藤井聡太王位・棋聖、朝日杯で3度目V 棋戦優勝は早くも5度目 公式戦連勝も「14」に

藤井聡太二冠が3度目の優勝|藤井聡太二冠-三浦弘行九段|第14回朝日杯将棋オープン戦決勝

第14回朝日杯将棋オープン戦決勝 藤井聡太二-冠三浦弘行九段
藤井聡二冠に振り歩先、歩が5枚で藤井聡二冠の先手
初手は、▲藤井聡二冠 2六歩、△三浦九段 3四歩


現地大盤解説

解説者:木村一基九段
解説者:杉本昌隆八段
聞き手:鈴木環那女流三段
聞き手:山口恵梨子女流二段


2021.02.11 16:20

将棋の藤井聡太王位・棋聖(18)が2月11日、第14回朝日杯将棋オープン戦・決勝で三浦弘行九段(46)に101手で勝利、同棋戦3度目の優勝を決めた。3年前の第11回大会では、史上最年少での棋戦優勝を果たしていたが、タイトルホルダーとして初めて出場した今期も強さと粘りを発揮。棋戦優勝は早くも5度目となり、今期の公式戦連勝も「14」まで伸ばした。

準決勝では、序列1位に君臨する渡辺明名人(棋王、王将、36)に敗色濃厚の最終盤から大逆転勝利を収めていたが、決勝では熱心な研究でも知られる実力者・三浦九段と対戦。横歩取りの出だしから激しい展開になると。中盤はじりじりと藤井王位・棋聖のペースに。ただ、両者1分将棋に入った後は三浦九段の逆襲で、劣勢に追い込まれていた。

それでも短い時間の中で諦めずに粘り続けると、再び形勢は藤井王位・棋聖に振れ、両者ぎりぎりの寄せ合いに突入。最後はわずかなところで藤井王位・棋聖が抜け出した。

対局後、藤井王位・棋聖は「(序盤は)作戦負けかなと思っていました。難しくなった局面もあったかと思って、最後は負けにしてしまったと思っていました。内容をしっかり振り返って次につなげたいと思います」と、大苦戦からの逆転勝利を振り返った。

残り1カ月半の2020年度だが、藤井王位・棋聖にとっては、大きな飛躍の年になっている。昨夏に棋聖、王位のタイトルを獲得すると、年末には全棋士参加の銀河戦でも初優勝。勝敗数でも41勝8敗、勝率.8367と4年連続で40勝以上、勝率8割以上を記録している。現在はタイトルホルダーが4人いる状況から“4強”という表現もされる中、タイトル戦も早指し棋戦も関係なく活躍し続ける藤井王位・棋聖が、かつて羽生善治九段(50)が築いたような「藤井時代」を作り上げても、なんら不思議ではない。

◆朝日杯将棋オープン戦 持ち時間40分の早指し棋戦。一次予選、二次予選を勝ち抜いた棋士が、シード棋士を含めた計16人で本戦トーナメントを戦う。参加は全棋士、アマチュア10人、女流棋士3人で優勝賞金は750万円。2017年度、2018年度に藤井聡太王位・棋聖が2連覇した棋戦としても知られている。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

情報源:藤井聡太王位・棋聖、朝日杯で3度目V 棋戦優勝は早くも5度目 公式戦連勝も「14」に(ABEMA TIMES) – Yahoo!ニュースコメント

情報源:藤井聡太王位・棋聖、朝日杯で3度目V 棋戦優勝は早くも5度目 公式戦連勝も「14」に 【ABEMA TIMES】


 2021年2月11日 16時12分

朝日杯将棋オープン戦決勝に臨む藤井聡太二冠(奥)と三浦弘行九段=2021年2月11日午後1時58分、東京都千代田区、角野貴之撮影
朝日杯将棋オープン戦決勝に臨む藤井聡太二冠(奥)と三浦弘行九段=2021年2月11日午後1時58分、東京都千代田区、角野貴之撮影

第14回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催、東海東京証券、ローソン協賛、ABEMA特別協力)の準決勝と決勝が11日、東京都千代田区の有楽町朝日ホールで行われ、藤井聡太二冠(18)=王位・棋聖=が2年ぶり3度目の優勝を果たした。準決勝で渡辺明名人(36)=棋王・王将と合わせ三冠=、決勝で三浦弘行九段(46)を破った。

朝日杯は持ち時間が各40分で使い切ると1手1分未満の早指し戦。準決勝では昨年、棋聖戦五番勝負を戦った渡辺名人と対戦した。終盤、「渡辺勝勢」と言われた局面から渡辺に決め手を与えず、粘り強く指し続け、逆転勝ちした。藤井二冠は「ずっと苦しかったので開き直るしかないと思って指していた」と話した。

