(藤井聡太二冠と)1個差(1クラス差)をキープできてよかった
2021年3月12日 12時00分
第79期将棋名人戦・B級1組順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の最終13回戦が11日に指され、9勝3敗の成績を挙げた永瀬拓矢王座(28)が1位となって初のA級昇級を決めた。永瀬王座は、今期の戦いを「6連勝の時は安全かな、と思ったが、そこから崩れてしまった。後半かなり苦しんだ」と振り返る。そして、名人挑戦権を争う舞台に向けて、「挑戦に絡まないと意味がないと思っている」と力強く抱負を語った。
B級1組は13人の棋士が総当たりで戦う。この日、永瀬王座は東京都渋谷区の将棋会館で近藤誠也七段(24)と対戦し、153手で勝った。同組からA級へ昇級できるのは2人で、来期は山崎隆之八段(40)と共にA級に初参加する。降級は行方尚史九段(47)、丸山忠久九段(50)、深浦康市九段(49)の3人だった。
永瀬王座は2009年にプロ入り。19年に初タイトルの叡王を獲得した。昨年は王座を防衛したほか、棋士が3人1組で戦う早指しの非公式戦「AbemaTVトーナメント」で藤井聡太二冠(18)と増田康宏六段(23)とチームを組み、優勝を果たした。
◇
感想戦の後、取材に応じた永瀬王座の一問一答は次の通り。
――昇級の実感は。
「挑戦に絡まないと意味がないと思っている。絡まないといけないイメージがある」
――9勝3敗で昇級となった。
「6連勝の時は安全かな、と思ったが、そこから崩れてしまった。リードを守り切ったような感じではなかった。後半かなり苦しんだ印象がある」
――順位戦はC級2組を始め、苦労してきた。ついにA級に昇級する。
「目指していた場所。鈴木先生(=鈴木大介九段)には20代のうちにA級に上がるように言われていたので、ギリギリ上がることになる。40代、50代の先生が力を見せている印象がある」
――A級で戦っていけそうか。やってみないとわからない感じか。
「やってみないとわからない。順位戦は他の棋戦と別物というか、大変な印象がある。一時期よりは払拭(ふっしょく)したが、違う感じがある」
――「別」というのはどのあたりが「別」なのか。
「えーと……、(実力を数値化…
※続きは朝日新聞デジタルの有料会員登録が必要です。
情報源:A級昇級の永瀬王座、目標は?「藤井二冠と〝1個差〟」:朝日新聞デジタル
村)A級昇級を決めた永瀬王座にインタビューしました。「6連勝の時は安全かなと思ったが、それから崩れてしまった。後半かなり苦しんだ」「鈴木先生(=鈴木大介九段)には20代のうちに上がるように、と言われていた」「(名人)挑戦にからめるようにしないといけない」 pic.twitter.com/MVVG8ybFHx
— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) March 11, 2021
村)「同じクラスで当たるのは厳しいかなと思っていた」。来期、B級1組に上がってくる藤井二冠と当たらずに済むという意味でも大きい昇級だったようです。
A級昇級の永瀬王座、目標は?「藤井二冠と〝1個差〟」:朝日新聞デジタル https://t.co/GdOlQmPhdp— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) March 12, 2021
感想戦とミニインタビュー
2021-03-12 第79期順位戦B級1組
永瀬王座インタビュー
感想戦後に永瀬王座の昇級インタビューがありました。その内容の一部です。
――A級昇級について。
挑戦に絡めないと意味がないと思っているので、絡めるようにしたいです。
――今期の手応え。
6連勝したときは安全かなと思ったのですが、そこから崩れてしまったので、後半はかなり苦しんだ印象があります。
――A級昇級の感慨はありますか。
目指していた場所ですし、鈴木先生(大介九段)には「20代のうちに上がるように」と言われていました。ギリギリ20代A級棋士という感じですけど。40~50代の先生は、すごい力を見せられている印象もあります。
――A級での戦いについて。
やってみないとわからないですね。自分の見方だと、順位戦はほかの棋戦とは別物といいますか、大変な印象があります。一時期よりはだいぶ(その感覚は)払拭されたのですが、それでも少し違う感じがしています。
――その違いとは具体的に。
レーティングでは測れない世界なのかなと思います。
――名人位についての思い。
棋士になったら名人を目指すというのはありますし、将棋を始めた少年少女たちも名人を目指すものだと思っていますので、目指せる位置にこれたということは、よかったかなと思います。
――同世代の棋士は意識していますか。
いや、まったくしないんですけど。ここ10年くらいはない気がします。
――とすると意識するのは。
やはり藤井二冠。同じクラスで当たるのは厳しいかなと思っていましたので。1個差(1クラス差)をキープできてよかったなと。
――1個差をキープするということは、A級ではその上の名人ということに。
そうですね。上がりたいと思っています。しかし、藤井二冠といえども、次の階級(B級1組)は厳しい戦いにはなると思いますので、どこまで記録が伸びるのか注目しています。藤井二冠の強さは知っていますが、強い方ばかりですので。
――王将戦七番勝負も佳境を迎えています。(現在、永瀬王座の2勝3敗)
結果によって疲労度はかなり違うので、今日勝つことで疲労度はかなり軽減されたんじゃないかなと思います。過密日程で負けが込むのだけは、本当にキツイとわかったので。王将戦に向けて(今回の順位戦が)何か生かせれば理想的かなと思います。
最終局を制し、自力昇級を決めた永瀬拓矢王座。
B級1組を2期で突破し、来期よりA級にて名人位を目指します。https://t.co/4Ewc1PD4uw #shogi #meijinsen pic.twitter.com/pqNMzsrd0k— 名人戦棋譜速報 (@meijinsen) March 12, 2021
▲永瀬拓矢王座 vs △近藤誠也七段(棋譜DB)
153手 1四歩まで、▲永瀬王座 の勝ち、A級昇級決定
|
|
- 名人戦・順位戦 |棋戦|日本将棋連盟
- 第79期名人戦・順位戦 B級1組
- 名人戦棋譜速報│将棋・名人戦順位戦棋譜速報サイト
- 名人戦棋譜速報(@meijinsen)さん | Twitter
- 第78期将棋名人戦七番勝負 ライブ中継:朝日新聞デジタル
このままの勢いで、名人挑戦まで行けるといいな。
|
|
|
|
|
★