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2021年2月6日 16時30分
第79期将棋名人戦・順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)が佳境を迎えている。今期は37人が参加するC級1組は2日に10回戦18局が行われ、2人の昇級が決まった。2人目の昇級が絡んで注目された対局は劇的な幕切れとなった。
C級1組は、五つのクラスのうち下から二つ目のクラス。20代の若手から60代のベテランまで多彩な顔ぶれがそろう。従来2だった昇級枠は、今期から3になった。
9回戦を終えて昇級に近かったのが、8勝0敗の増田康宏六段(23)と高崎一生七段(33)。7勝1敗で高見泰地七段(27)が2人を追っていた。
増田は、勝てば昇級が決まる状況だったが2敗の船江恒平六段(33)に敗れた。終局は午後8時22分。他の対局の結果次第で昇級が決まる可能性があったが、決着を待たずに大阪・関西将棋会館を後にした。
午後9時7分、高見が青野照市九段(68)に勝ち、1敗を守った。青野が角換わり早繰り銀を採用して迎えた図1で、後手の高見が指した△5五銀が鋭い切り返しだった。以下▲3六歩△5六銀▲同金△4六歩で高見が駒得に成功し、優位を不動のものとした。
午後11時1分、2敗の片上大輔七段(39)が敗れ、増田の昇級が決まった。増田は宿泊先のホテルに戻っていたが、母親からの連絡で昇級決定を知ったという。「順位戦のクラスを上げるのは一年の大きな目標だった。ここ2年間は順位戦で苦戦していたことも含めて、最高の気分です」とコメントした。
全対局の中で最後に残ったのは高崎―村田顕弘六段(34)戦。高崎が三間飛車を採用し、熱戦に。高崎が3七の成桂を銀で取った図2で、村田は△同竜と応じたが、これが痛恨の一手。▲8四角△同玉に▲5四竜の王手が利いたのが大きく、以下△7四銀▲8五金△同玉に▲7七桂と銀を取る手がぴったりで、後手玉は即詰み。午後11時55分、高崎が勝利をつかみ、昇級を決めた。図2では竜を動かさずに△3八銀がまさった。
高崎が、当時五段の豊島将之竜王(30)=叡王と合わせ二冠=らと共にC級2組で昇級を果たしたのは第68期のことで、同1組は11期目の在籍だった。対局後の第一声は「ホッとしました」。過去には9勝1敗ながら昇級を逃したこともあるだけに、感慨もひとしおだったようだ。「最後の最後も、(相手玉の)詰みは途中まで分かってなかった。いや、ツイてましたね」。来期はB級2組で戦う。「この勢いを生かして、次も昇級戦線に絡めるように頑張りたい」
残る一つの昇級枠を高見と船江が争う。高見は最終11回戦に勝てば昇級。船江は自身が勝って高見が敗れた場合、昇級できる。共に敗れれば高見の昇級だ。3月9日の11回戦で、高見は高崎と、船江は村田と対戦する。(村瀬信也、佐藤圭司)
■C級1組順位戦の上位棋士の成績
棋士 成績
(23)高崎一生七段 9勝0敗(昇級)
(11)増田康宏六段 8勝1敗(昇級)
(30)高見泰地七段 8勝1敗
(13)船江恒平六段 7勝2敗
(カッコ内数字は前期成績に基づく順位。10回戦終了時点)
情報源:(月刊将棋)昇級戦線ヤマ場、2人に切符 将棋・名人戦C級1組順位戦10回戦:朝日新聞デジタル
村)高崎一生七段と増田康宏六段が、最終戦を残して昇級を決めました。増田六段はホテルにいた時に連絡を受けて、昇級を知ったそうです。「最高の気分です」。高崎七段は「ホッとしました」。
(月刊将棋)昇級戦線ヤマ場、2人に切符 将棋・名人戦C級1組順位戦10回戦 https://t.co/15b7a7uNc4— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) February 7, 2021
勝って決めることは出来ませんでしたが、B級2組昇級が決まって本当に嬉しいです!😁
— 増田康宏 (@massu114) February 2, 2021
- 名人戦・順位戦 |棋戦|日本将棋連盟
- 第79期名人戦・順位戦 七番勝負/A級
- 名人戦棋譜速報│将棋・名人戦順位戦棋譜速報サイト
- 名人戦棋譜速報(@meijinsen)さん | Twitter
- 第78期将棋名人戦七番勝負 ライブ中継:朝日新聞デジタル
高見にも船江にも昇級してほしいけど・・・
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