ほぉ・・・
2021年5月18日 11時22分
将棋の渡辺明名人(37)に斎藤慎太郎八段(28)が挑戦する第79期名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第4局が19、20の両日、長野県高山村で指される。渡辺名人が2勝1敗とリードし、シリーズの行方を決める重要な一局だ。名人戦が村で開催されるのは珍しく、老舗旅館の社長の「三度目の正直」で実現した。
対局の舞台は、森鷗外や与謝野晶子らも訪れたという創業200年以上の山田温泉の旅館「藤井荘」だ。将棋のルールはほとんど知らないという藤沢晃子社長(53)が誘致した。名人戦は開催地を公募で決めており、県内では2016年の松本市以来になる。
最初の挑戦は3、4年前だった。東京出身の藤沢社長が結婚して藤井荘に来た30年ほど前は、温泉街に活気があった。名人戦を誘致してにぎわいを取り戻そうと勇んで応募したものの、あえなく落選。「応募への問い合わせもなく、木っ端みじんに砕かれた」という。
村一丸で再応募、選ばれたものの…
だが、藤沢社長はあきらめなかった。
当時の名人就位式に参加し、日本将棋連盟の関係者らにあいさつ回りしてアピール。内山信行村長にも働きかけて村一丸となって昨年の名人戦に再応募し、熱意が届いて第4局の会場に選ばれた。
ところが、今度は新型コロナウイルスに阻まれた。感染拡大で日程が大幅に延期され、藤井荘での対局が消えた。「残念だが、仕方がない」と吹っ切り、今年の名人戦に三度応募。「三度目の正直で、本当に夢のようです」
対局の部屋は、12・5畳の和室「椿(つばき)」。部屋からは松川渓谷の新緑が広がり、聞こえるのは川のせせらぎのみ。対局者の昼食には、地元産のそばなどを用意する。1日2回の対局時のおやつは、2人の過去の対局を調べて好みを研究。長野市や小布施町の3店から上生菓子やチョコレートケーキ、和栗のモンブランなどを取り寄せてもてなす。
先代社長で昨年急逝した夫の秀悟さんは将棋ファンだったといい、体調を崩しながらも誘致活動を応援してくれた。藤沢社長は「先代が一番喜んでくれていると思う。感染対策を万全にして、リラックスして力を出し切れるようにおもてなしをしたい」と話す。
村も名人戦を機に「信州高山」の知名度アップに期待する。名産のリンゴやブドウで知られるが、全国的に観光地として名高い岐阜県高山市や、人気の公開天文台がある群馬県高山村に埋もれがちだったという。
内山村長は「名人戦の開催は観光面で大きなアピールになる。藤井荘が名人戦の常連になり、藤井聡太二冠(の名人挑戦)を見てみたい」。同村在住で日本将棋連盟県支部連合会の小野沢憲雄会長(79)も「村で最高峰の舞台が実現するとは夢にも思わなかった。名人戦の開催を記念した将棋大会を恒例にして村をPRしたい」と意気込む。
両日とも、棋士による大盤解説会を村公民館で開くが、コロナ禍のため一般公開はしない。解説会の様子は、村内の約8割の世帯に普及している村のケーブルテレビで生中継する。(滝沢隆史)
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〈将棋名人戦〉 初代大橋宗桂(そうけい)が江戸幕府に認められ、一世名人に就いたのが将棋の名人制度の始まりとされている。世襲制などの時代が長く続いたが、1935年に実力本位の名人戦が始まった。A級からC級2組まで五つのクラスに分かれ、1年間かけて順位戦を戦う。A級はトップ棋士10人による総当たりのリーグ戦で、優勝者が名人に挑戦できる。藤井聡太二冠は現在、上から2番目のB級1組に所属する。
情報源:名人戦の会場、実は公募制 「3度目の正直」実った山村:朝日新聞デジタル
村)入念に準備を重ねていただいたようです→「おやつは、2人の過去の対局を調べて好みを研究。長野市や小布施町の3店から上生菓子やチョコレートケーキ、和栗のモンブランなどを取り寄せてもてなす」
名人戦の会場、実は公募制 「3度目の正直」実った山村:朝日新聞デジタル https://t.co/QRDNHzhIns— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) May 18, 2021
▲渡辺明名人 vs △斎藤慎太郎八段
9時から対局開始
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- 名人戦・順位戦 |棋戦|日本将棋連盟
- 第79期名人戦・順位戦 七番勝負/A級
- 名人戦棋譜速報│将棋・名人戦順位戦棋譜速報サイト
- 名人戦棋譜速報(@meijinsen)さん | Twitter
- 第78期将棋名人戦七番勝負 ライブ中継:朝日新聞デジタル
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