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2021.3.21 10:00
関西を代表する実力派の人気棋士、山崎隆之八段(40)が、順位戦A級への昇級を決めた。A級は上位の10人しか在籍できないトップ棋士の証しだ。前期は降級のピンチに立たされただけに、「しっかり戦って落ちてやる」と覚悟を決めて臨んだ今期。「昇級争いに加われたこと自体がうれしい誤算。A級で互角に戦えるよう、さらに力をつけたい」と意気込む。 (中島高幸)
大勝負で奇策
2月4日、大阪市福島区の関西将棋会館。単独首位の9勝1敗で迎えたB級1組12回戦で、勝てば最終13回戦を待たずに悲願のA級昇級だ。相手は王将などタイトル獲得7期のベテラン久保利明九段(45)。
山崎八段は独創的な棋風で知られる。午前10時に対局が始まると、先手で端歩を突くという策に出た。「戦型選択に迷い、直前に思いつきました。大勝負なので、萎縮してしまう怖さもあって…」。後手の久保九段も端歩を突いて応じ、プロ同士の対局では珍しい出だしとなった。
苦しい中でチャンスも訪れた。勝ちの可能性が高いと思われる手順を見つけた。「踏み込まなければいけなかったが、踏み込んだ後に粘られる手順もみえた」。残り時間を正確に把握しておらず、焦りもあったか。「負けにくい手を、と思ったら悪手を指してしまった」。5日午前0時18分、投了した。
コートを着て帰ろうと関西将棋会館の階段を下りていたところ、A級に昇級したと知らされた。競争相手の郷田真隆九段(49)が敗れ、最終13回戦を待たずに昇級が決まった。
降級のピンチ
B級1組は、A級に引けを取らない実力者が多いことから、「鬼の住処(すみか)」と呼ばれる。山崎八段はB級1組に13期在籍。これまでも昇級の機会は訪れたが、昨年の前期はB級2組への降級のピンチを迎えた。
B級1組の前期の降級枠は2人。開幕戦で白星を挙げた山崎八段だが中盤以降黒星が続き、結果は3勝9敗で最も低い成績だった。同星が3人並び、このうち2人が降級。順位が上だった山崎八段は運よく残留することができた。
「実力が足りていないと身に染みた年だった。勝負になっていない感覚でした」と振り返る。今期は制度が変わり、B級1組からの降級枠は3人に増えた。「前期より良い成績でも落ちる可能性があり、今期も厳しいと思っていました。しっかり戦って負けるなら仕方ない。勝負になるように、との心持ちで戦いました」と胸の内を明かした。
未知の世界へ
昨年以来、新型コロナウイルスの感染が拡大。対面での研究はほとんどできず、パソコンを新調して自宅で研究するようになった。インターネットで同門の糸谷(いとだに)哲郎八段(32)との練習対局を重ね「助けられました」と感謝した。
森信雄七段門下では、29歳で早世した村山聖(さとし)九段、糸谷八段に続いて3人目のA級棋士となった。
「A級は未知の世界で自分より上ということしか分からない。まだまだ通じないかもしれない。今ある弱点を補わなければ」。大舞台を前に気を引き締めていた。
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やまさき・たかゆき 昭和56年、広島市出身。森信雄七段門下で平成4年に奨励会入会。10年に四段昇段(プロ入り)。新人王戦やNHK杯でそれぞれ2回優勝するなど、一般棋戦優勝8回。21年に王座戦挑戦。NHKEテレの「将棋フォーカス」で長年、司会を務めた。
現在の強さ反映「順位戦」
順位戦は八大タイトル戦の一つ「名人戦」の予選にあたる。最高のA級(原則定員10人)▽B級1組(同13人)▽B級2組(定員なしで今期25人)▽C級1組(同37人)▽C級2組(同52人)-の5クラスある。
1年を通してA級、B級1組は総当たり戦を行い、それ以外は1人10局指す。成績によって昇級や降級がある。A級の優勝者が名人との七番勝負に挑める。今期は、斎藤慎太郎八段が渡辺明名人=棋王・王将=への挑戦権を得た。
積み重ねられた実績が反映された段位とは別に、順位戦のクラスはそのときの棋士の強さが反映されているともいえる。棋士の対局料にも影響するとされ、重要な棋戦だ。持ち時間は予選で最長の各6時間。
情報源:「鬼の住処」で地獄から天国…将棋の山崎隆之八段の道のり(1/2ページ) – 産経ニュース
「鬼の住処」で地獄から天国…将棋の山崎隆之八段の道のり https://t.co/Gdcv5GakfZ
— 産経ニュースWEST (@SankeiNews_WEST) March 22, 2021
- 名人戦・順位戦 |棋戦|日本将棋連盟
- 第79期名人戦・順位戦 七番勝負/A級
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