まずは6月6日の棋聖戦
2021.5.30
この6月からいよいよ藤井聡太二冠が持つ、注目のタイトル戦が始まる。
最初は6月6日、千葉県木更津市『竜宮城スパホテル三日月』から始まる「ヒューリック杯棋聖戦」で、挑戦者は渡辺明名人だ。
挑戦者決定戦は、渡辺と永瀬拓矢王座との間で戦われ、少し苦しい将棋を勝負手の連発で渡辺が逆転勝ちした。永瀬はどの棋戦も勝ち上がっているからこそ、前年度の最多対局賞となったのだが、どうも渡辺には分が悪く、肝心なところで何度も苦汁を飲まされている。
渡辺は前期、保持していた棋聖位を藤井に敗れてタイトルを奪われた。今回は立場を変えての雪辱戦でもある。
名人の他、棋王と王将を保持し、棋界の第一人者となった渡辺にして、藤井は特別な相手と言える。
どんな棋士でもいつかはタイトルを手放す時が来るのだが、昨年の藤井との棋聖戦は「こういう負け方をしたのは初めて」と渡辺に言わせたのである。
通常、負ける時というのは、指していて(どうも自分の指し手が変調かな)という予感があり、相手に好手を指されて(やはりダメだったか)という流れで負けることが多い。
しかし藤井相手だと、自分が勝ちだと思っている時に、まったく気が付かない妙手を指されて負けるとか、必勝の局面から粘られて、決め手を掴めないうちに悪手を指して逆転されるなど、他の棋士相手では考えられない負け方をすることが多いのだ。
これを重ねると、完全に苦手意識が付いてしまうが、藤井は一流棋士相手にその意識を植え付けているように見える。
もう一つは6月末から始まる「お~いお茶杯王位戦」で、この24日、挑戦者が豊島将之竜王に決まった。
羽生善治九段を破っての挑戦で、こちらは唯一、藤井に大きく勝ち越している挑戦者だけに、藤井にとっても容易でない相手のはずだ。
羽生にはあと一つでタイトル100期という期待があったが、今回もお預けである。
ともあれ藤井にとっては、名人、竜王という、二大タイトル保持者を相手の防衛戦となった。藤井の行く所には自然に話題が集まる何かがあると感じているが、今回はどのような戦いぶり、そして結末が待っているか、大いに注目したい。
■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。
情報源:【勝負師たちの系譜】藤井二冠のダブル防衛戦 「自然に話題が集まる」何か持っている棋士 (1/2ページ) – zakzak:夕刊フジ公式サイト
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— zakzak (@zakdesk) May 30, 2021
6月6日 (日)9時から対局開始
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ほぉ・・・
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