤花(くらしきとうか)と合わせ女流四冠=が挑戦者の山根ことみ女流二段(23)に勝ち、対戦成績3勝0敗で防衛を果たした。女流タイトルの通算獲得数は44期に達し、史上最多タイの43期で並んでいた清水市代女流七段(52)を抜き、歴代単独1位となった。
対局終了後、里見女流王位は「(新記録は)すごく光栄なことですけど、今シリーズでもちょっと良くなった局面で危うさが出てしまっている」と謙虚に語った。
里見女流王位は島根県出雲市出身。鋭い指し手から「出雲のイナズマ」の異名を持つ。2004年に女流プロになり、08年の倉敷藤花戦で女流タイトルを初めて獲得。今回の防衛を含め、清麗2期、女王1期、女流王座4期、女流名人12期、女流王位7期、女流王将7期、倉敷藤花11期を獲得した。
松山市出身の山根女流二段は女流タイトル初挑戦だったが、初獲得は成らなかった。(佐藤圭司)
清水市代女流七段のコメント
この度は、女流王位防衛、そして、タイトル獲得最多新記録、誠におめでとうございます。
初めてタイトル戦で盤を挟んだ日のことや、時の経つのも忘れるほど語り合ったあの日のことを、懐かしく思い出しております。
記録とは、新たに刻まれる瞬間にこそ、その真価を問われる。
これまで保ち続けて来た最多記録の43期を越す最初の方が、敬愛なる「里見香奈」その人であったことをとても嬉(うれ)しく、そして誇りに思います。
これからも、期待や想像を遥(はる)かに超えた、里見女流四冠の輝く進化を確信しておりますとともに、ますますのご活躍を、心よりお祈り申し上げます。
日本将棋連盟会長・佐藤康光九段のコメント
この度は女流王位防衛並びに女流通算タイトル数最多記録更新、誠におめでとうございます。20代の若さで達成されたことに凄(すご)みを感じます。これからも女流棋界を牽引(けんいん)し、益々(ますます)のご活躍を祈念いたします。
情報源:里見香奈女流四冠、タイトル通算獲得数で歴代単独1位に:朝日新聞デジタル
里見香女流王位が3連覇を果たす
▲山根-△里見香戦は、150手で里見香女流王位が勝ちました。終局時刻は19時ちょうど。消費時間は、▲山根3時間59分、△里見香3時間44分。本局の結果、五番勝負は3連勝で里見女流王位が防衛に成功しました。女流王位3連覇を果たすとともに、歴代単独1位となる44期目のタイトルを獲得となります。
情報源:女流王位戦中継Blog: 里見香女流王位が3連覇を果たす
局後インタビュー
【里見女流王位】
――三度の相振り飛車。本局は早い飛車ぶつけの将棋でした。
里見 深く研究していた変化ではありませんでした。第1局のようにやるかどうか迷っていたのですけど、勢いよくいけたらなと思って指しました。――中盤について。
里見 もっとどんどん攻めていく予定でした。でも自重してしまって。疑問手を指して、悪くなっていったかなと思います。――先手の香打ちの攻めが鋭かったですか。
里見 そこは苦しかったです。決めにこられてもだいぶ苦しいと思っていました。――そのあとは▲6七桂から攻めてこられました。
里見 少し意外でした。駒が入る形になって、先手玉も少し危険になったかなと。――勝ちを意識したのは。
里見 ほんとに最後です。△7四竜と引いたところですね。――山根女流二段とのシリーズを振り返って。
里見 相振り飛車で、自分なりに工夫して指せたかなと思います。――通算44期となりました。
里見 光栄なことです。ただシリーズを通して見ると、よくなった局面で危うさが出たかなと感じています。【山根女流二段】
――45手目▲7五歩で82分の長考となりました。
山根 ▲3五飛と▲3二飛を中心に考えていて、それで方針が変わってきますので。ただ考えすぎだったかなとは思います。――中盤戦はいかがでしたか。
山根 一応駒得でしたので、カウンターを狙っていこうと思っていました。――8筋の攻めの手応えは。
山根 寄せがあってもおかしくはないだろうな、とは思っていました。ただ97手目▲5五角とするようでは変だったかなと。角を切ったりだとか、そういう手を選んだほうがよかったかもしれません。――▲6七桂の攻めについては、
山根 おかしくしてしまったかなと思いました。時間もなくなってきて、悪くなっていきました。――タイトル戦はどのような舞台でしたか。