決勝は、準決勝で西田拓矢四段(29)を破った三浦九段と対戦。序盤から激しい展開になったが、難解な中盤戦を制した。

藤井二冠は2018年、初参加の第11回大会で、羽生善治九段(50)=当時竜王=、広瀬章人八段(34)を破って優勝。翌年の第12回大会では、決勝で渡辺棋王=当時=に勝って、史上2人目の2連覇を達成した。昨年は準決勝で敗れて3連覇はならなかったが、朝日杯での敗戦はその1敗だけ。今回の勝利で通算20勝1敗と早指し戦でも驚異的な強さを見せている。持ち時間が6時間の順位戦でもこれまで通算38勝1敗の高勝率を誇り、今年度はB級2組からB級1組への昇級を決めている。(村上耕司)

情報源:藤井聡太二冠が2年ぶり3度目の優勝 朝日杯将棋OP戦:朝日新聞デジタル


2021年2月11日 19時16分

朝日杯将棋オープン戦表彰式で優勝カップを受け取る藤井聡太二冠(右)=2021年2月11日午後、東京都千代田区、角野貴之撮影
朝日杯将棋オープン戦表彰式で優勝カップを受け取る藤井聡太二冠(右)=2021年2月11日午後、東京都千代田区、角野貴之撮影

第14回朝日杯将棋オープン戦準決勝・決勝(朝日新聞社主催、東海東京証券、ローソン協賛、ABEMA特別協力)を勝ち、朝日杯3度目の優勝を果たした藤井聡太二冠(18)。11日の表彰式終了後、過去2回の優勝との違いなど、報道陣の質問に答えた。一問一答は次の通り。

朝日杯将棋オープン戦表彰式で優勝カップを手にした藤井聡太二冠=2021年2月11日午後、東京都千代田区、角野貴之撮影
朝日杯将棋オープン戦表彰式で優勝カップを手にした藤井聡太二冠=2021年2月11日午後、東京都千代田区、角野貴之撮影

――朝日杯の優勝の手応えと重みをどう感じているか。

「朝日杯はここまで3回優勝することができて、相性のいい棋戦なのかなと感じています。今期の戦いを振り返って、豊島(将之)竜王や渡辺(明)名人と対戦することができたのは、とても貴重な経験になりました。ちょっと秒読みのパフォーマンスが課題なのかなという印象があったので、そこを来年に向けて改善していきたいなと思っています」

――昨年から連勝している。今年に入って豊島さんに勝つなど調子がいいように見える。好調の理由は?

「今年は順位戦と朝日杯で勝ってはいるが、今日の将棋は2局とも課題が多かったなという印象があるので、そこをしっかり見つめて改善していければと思っています」

朝日杯将棋オープン戦表彰式で協賛社ローソンの白井明子・マーケティング戦略本部長(左)から副賞を受け取る藤井聡太二冠=2021年2月11日午後、東京都千代田区、角野貴之撮影
朝日杯将棋オープン戦表彰式で協賛社ローソンの白井明子・マーケティング戦略本部長(左)から副賞を受け取る藤井聡太二冠=2021年2月11日午後、東京都千代田区、角野貴之撮影

――準決勝の逆転は、昨年の王位戦第2局の逆転と比べてどうだったか。

「今日の将棋は3二銀と打たれたあたりからずっと苦しくて、最後もはっきり負けの部分もあったのかなと思います。ただ苦しい状況でも指さなければいけないので、仕方ないのかなと思っていました」

――逆転できたと思った手は?

「7六金に7四玉と引いた局面は逆転して勝ちになっているのかなと思いました」

――準決勝はタイトルホルダー同士だった。気持ちの変化はあったか。

「前回とは自分の立場が違うという形ではありましたけど、渡辺名人と対戦できるというのはすごく貴重な機会なので、自分としては以前と変わらず、思い切ってぶつかろうと思っていました」

朝日杯将棋オープン戦表彰式で協賛社ローソンの白井明子・マーケティング戦略本部長(左)から副賞を受け取る藤井聡太二冠=2021年2月11日午後、東京都千代田区、角野貴之撮影
朝日杯将棋オープン戦表彰式で協賛社ローソンの白井明子・マーケティング戦略本部長(左)から副賞を受け取る藤井聡太二冠=2021年2月11日午後、東京都千代田区、角野貴之撮影

――過去2回の優勝との違いは。感慨みたいなものは?

「今日は過去2回と比べて苦戦した将棋が多かった印象ですので、そこをしっかり反省してつなげないといけないのかなと感じています」

――高校を卒業する節目として、その先への思いは?

