へぇ・・・
2021.04.02 16:00
全棋士参加によるドラフト会議を行なってチーム編成する団体戦で、将棋の早指し王を決定する番組『第4回ABEMAトーナメント』が3月27日から始まり、異色のルールも相まって注目を集めている。トーナメントでチームリーダーを務める永瀬拓矢王座がインタビューに応じた(取材・文/輔老 心)。
* * *
令和の将棋界で四強と言うと、豊島将之竜王・叡王(30歳)、渡辺明名人・棋王・王将(36歳)、藤井聡太王位・棋聖(18歳)、永瀬拓矢王座(28歳)の4人を指す。タイトルを4人で独占しているだけではなく、挑戦者として登場することも多い。
その中で、ひときわ異彩を放つのが、永瀬王座だ。
「ゲームは一切やりません。それは老後の楽しみに取っています。老後はゲーム三昧です」
「棋士は体重コントロールが大切。重くなりすぎると正座がきつい。デザートを食べすぎるのは本末転倒」
「対局中にはバナナをほおばる。バナナは万能な食べ物ですから」
「強い人は美しい。贅肉がなくなって筋肉の美しい筋が見える感じになってきます」
発するコメントのひとつひとつが際だっている。少年時代に将棋に没頭した理由だってひと味違う。
「将棋だけが人並みにできたから。子どもの頃、学校が嫌いで、勉強ができなくて、他人の半分しかできなかった。でも将棋は人並みで、中くらいにできたから没頭したんです。ほかのことが鈍臭すぎましてね。子どもは残酷なので、辛かったなあ(遠い目)。14歳の自分にかけてあげたい言葉は、『今を生きれば、将来は暗くないぞ』」
幼少期の実力を「人並み」と語る彼は、どうやって強くなったのか。それも四強と呼ばれるほどに──。
「将棋界には天才と秀才が多くいるんです。藤井二冠は大天才。天才の中でも上位。羽生善治九段も大天才。それに対して、自分は違う路線です。申し訳ないけれど、努力、努力、努力って感じ(笑い)。僕は漫画好きなんですが、主人公の才能がひょんなことから開花していく漫画はあまり好きではないですね(笑い)」
彼の実家は神奈川県のラーメン店。茎わかめラーメンが美味しいお店に行くと、彼の書いた色紙が貼ってあった。「根性」。
「将棋は、やったらやった分だけ強くなる、というのではないので(笑い)。でも、やらなきゃ強くならないです。自分は『継続は力なり』ではなく、『継続のみ』です。とりあえず継続する。ははははは」
ファンがつけたあだ名は「軍曹」。自分に厳しく、将棋に厳しく。「才」の字には縁がない人生という永瀬王座の才能論は興味深かった。
「才能は資源と考えればいいんです。なので、汲み出せる分量が決まっている。持っている人も、簡単には増やすことはできない。では、才能を使い切ったときにどうするか。僕の考えでは、他人から学ぶしかないんですよ。
その時に、教えていただくという謙虚な姿勢が大事です。ですから、将棋は、謙虚な人ほど強くなります。中には技術を盗む人もいるけれど、盗むより学ぶほうが面白いですよ。僕がやっているのは勝負事なので盗むに越したことはないんですけれど、学んだ上で盗む、という順番が大事です」
今、脂の乗った28歳。下から強い世代が追ってくる、上にはなかなか諦めない強い年上がいる。将棋界の“世代間抗争”をどう見ているのか。
「藤井聡太二冠が18歳。藤井さんの最年少棋士記録を抜いた伊藤匠四段が18歳。そういう方が今後の将棋を作っていくのは間違いない。なので、自分が将棋界にいるためには、彼らの将棋を学ぶことが必要だと思っています。上の世代の方は、これまでの将棋の礎を作った方なので、『棋譜並べ』という勉強をよくします。先輩のいい棋譜を並べると、筋トレのような脳のいい成分が出るような思いがします」
デジタル世代だけに、棋譜並べはパソコン画面でするのだろうと思ったら違った。
「将棋界には『いい手は指が覚えている』という言葉があるんです。だから強い先生のいい手を自分の指を動かして覚えることは大切で。僕の考えだと、マウスではなくて、盤と駒と指でやると、50倍は価値が違うと思っています。将棋の勉強はコンピュータソフトを使うのが主流なので、自分もこれからどんどん使っていくとは思いますが、棋譜並べはいつまでもアナログでしたい」
永瀬王座の取りたいタイトルは? このシンプルな質問の答えに驚いた。
「全冠同時制覇。そこを目指さないと棋士である意味がないので。目指すのは覚悟の問題です。ただ、覚悟すればいいだけです。勝負事なので波を作る必要がありまして。なんとなくですけれど、数局をかけて自分で流行りを作って、他の棋士も真似して乗ってきてくれたら、波が長続きする。その波に乗ると爆発的に勝てるんです(ニヤリ)」
サーフィンみたいですね、とつい口にすると──。
「そうですかね、僕はサーフィンは人生でやることはないです(笑い)。海はダメです、泳げないから危ないです」
その言い回しは、やはり異彩を放っていた。
◆永瀬拓矢(ながせ・たくや)/1992年9月6日、神奈川県生まれ。“入玉(引き分け)をいとわない”“現役棋士で千日手(指し直し)の出現率が最多”など、異色の大局観で頭角を現した最強棋士の一角。対局中にバナナをたくさん食べることも有名で「バナ永瀬」の二つ名もある。あだ名は戦う姿勢から「軍曹」。趣味は漫画。好きな駒は歩。
情報源:あだ名は「軍曹」 令和四強棋士・永瀬王座の野望は「全冠同時制覇」(NEWSポストセブン) – Yahoo!ニュース(コメント)
情報源:あだ名は「軍曹」 令和四強棋士・永瀬王座の野望は「全冠同時制覇」|NEWSポストセブン
あだ名は「軍曹」 令和四強棋士・永瀬王座の野望は「全冠同時制覇」https://t.co/oTKNMXTrcg
永瀬王座の取りたいタイトルは?
「全冠同時制覇。そこを目指さないと棋士である意味がないので。目指すのは覚悟の問題です。ただ、覚悟すればいいだけです」#永瀬拓矢 #将棋— NEWSポストセブン (@news_postseven) April 2, 2021
チーム永瀬(t)
|
|
|
- 将棋 | Abemaビデオ
- 第1回女流AbemaTVトーナメント – 第1回 | 将棋 | 【Abemaビデオ
- 第2回AbemaTVトーナメント – 本戦 | 将棋 | Abemaビデオ
- 第3回AbemaTVトーナメント – 予選 | 将棋 | ABEMAビデオ
- 第4回ABEMAトーナメント | 将棋 | ABEMAビデオ
ほぉ・・・
|
|
|
|
|
|
★