13日に開幕か・・・
2021年5月1日 16時30分
第80期将棋名人戦・B級1組順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)が13日に開幕する。名人挑戦権を争うA級に次ぐクラスで、百戦錬磨の強豪が顔をそろえることから「鬼のすみか」と称される。初参加の藤井聡太二冠(18)=王位・棋聖=と、A級返り咲きを狙う木村一基九段(47)を中心に、初戦を控えた棋士たちに意気込みを聞いた。
■藤井二冠「初戦から手ごわい」 木村九段「目標は勝ち越し」
B級1組は13人が総当たりで戦い、成績上位2人が昇級、下位3人が降級となる。
藤井はC級1組で1期足踏みしたものの、プロデビューから破竹の勢いで昇級を重ねてきた。「初戦から三浦弘行九段(47)、稲葉陽(あきら)八段(32)と名人挑戦の経験がある手ごわい相手が続く。いいスタートを切りたい」。順位戦の成績は通算39勝1敗で、現在21連勝中。森内俊之九段(50)が持つ順位戦の連勝記録「26」に迫っている。
順位戦の持ち時間は6時間だが、時間の計測がB級2組以下はチェスクロック制なのに対し、B級1組とA級はストップウォッチ制になる。後者は1分未満の消費時間を「0分」としてカウントするため、対局時間がより長くなる。「じっくり考えられるのは楽しみ。最後まで集中力が続くようにしたい」。昇級で対局数が増え、時期によっては多忙になる可能性もあるが「忙しかった去年を思い出せば、何とかなると思う」。
◇
「今期の目標は勝ち越し」。前期成績は8勝4敗で、あと1勝というところで昇級を逃した木村は言う。
A級経験は通算5期。前々期のA級で4勝5敗の成績ながら陥落した。前期B級1組は前半で3連敗を喫し、「残留をめざすので精いっぱいだった」。後半5連勝したが、昇級した2人に負けたことが響いて昇級には届かなかった。
「前期から降級が3人になり、『結構きついな』と改めて思った。この年齢になると、勝ち越しを早く確定させて、できれば上をめざしたいというのが正直なところ」と話す。「月に2局の時もあり、ちょっとした調子の悪さが致命的になることもある。注意して臨む」と気を引き締めた。(村瀬信也、村上耕司、佐藤圭司)
■「高いモチベーションで」「一局一局ベストを尽くす」
<稲葉陽八段> NHK杯優勝など最近は持ち時間の短い棋戦で結果が出ているが、持ち時間の長い順位戦を今期は12局指せるとプラスにとらえ、内容の良い将棋を指したい。
<三浦弘行九段> 対局間隔があくと順位戦の長時間のペースに適応するのが難しい。調子を崩さないようにしたい。初戦は藤井二冠と大変な相手だが意識しないようにしている。
<郷田真隆九段> 前期は開幕から5連勝と前半が良かっただけに残念。今期は順位が少し上がったので、それをプラスに考え、昇級を狙う。一局一局、自分の状態を整えて臨む。
<近藤誠也七段> 前期は3連敗スタートでつまずいた。負けた将棋は中終盤の戦いがまずかった。今期は前期の経験を生かして初めから気合を入れて臨み、昇級を狙いたい。
<久保利明九段> 前期は指し分けだったが、内容の良い将棋も指せたと思うので、今期につなげたい。目の前の対局に集中し、積み重ね、勝ち越し以上、そして昇級を目指す。
<千田翔太七段> 前期は4戦目以降に崩れた。途中で、残留は確定していたものの昇級争いから外れた。今期は前半から突っ走って、最後まで高いモチベーションで臨みたい。
<屋敷伸之九段> 前期は内容、結果ともに厳しかった。残留できたのは運が良かった。今期も、さらに厳しい戦いとなりそう。しっかりと準備して、開幕に備えたい。
<松尾歩八段> 前期はかなり苦戦して、課題が多く残った。新しいリーグが始まるので気持ちを切り替えたい。将棋を楽しむ気持ちを持ちつつ一生懸命に戦っていきたい。
<阿久津主税(ちから)八段> 前期は、前半に負けた将棋がどれも終盤の競り合いにならなかった。残留は幸運。強い若手が上がり、厳しい戦いが増えそうだが一局一局ベストを尽くす。
<佐々木勇気七段> 前期は苦戦した将棋も多く、ギリギリの昇級だった。B級1組は非常にレベルが高い。課題を克服して成長できるように一戦一戦積み重ねていきたい。
<横山泰明七段> 前期は昇級枠が一つ増え、7勝で上がれて運が良かった。(持ち時間の設定が変わり)B級1組は対局時間が長くなる。遅い時間帯でのミスを減らしたい。
■B級1組の顔ぶれと1回戦の相手
前期成績 1回戦
〈1〉稲葉陽八段(32) A級 横山
〈2〉三浦弘行九段(47) A級 藤井
〈3〉木村一基九段(47) 8勝4敗 屋敷
〈4〉郷田真隆九段(50) 8勝4敗 松尾
〈5〉近藤誠也七段(24) 7勝5敗 ――
〈6〉久保利明九段(45) 6勝6敗 佐々木
〈7〉千田翔太七段(27) 5勝7敗 阿久津
〈8〉屋敷伸之九段(49) 5勝7敗 木村
〈9〉松尾歩八段(41) 5勝7敗 郷田
〈10〉阿久津主税八段(38) 5勝7敗 千田
〈11〉藤井聡太二冠(18) B級2組 三浦
〈12〉佐々木勇気七段(26) B級2組 久保
〈13〉横山泰明七段(40) B級2組 稲葉
(〈 〉内数字は前期成績に基づく順位。かっこ内は1日時点の年齢)
情報源:(月刊将棋)気合と集中、百戦錬磨の13人 第80期名人戦・B級1組順位戦、13日開幕:朝日新聞デジタル
村)「じっくり考えられるのは楽しみ。最後まで集中力が続くようにしたい」「忙しかった去年を思い出せば、何とかなると思う」「今期の目標は勝ち越し」
(月刊将棋)気合と集中、百戦錬磨の13人 第80期名人戦・B級1組順位戦、13日開幕:朝日新聞デジタル https://t.co/T9SySpiD8Z— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) May 1, 2021
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