山根 結果は残念ですけど、よい経験ができました。実力不足なので、実力をつけてまたこの舞台に戻ってきたいです。なお、感想戦の写真は、このあと場所を変えて行われる記者会見後に更新致します。
里見香奈女流王位記者会見
感想戦のあと、場所を変えて記者会見が行われました。
――挑戦者の山根女流二段との五番勝負を振り返って。
里見 山根さんは幅広い戦型を指されますので、相振り飛車の定跡形になるのかなとは予想していました。やっていく中で、山根さんの棋風を知っていくというか、対局数が多くはなかったので手探りな部分もありました。――今回のシリーズを勝ちきることができた要因
里見 第1局と第2局は終盤戦が難しくて。でも時間を残していたので。時間配分に助けられた部分はあるかなと思います。――防衛について率直な心境。
里見 対局直後なので、気持ち的にはホッとしています。――通算44期について。
里見 大変光栄なことだと思っております。――通算44期を実際に達成しての実感は。
里見 すぐに実感はありませんが、こういった記者会見の場は実感できるところかなと思います。――印象深いタイトル戦は。
里見 フルセットになったタイトル戦もたくさんありまして、それは記憶に強く残っています。そういう経験をさせていただけたのは、自分にとって貴重な時間だったかなと思います。――女流王位戦の中で印象深い場面。
里見 やはり失冠したタイトル戦が印象に残っていまして、甲斐さん(智美女流五段)と渡部さん(愛女流三段)と戦わせてもらいましたけれども、自分の弱さが分かったというか、それが自分にとってよい勉強材料になると振り返ってみて思います。――どのような活躍を目指しているか。
里見 女流王位を獲得したことで王位戦の出場権も得ましたので、そういった棋戦でも一生懸命戦えればなと思います。――女流棋戦が八大タイトル戦になった。第一線としてどうしていきたいか。
里見 私が女流棋士になった当初より、棋戦がいくつも増えました。非常にありがたいことだと思っています。そのうえで私自身も地力をつけつつ活躍して、女流棋界が発展していけば。それを客観視できるほどの余裕はありませんが、日々精進していきたいなと思います。――公式戦で活躍すればプロ編入試験という選択肢も見えてくる。
里見 いまはあまり考えてはいないですね。地力をつけて、棋戦で勝てるように頑張っていきたいと思います。――タイトル獲得について、いちばんうれしかったタイトル、自信がついたタイトル、これから先いくつ獲りたいか。
里見 うれしかったのは、パッと思い浮かぶのは初戴冠の倉敷藤花、それと女流名人を初めて獲得できたときも印象に残っています。自信については、フルセットまで戦ったタイトル戦は精神的にも成長できたのではないか。また、数値に執着することはこれまでありませんでしたので、これからも目の前の対局に向かって頑張っていきたいです。――これまでの歩みをどう感じているか。
里見 いろんな経験をさせていただきました。その中でひとつ励みになったのは、地元があるということです。後援会も作っていただいてますし、そういった自分の帰るべき場所があるというのはひとつの強みかなと思います。――20代で今回の記録を達成した。プレイヤーとしていまの年齢をどう感じているか。
里見 10年前に大阪に出てきて、将棋に打ち込む環境になったわけですけれども、当時の自分よりは成長できているかなと思います。こうして結果がついてきたことはうれしく思います。より棋力向上に努めないと厳しくなっていくと思うので、そのあたりを自分なりに考えて勉強していきたいです。――マイナビ女子オープンで西山朋佳女王が防衛し、全棋戦でタイトルに絡んでいきたいという言葉があった。脅威であったり、刺激であったり、何か意識はしているか。
里見 西山さんが女流棋士に転向されまして、前々から公式戦でも活躍されています。ほんとに刺激になりますし、頑張らないといけないなと思わされます。そういう気持ちを持ちながら日々勉強して、地力をつけていきたいです。――清水市代女流七段の通算期数を抜いた。そのことについての心境。
里見 いまと時代や棋戦数が違いますし、比較はできないものだと思います。清水さんはその素晴らしい人間性だとか、私がすごく尊敬している先輩です。少しでもそういった部分でも成長できればと思っています。以上で第32期女流王位戦五番勝負の全日程を終了致します。
ご観戦いただきまして、誠にありがとうございました。