「棋士として将棋に取り組むことと学業は別のことではあるので、自分としては区切りという意識はない。より一層、精進してよりいい内容の将棋を指していきたいと思います」(村上耕司)

情報源:藤井聡太二冠、優勝しても反省「秒読み、課題」 朝日杯:朝日新聞デジタル


2021年2月11日 22時19分

11日に東京都千代田区の有楽町朝日ホールで行われた第14回朝日杯将棋オープン戦決勝(朝日新聞社主催、東海東京証券、ローソン協賛、ABEMA特別協力)で、藤井聡太二冠(18)が三浦弘行九段(46)を破り、2年ぶり3度目の優勝を果たした。終盤、藤井二冠の玉将が窮地にさらされる局面が続いたが、三浦九段のみならず解説の棋士も驚かせた大胆な一手が勝利に結びついた。

朝日杯将棋オープン戦決勝に臨む藤井聡太二冠=2021年2月11日午後、東京都千代田区、角野貴之撮影
朝日杯将棋オープン戦決勝に臨む藤井聡太二冠=2021年2月11日午後、東京都千代田区、角野貴之撮影

対局前の振り駒の結果、藤井二冠は今回の朝日杯で4戦目にして初めて先手番を握った。作戦家の三浦九段が選んだ戦法は変則的な横歩取り。前例が少ない力勝負になった。

三浦九段が先攻した後、藤井二冠が反撃して熱戦に。扇子を手にして前傾姿勢で考える藤井二冠に対し、三浦九段は時折、「いやあ」とうめく。強気な手の応酬の末、藤井二冠が綱渡りのような手順で入玉を果たし、双方の玉将が向かい合う珍しい展開になった。三浦九段が8四の飛車で5四の桂馬を取って、図の局面を迎えた。

図・△5四飛まで
図・△5四飛まで

共に40分の持ち時間を使い切っており、1手1分未満で指さなければならない。先手玉には△4二金の詰めろがかかっており、守りの手は難しいように見えたが、藤井二冠はここで▲4四銀と打った。三浦九段が対局後に「全く読んでいなかった」と明かした強気な一手だった。

▲4四銀は飛車の横利きを遮った守りの手で、後手玉はまだ詰めろではない。「正解を発見できますか」と相手に難題をつきつけるような、胆力を感じさせる手だ。△3二飛や△4二金など様々な手段が考えられたこの局面で三浦九段は△3二銀としたが、▲3四玉△4二桂▲2五玉△2九飛▲1六玉と進んで、これ以上は王手が続かない。以下△2一歩▲3三銀打△4四飛に▲3一金を見て三浦九段が投了した。

記者室のモニターに、朝日杯将棋オープン戦決勝の終盤戦で扇子を頭に当てて考え込む三浦弘行九段(左)の姿が映し出された=2021年2月11日午後、東京都千代田区、村瀬信也撮影
記者室のモニターに、朝日杯将棋オープン戦決勝の終盤戦で扇子を頭に当てて考え込む三浦弘行九段(左)の姿が映し出された=2021年2月11日午後、東京都千代田区、村瀬信也撮影

両者は対局後、大盤解説会で一局を振り返った。▲4四銀の局面での後手の最善手が検討されたが、明確な結論は出なかった。玉の安全度を見極めた藤井二冠の読みの正確さが改めて光った。際どい勝負をものにした藤井二冠は「最後は負けにしてしまったと思いました」と振り返った。惜敗した三浦九段は悔しそうな表情を見せていたが、最後は「(相手が)藤井さんなんでしょうがないですね」と白旗をあげた。

大盤解説会に出演した藤井聡太二冠(左から2人目)と三浦弘行九段(右端)=2021年2月11日午後、東京都千代田区、村瀬信也撮影
大盤解説会に出演した藤井聡太二冠(左から2人目)と三浦弘行九段(右端)=2021年2月11日午後、東京都千代田区、村瀬信也撮影

大盤解説会で解説を務めた木村一基九段(47)は、藤井二冠が指した▲4四銀について「並の人には指せない。相手にいい手を指されたら、『座して死を待つ』ことになりますから」と話す。その上で、こう語った。「苦しい場面でも、藤井二冠は相手が間違えやすいように指していた。我慢強さが実りました」(村瀬信也)

情報源:「全く読んでいなかった」 相手がうなる藤井二冠の一手:朝日新聞デジタル


本選トーナメント

情報源:第14回朝日杯将棋オープン戦<本戦トーナメント>


投了までの10分

https://www.youtube.com/watch?v=MjAZu7P5xK4&hd=1

初手からの解説

https://www.youtube.com/watch?v=UxFi8V-AvX8&hd=1

決勝戦の検討室の様子

表彰式の様子




藤井聡太王位・棋聖 vs △三浦弘行九段(棋譜DB

藤井聡二冠に振り歩先、歩が5枚で藤井聡二冠の先手

初手は、▲藤井聡二冠 2六歩、△三浦九段 3四歩

逆転

101手 3一金打まで、▲藤井聡二冠 の勝ち


 

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