芝野虎丸十段(左)と藤井聡太棋聖。中央は司会の美村里江さん=東京・千駄ヶ谷の将棋会館(酒巻俊介撮影)

【新春対談】囲碁・芝野十段×将棋・藤井棋聖×女優・美村里江さん 天才棋士 天才を知る – 産経ニュース

ニッポン放送の内容と同じなのかな?


2021.1.1 10:30

芝野虎丸十段(左)と藤井聡太棋聖。中央は司会の美村里江さん=東京・千駄ヶ谷の将棋会館(酒巻俊介撮影)
芝野虎丸十段(左)と藤井聡太棋聖。中央は司会の美村里江さん=東京・千駄ヶ谷の将棋会館(酒巻俊介撮影)

■芝野十段 一局一局成長できたら

■藤井棋聖 棋聖・王位 望外のこと

新型コロナウイルスの感染拡大という歴史的一年が終わり、気持ちも新たに迎えたお正月。令和3年の始まりを、飛躍を続ける若き「天才」棋士の対談で飾ります。将棋の高校生タイトルホルダー、藤井聡太棋聖(18)=王位=と、囲碁の芝野虎丸十段(21)=王座=が、東京・千駄ケ谷の将棋会館で相まみえました。司会進行を務めたのは、本紙でエッセー「ミゴコロ」を連載中の女優、美村里江さん(36)。マスク着用など感染防止対策を徹底する中、お二人の素顔に迫りました。

■藤井棋聖 コロナの一年 貴重な経験

美村「昨年は新型コロナウイルスの蔓延(まんえん)という歴史的な一年となり、今後も予断を許さない状況が続いておりますが、今回の新春対談で少しでも明るい気持ちになれればと思っております。さて、ともに天才といわれるお二人ですが、これまでに直接話す機会はあったのでしょうか。まずは芝野さんからお願いします」

芝野「以前、藤井さんが新人王を取られたとき、表彰式にお邪魔したんですけど、そのときは僕がすごく緊張してしまって、まったくしゃべれなかった。今回がほぼ初めてです」

藤井「自分はあまり囲碁界の方とお会いする機会がなく、自分の方が緊張したのを覚えています」

美村「やはり緊張しますよね。今日はいろいろと伺っていきますので、よろしくお願い致します。昨年はお二人にとっても激動の年になったと思います」

芝野「プロになってから、対局が停止するというのが初めてだったので、真剣勝負の舞台がないというのは、すごく違和感がありました。大変なこともありましたが、貴重な一年だったと思います」

藤井「自分も4月と5月の2カ月ほど対局がなくて、そのあと、止まっていた対局が一気に来て(笑)。昨年は、棋聖戦と王位戦という2つのタイトル戦の舞台で、タイトル獲得という結果を残すことができ、すごく貴重な経験ができた一年になりました」

今年の飛躍を誓った藤井聡太棋聖
今年の飛躍を誓った藤井聡太棋聖

美村「ありがとうございます。藤井さんは棋聖に輝いたとき、どんなお気持ちになりましたか」

藤井「棋聖戦は渡辺明名人との五番勝負だったんですけど、やっぱり渡辺名人とじっくり戦えるのは、貴重なことであり、その中で結果をだすことができたのはすごく望外なことだったと思います」

美村「棋聖になったあと、日常に変化があったのでは」

藤井「自分の場合はあまり変化を感じることはなかったんですが…。芝野さんはどうでしたか」

芝野「私生活ではそんなに変化はなかったと思うんですが、(アマ有段者に渡す)免状に揮毫(きごう)をすることが増えましたね。藤井さんも書かれたりしていますか」

藤井「何かアドバイスがあれば…(笑)」

芝野「僕は書道の方は全然へたくそなので、アドバイスはないです(笑)」

■芝野十段 タイトルには執着しない

美村「さて、もう耳にタコができているかもしれませんが、さまざまな記録を塗り替えてきたことについて、何か実感もあるかと」

藤井「記録については意識することはないです。実力をつけることが結果につながる世界なので、自分が意識するのは実力という部分なのかな、と」

美村「具体的な『次はこれだ』という目標を目指しているわけではないのですね。いろんな動画や資料などを拝見しているなかで、藤井さんが一番楽しそうにみえたのが平成31年の藤井猛九段との将棋解説です。ざっくりした質問ですが、将棋のどういうところがおもしろいですか」

藤井「将棋というのは序盤から中盤、終盤と進んでいくにつれて、どんどん局面が複雑になっていくゲームで、難しい中盤や終盤の局面を考えていくことが自分にとっての楽しみです」

美村「あと、藤井さんは王位戦で初めて2日制を経験されたわけですが、体調管理も難しいのでは」

藤井「それは課題ですね。ちゃんと寝ないと翌日に疲れが残ってしまうことがあるので、頑張って寝るようにしています。自分の(1日目終了時の)封じ手が悪手だったらさすがに寝られない気がしますね(笑)。できれば相手の封じ手の方が寝やすいかもしれません。ただ、それでも予想しない手が飛んできたりすると、『昨日の夜、考えたのは何だったのか』と思ったり(笑)」

今年の飛躍を誓った芝野虎丸十段
今年の飛躍を誓った芝野虎丸十段

美村「確かにそうですね。対局後は疲れていると思いますが、何時間寝るとスッキリしますか」

芝野「僕は7、8時間寝れば大丈夫ですが、結構疲れていると、10時間くらいは寝ちゃったりします」

藤井「7時間は寝るようにしています。将棋界では確か、羽生(善治)九段が26時間という“記録”を持っていたと思います。なかなか破れないんじゃないかと」

美村「すごい記録ですね。本筋に戻りますが、藤井さんは2冠となってから、ちょっと調子を落とされたと聞いています」

藤井「好調、不調というのは理由がはっきりしないからそう呼ばれるものなのかなと思っているので、自分としては基本的に変わらずやるしかないのかなという気がします。意識して変え過ぎない方が良いのかなと思っています」