里見香奈女流王位に山根ことみ女流二段が挑戦する、第32期女流王位戦五番勝負第3局が、6月2日(水)に福岡県飯塚市「旧伊藤伝右衛門邸」で行われ、里見女流王位が150手で山根女流二段に勝ち、3勝0敗で防衛しました。
里見女流王位は女流王位を3期連続、通算7期目となります。また、里見女流王位は通算獲得タイトル数が44期となり、この数字は清水市代女流七段の43期を抜き、歴代1位となりました。
情報源:里見香奈女流王位VS山根ことみ女流二段 第32期女流王位戦五番勝負第3局 里見香奈女流王位が勝利し女流王位を防衛|将棋ニュース|日本将棋連盟
村)「(新記録は)すごく光栄なことですけど、今シリーズでもちょっと良くなった局面で危うさが出てしまっている」
里見香奈女流四冠、タイトル通算獲得数で歴代単独1位に:朝日新聞デジタル https://t.co/f8Ex0xPAvf— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) June 2, 2021
里見香奈が女流王位戦3連覇 タイトル通算44期で単独1位に https://t.co/mFPxSG9EUe
— 毎日新聞ニュース (@mainichijpnews) June 2, 2021
第32期女流王位戦五番勝負の第3局が2日に行われ、里見香奈女流王位が挑戦者の山根ことみ女流二段に150手で勝ち、3連勝で3連覇を達成しました。里見女流王位は清麗・女流名人・倉敷藤花とともに女流4冠を堅持。女流タイトル獲得数は通算44期で単独1位となりました。(写真は日本将棋連盟提供) pic.twitter.com/08TUC9toSc
— 毎日新聞・将棋 (@mainichi_shogi) June 2, 2021
将棋の #里見香奈 女流王位が新記録 3連覇でタイトル獲得44期、歴代単独1位に https://t.co/3bWumc9n9k
— 産経ニュースWEST (@SankeiNews_WEST) June 2, 2021
将棋 里見香奈女流四冠 王位戦を防衛 通算タイトル歴代最多に #nhk_news https://t.co/UOt19oXu6Z
— NHKニュース (@nhk_news) June 2, 2021
#里見香奈 女流王位 が勝利
【第32期 #女流王位戦 第3局】
○里見香奈女流王位 VS ●山根ことみ女流二段
第32期女流王位戦五番勝負第3局が、6月2日(水)に福岡県飯塚市「旧伊藤伝右衛門邸」で行われ、里見女流王位が150手で山根女流二段に勝ち、3勝0敗で防衛しました。https://t.co/AHA8hXYXY5
— 日本将棋連盟【公式】 (@shogi_jsa) June 2, 2021
里見香奈女流王位、最多の44期 将棋、通算タイトル獲得数 https://t.co/khsrrNqP0w
— 中国新聞 (@ChugokuShimbun) June 2, 2021
【🎉速報🎉】#里見香奈 女流四冠、女流タイトル総獲得数44期 単独トップに|山陰中央新報デジタル
里見先生、#山根ことみ 女流二段 に3連勝して #女流王位戦 を防衛👏👏
本当におめでとうございます㊗️㊗️#将棋 #島根 #出雲のイナズマ https://t.co/rDcW4AReWy— 山陰中央新報 (@SaninChuo_) June 2, 2021
山根女流二段、初挑戦実らず 将棋女流王位戦・第3局 【愛媛新聞】 https://t.co/JM0oT1fIzm
— 愛媛新聞社 (@ehime_np) June 2, 2021
#女流王位戦 第3局に勝った里見女流王位は「攻めていく予定だったが自重してしまい、悪くしてしまった。駒が入る形になり、実戦的に難しくなったと思った」と振り返りました。女流タイトル獲得数の新記録については「光栄」としつつ「良くなった局面で危うさが出てしまう」と課題も口にしました。 pic.twitter.com/w4o78JV5fd
— 中日新聞 東京新聞 将棋【公式】 (@chunichishogi) June 2, 2021
一方、敗れた山根ことみ女流二段は「寄せがあってもおかしくないと思っていたが…変な攻めにしてしまった」と無念そうに語りました。初のタイトル挑戦を3連敗で終えたことには「結果は残念だが、いい経験になった。まだまだ実力不足。実力をつけて戻ってきたい」と前を向きました。 pic.twitter.com/mUW5FDtBkN
