別室からの報道陣の質問に答える藤井聡太=2020年6月4日

(大志 藤井聡太のいる時代)戴冠編:2 「芸術作品」の激戦、永瀬を破りタイトル挑戦権:朝日新聞デジタル

へぇ・・・


2021年5月9日 5時00分

別室からの報道陣の質問に答える藤井聡太=2020年6月4日
別室からの報道陣の質問に答える藤井聡太=2020年6月4日

2020年6月、中断されていた長距離移動を伴う対局が再開された。新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言を受けて、愛知県在住の藤井聡太(18)の対局も延期されていた。

藤井は同2日、第91期棋聖戦決勝トーナメントの準決勝で佐藤天彦(33)と対戦。約2カ月ぶりの対局を勝利で飾った。終局後は「こうして改めて対局ができるということをありがたく思いました」と話した。

同じ日にもう一方の準決勝で勝ち上がったのは当時二冠(叡王・王座)の永瀬拓矢(28)。藤井の研究仲間だが、挑戦者決定戦で、初めて公式戦で対戦することになった。

挑戦者決定戦は準決勝から2日後の同4日、東京・将棋会館の特別対局室で行われた。藤井が勝てばタイトル挑戦の最年少記録を樹立する。通常なら報道各社が対局室に詰めかけるところだが、日本将棋連盟は新型コロナの感染対策として、対局室への入室を棋戦主催社や連盟関係者に制限。対局の写真や映像は、代表撮影したものを各社に配布することにした。

戦型は相懸かりに。中盤以降に永瀬が攻め、藤井が反撃に転じて終盤戦に突入した。押したり引いたり、力のこもった戦いにABEMAの中継で解説していた棋士の飯島栄治(41)は「善悪を超越してます。一つの芸術作品ですね」と感嘆した。最後は藤井が激戦を制し、念願のタイトル挑戦権を手にした。

感想戦終了後、藤井の記者会見が開かれた。感染対策のため報道陣は各社1人に絞られ、別室からパソコン越しに質問し、藤井が答えるという異例の形になった。

挑戦権獲得の感想を聞かれた藤井は「意識せず、盤上に集中しようと思って臨んだので、実感はまだわかない」。デビューから3年半でのタイトル挑戦については「プロになってからもうそんなに経つのかという気もする。今回得た機会をしっかり生かしたいという気持ちです」と答えた。=敬称略(村上耕司)

◆毎週日曜に掲載します。

情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)戴冠編:2 「芸術作品」の激戦、永瀬を破りタイトル挑戦権:朝日新聞デジタル



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