2020年2月の、第13回朝日杯
2021年2月14日 5時00分
2020年2月11日。当時七段の藤井聡太二冠(18)は、有楽町朝日ホール(東京都千代田区)で行われた第13回朝日杯将棋オープン戦準決勝で、千田翔太七段(26)に敗れた。朝日杯は初参加から2連覇して無敗だったが、初めて黒星を喫した。
決勝には残れなかったが、ファンにとってマイナスばかりではなかった。その後の大盤解説会に、藤井が師匠の杉本昌隆八段(52)と共に出演したからだ。行事への参加が少ない藤井が解説会に出るのは珍しい。
解説担当は、軽妙なトークが人気で当時王位を保持していた木村一基九段(47)。「ベテランと対戦した若手は、不利になっても粘って逆転勝ちすることが多い」という話題を持ち出した後、藤井にこう問いかけた。
「藤井さんは、『ベテランはそろそろ間違える頃だろう』とか考えたことはありますか」
先輩棋士の思わぬ“洗礼”に藤井が「いやいやいや」と言葉を濁していると、杉本が横から助け舟を出した。
「人は必ず間違えるんですよね。私も藤井七段と指す時、身をもって教えているんです」
会場は爆笑に包まれた。
そのころ、千田と永瀬拓矢王座(28)による決勝は、中盤の佳境を迎えていた。木村と杉本が今後の展開を予想していたところ、藤井が遠慮がちに「5四金から3二角と……」とつぶやいた。華麗な「王手飛車取り」が決まる妙手順だった。会場からは自然と拍手が起きた。木村は「私と杉本さんがいくらいい手を言っても評価されないのに、王手飛車一発でこういう反応なんですね」とぼやいた。
持ち前の鋭い読みを披露したところで、藤井の出番は終了となった。出演時間は約17分。再びわき起こった拍手に包まれながら、藤井は笑顔で頭を下げ、会場を後にした。=敬称略(村瀬信也)
◆毎週日曜に掲載します。
情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)黎明編:5 初黒星の朝日杯、解説会での鋭い読みに喝采:朝日新聞デジタル
村)「藤井さんは、『ベテランはそろそろ間違える頃だろう』とか考えたことはありますか」。昨年の朝日杯の大盤解説会、木村九段が藤井二冠にそう問いかけました。
(大志 藤井聡太のいる時代)黎明編:5 初黒星の朝日杯、解説会での鋭い読みに喝采:朝日新聞デジタル https://t.co/ECFRkUn8ka— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) February 14, 2021
ふむ・・・
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