— 中日新聞 東京新聞 将棋【公式】 (@chunichishogi) June 2, 2021
里見女流王位が防衛直後に揮毫した「心身一如」は「心と体がひとつになって集中しているさま」。2年前、女流六冠を達成した時もこの揮毫だったように記憶しています。「(出雲から)大阪に出てきた10年前の自分よりは成長できているかな」と、これまでの軌跡を控えめに振り返っていました。(樋)
— 中日新聞 東京新聞 将棋【公式】 (@chunichishogi) June 2, 2021
里見香奈女流王位 将棋女流タイトルの通算獲得期数を12年ぶりに更新して44へ― スポニチ Sponichi Annex 芸能 https://t.co/9Npmfbn0Fn
— スポニチ王将戦【公式】 (@sponichi_ohsho) June 2, 2021
里見香奈女流王位がタイトル獲得通算44期の歴代新記録を樹立 前人未到の領域に29歳で到達 https://t.co/Gro8jqvUf9 #芸能ニュース #ニュース
— スポーツ報知 (@SportsHochi) June 2, 2021
里見香奈女流王位がタイトル獲得歴代新記録を樹立 日本 #将棋 連盟・佐藤康光会長「20代で達成した凄み」 https://t.co/6eh2QXA98T #芸能ニュース #ニュース
— スポーツ報知 (@SportsHochi) June 2, 2021
里見香奈女流王位がタイトル獲得歴代新記録 清水市代女流七段「記録を越える方が『里見香奈』であることは誇り」 https://t.co/75xieItoqQ #芸能ニュース #ニュース
— スポーツ報知 (@SportsHochi) June 2, 2021
女流王位戦中継Blog: 里見香女流王位が3連覇を果たすhttps://t.co/l3gGiFuCPC
>女流王位3連覇を果たすとともに、歴代単独1位となる44期目のタイトルを獲得となります。
— kewpiehoney (@kewpie_honey) June 2, 2021
女流王位戦中継Blog: 終局直後https://t.co/jx9L0xvTul
— kewpiehoney (@kewpie_honey) June 2, 2021
女流王位戦中継Blog: インタビューhttps://t.co/azWJamQcjs
— kewpiehoney (@kewpie_honey) June 2, 2021
女流王位戦中継Blog: 里見香奈女流王位記者会見https://t.co/CtlYS6cnSO
— kewpiehoney (@kewpie_honey) June 2, 2021
第32期女流王位戦第3局は、里見香奈女流王位が勝利し、見事防衛を果たしました。
またこの結果により、歴代単独1位となる44期目のタイトル獲得となり、感想戦の後記者会見が行われます。
女流王位戦3連覇&記録更新、おめでとうございます!!#女流王位戦 pic.twitter.com/I08nFlAvMX— 島井咲緒里 (@saori_shimai) June 2, 2021
今回の女流王位戦は相振り飛車シリーズとなり、大変勉強になりました。85飛と引く将棋は私も最近指してたのでとても興味深かったです。
山根女流結果は残念でしたが、どの将棋も白熱した熱戦でしたね、お疲れ様でした。
前夜祭や解説会は中止となり残念でした、来年は皆さまとお会いできますように。
— 島井咲緒里 (@saori_shimai) June 2, 2021
https://t.co/USmEXlIBlZ
コロナ禍で各地タイトル戦を戦わせていただいたことに感謝しています。
また気持ち新たに頑張ります!(香奈)— 福間香奈(旧姓里見) (@Satomi432) June 2, 2021
▲山根ことみ女流二段-△里見香奈女流王位(棋譜中継・棋譜DB)
150手 1四銀打まで、△里見香女流王位 の勝ち
女流王位獲得3期連続7期目、タイトル獲得44期で歴代単独1位
|
しかし、今よりも3つ・4つタイトルが少なかった時代に43期も獲得した清水さんもすげぇな。
|
|
|
|
|
|
★