女流順位戦の開始は大きいよね
2021年3月22日 16時30分
女流将棋界で、20代前半の若手たちが台頭してきている。近年は、里見香奈女流四冠(29)と西山朋佳女流三冠(25)の「2強時代」が続いているが、この2人にどこまで迫れるか。
3月2日。第32期女流王位戦(新聞三社連合主催)の挑戦者決定戦が、東京・将棋会館で指された。女流タイトル戦常連の伊藤沙恵女流三段(27)に、山根ことみ女流二段(23)が挑む構図だった。
戦型は相振り飛車で熱戦になり、終盤で山根がリードを奪った。伊藤は入玉を目指して粘ったが、山根は冷静に網を絞っていく。午後6時21分、伊藤が投了した。山根が初の女流タイトル戦挑戦を決めた。「中盤、全く自信がなかった。心が折れてしまうこともあるが、本局は粘れた。挑戦者になれてうれしい」
山根は松山市出身。2014年にプロ入りした当初は、対局の度に松山から東京や大阪に出ていたが、18年に上京。蒲田将棋クラブ(東京都大田区)で奨励会員やアマ強豪にもまれて実力をつけた。
コロナ禍で研究会や練習将棋は減ったが、かえって対面で戦う公式戦が新鮮に感じられるようになったという。「一局一局を楽しみながら、伸び伸び指せたのがよかったのかなと思う」。昨年10月から今年2月にかけては、女流棋士で歴代3位タイの17連勝も記録した。
女流王位の里見との五番勝負は4月27日に兵庫県姫路市で開幕する。「里見さんとは2局対戦があって、どちらもあまり良くない内容で負けた。成長できる番勝負にしたい」
■顔ぶれ固定化
ここ数年、女流タイトル戦に出る顔ぶれは固定化しつつあった。里見や西山に加えて、伊藤や加藤桃子女流三段(26)、室谷由紀女流三段(28)といった強豪の壁が、中位以下の女流棋士たちの行く手を阻んできた。女流タイトル戦での初挑戦は、18年に女流王位戦で挑戦者になった渡部愛(まな)女流三段(27)以来となる。
山根のほかに目立つのが塚田恵梨花女流初段(22)だ。女王への挑戦権を争う第14期マイナビ女子オープン本戦で里見から金星を挙げた。「望外の結果。(周囲の人に)内容も褒めてもらえて、うれしかった」と振り返る。今月15日の挑戦者決定戦で伊藤に敗れたが、存在感を示した(伊藤と、女王のタイトルを持つ西山との五番勝負は4月6日に開幕)。
さらに、石本さくら女流二段(22)が昨年の倉敷藤花戦で挑戦者決定戦に進出した。
■負けても次が
若手の成長の背景には対局数の増加があるようだ。女流タイトル戦は従来六つだったが、2019年に七つ目の清麗戦がスタート。さらに昨年、八つ目の白玲戦が始まった。特に白玲戦は、リーグ形式で行う「女流順位戦」を導入しているため、トーナメントとは違い、負けても次の対局を戦うことができる。
塚田は「以前は公式戦で負けると、2~3カ月対局がないこともあった。全員参加のリーグがあるのはありがたい。対局が増えて、モチベーションが上がっている」と話す。
女流順位戦は、8組ある8人1組の総当たりリーグが進行中だ。全勝者の中には、里見や伊藤、加藤らのほかに、武富礼衣(れい)初段(21)や小高佐季子女流1級(18)といった名前もある。新年度以降、増えたチャンスをものにする若手は誰か。(村瀬信也)
情報源:女流将棋界、若手が起こす風 里見・西山の「2強時代」に挑む タイトル新設・リーグ戦導入、対局増え成長:朝日新聞デジタル
村)女流王位戦で挑戦者になった山根女流二段、里見香奈女流四冠を破った塚田恵梨花女流初段など、有望株が相次いで現れています。
女流将棋界、若手が起こす風 里見・西山の「2強時代」に挑む タイトル新設・リーグ戦導入、対局増え成長:朝日新聞デジタル https://t.co/2uvmTMBBFo— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) March 22, 2021
ほぉ・・・
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