七番勝負の開幕局は1月10日
2021.01.03
70期目を迎える王将戦。その歴史について、30年以上対局を見てきた毎日新聞の担当記者・山村英樹さんにお話を伺った。
「将棋の棋士は江戸時代から存在しますが、当時は幕府の保護下にありました。プロのタイトル戦はそれまで世襲制だった名人を実力制にしたのが始まりで、毎日新聞の前身である東京日日新聞が企画しました。当時は娯楽が少なかったので、囲碁・将棋を新聞に載せれば読者の興味を引けると考えたのです」
その後九段戦(現在の竜王戦)を読売新聞が創設、名人戦は毎日新聞から朝日新聞に移管。王将戦は3つめのタイトルとして毎日新聞が創設した。
「一番の特色としては三番手直り(3勝差がつくと香落ちを行う、現在は行われていない規程)で、時の名人がハンデを付けられる可能性のある刺激的なルールです。第1期で升田幸三八段が木村義雄名人を4勝1敗と圧倒し、香落ちに指し込みましたが、この時は升田が対局拒否をしたために結局行われませんでした(陣屋事件)。後に第5期王将戦では升田が大山康晴名人を香落ちに指し込み、その対局も勝利しています。途中からはスポーツニッポン新聞社も主催に加わり、対局者のユニークな面が見えるようになりました。七番勝負の対局後に行われる記念撮影は”罰ゲーム”としてファンの間で親しまれています」
今はテレビなどで中継も行われている。山村さんは、だからこそ将棋が分からない人にも棋士の対局姿を見てほしいという。
「こんなに集中して考える人がいるのか、と驚くのではないでしょうか。基本的に勝ちと負けしかない世界なので、棋士たちの戦う姿から、彼らが積み重ねてきたものを感じることができると思います」
王将戦は七番勝負で、全国各地を転戦する。そこには冬ならではの事件もあったそう。
「青森の対局で関西組は飛行機で入れたのですが、関東組は天候不良で飛行機が引き返してしまいました。その時は陸路で入り直し、1日制で行われました。また北海道で十数年ぶりに対局が行われた時は、雪で帰りの飛行機が飛ばなくなってしまったこともあります。さて、今期は渡辺明王将に永瀬拓矢王座が挑戦することが決定しました。リーグ入りが初なのが意外なほどの実力者です。永瀬王座はおやつのバナナなど、対局中の動きも多く、その点も注目ですね」
やまむら・ひでき●’58年生まれ、北海道出身。’81年毎日新聞社に入社し、’86年東京本社学芸部で他 の分野とともに将棋も担当。王将戦七番勝負は’87年1月開始の第36期、中村修王将―中原誠名人(肩書 は当時)から取材している。
取材・文=渡部壮大
情報源:毎日新聞学芸部・山村英樹が教える「王将戦」の歴史(HOMINIS(ホミニス)) – Yahoo!ニュース(コメント)
情報源:毎日新聞学芸部・山村英樹が教える「王将戦」の歴史|芸能人・著名人のニュースサイト ホミニス
情報源:第70期王将戦挑戦者決定リーグ戦
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— HOMINIS(ホミニス) (@HOMINIS_edit) January 3, 2021
渡辺明王将の振り歩先
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写真は銀河戦では?
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