美村「なるほど。芝野さんもお休みの後、ちょっと調子を崩されたとか」

芝野「自分の場合も特別な理由があるとは思えなくて、たまたまというか…。去年はタイトル戦(本因坊戦と名人戦)で2回負けましたが、次は頑張ろうという発奮材料になりました」

美村「対局でお忙しいお二人ですが、芝野さんは本をよく読まれるとか」

芝野「昔からすごくホラー小説が好きで、中学校の図書室にある(作家の)山田悠介さんの本をほとんど読みました」

美村「最近は筋トレもされているそうですね」

芝野「棋戦のレベルが上がってくると、持ち時間が5時間だったり、8時間だったり、かなり長くなってくるので、その体力作りのために始めました。まあ、ちゃんとやっているわけではないんですけど」

美村「お二人は対局の日以外はどんな過ごし方をされてますか」

芝野「外に出るのがあまり好きじゃないので、家でネットで対局したり、たまに棋士仲間と集まって勉強したりしています」

藤井「自分で指さない日はあるんですが…。趣味が将棋観戦なので、それは毎日やっています」

美村「下世話な質問で恐縮ですが、獲得した賞金は何に使っていますか。高価な買い物でいうと例えば」

今年の飛躍を誓った芝野虎丸十段(左)と藤井聡太棋聖
今年の飛躍を誓った芝野虎丸十段(左)と藤井聡太棋聖

■藤井棋聖 高み目指して精進

■芝野十段 子供たちの憧れに

芝野「僕は昔からあまり買い物をしないので、(賞金は)使っていないです。大きな買い物といってもスーツとか実際に使うものですね」

藤井「最近50万円のCPU(中央演算処理装置)を買ったので、それが断然のトップです」

美村「芝野さんは以前のインタビューで、“勝負に向いていない”と語っていましたが、その真意は」

芝野「タイトルを取りたい、次は勝ちたい、といったことがまったくないタイプです。欲がないのは珍しいのかもしれませんが、タイトルを取るのが最終目標ではないので…」

美村「勝ちたいという欲は持たないけれど、結果的には勝つ、というのは一般の方が目指しても難しい領域かもしれませんね。質問を変えまして、棋士になっていなかったら、どんな職業に就いていたと思いますか」

藤井「電車の運転士やパイロットには少し憧れの気持ちがありました」

芝野「小学校の先生に憧れていました。向いているかどうかはわからないが、学校が楽しかったというのもあって。人気の先生もいましたし」

美村「いい先生との出会いがあったんでしょうね。そうした幼い頃、将棋や囲碁に没頭する時間は楽しい半面、他の子供たちと過ごし方が違っていたと思います。同世代をうらやましいと思ったこともあるのでは」

藤井「自分はインドア派で、将棋が楽しくて続けてきたというところがあります」

芝野「囲碁がすごい好きだったというわけではなく、兄がやっているからやっていた。学校で、きのうのテレビ番組がどうだったかという話は、まったくついていけなかったので、うらやましいという気持ちはありました」

■藤井棋聖 棋聖戦第1局 心に残った

美村「さて次の質問は他業種の人にも参考になるかもしれません。コンディションがよくないとき、精神をどう保ちますか」

芝野「調子が悪いときにどうするかは大きな課題ですね。意識せずということになります。(対局中に)どうしても眠い時は盤上の石の数を数えてみるとか…。意味があるかどうか」

初タイトルとなる棋聖就位式で賞杯を手にする藤井聡太棋聖=令和2年9月23日
初タイトルとなる棋聖就位式で賞杯を手にする藤井聡太棋聖=令和2年9月23日

藤井「そうですね。対局のときは自分を信じることが必要だと思います。決断しなくてはいけないので、どんなときも自分を信じて指すことでしょうか」

美村「なるほど。では、苦手だなと思う相手に、対局前にできる気持ちの対策は」

芝野「相手に関係なく自分がやれることはやろう、苦手意識は持たないようにしています」

藤井「芝野さんの考えが理想ではありますが、相手の(それまでの)棋譜が気になって見てしまいます」

美村「気になるのは、その棋譜の記憶方法です。1枚の絵の連続なのか、物語の流れなのか、記号のようなものなのか…」

藤井「自分は覚えていないほう。流れというか、大事なところ、意味があるところを覚えている。序盤はほとんど覚えていません」

芝野「物語があるから覚えられます。初心者の対局は、失礼な言い方になりますが、意味がない打ち方をするので覚えづらいです」

美村「数多くの熱戦を繰り広げてきたわけですが、思い出の一局を教えてください」

芝野「趙治勲名誉名人との名人戦最終予選(平成29年)で石を40子くらい取られた1局です。それなのに勝ったので話題になったし、印象に残っています」

藤井「私の方は(昨年の)棋聖戦第1局です。渡辺名人との一戦は自分にとって初めてのタイトル戦でしたし、いい内容の将棋が指せました」

美村「お二人とも落ち着いていますが、人生で一番あわてたことは何ですか」

藤井「対局でも時間がなくなるとあわてることが多いです(笑)」

芝野「僕は普段からいろいろやらかすタイプです。小学生のときにレトルトのカレーを食べようとレンジでチンして、爆発させ焦りました(笑)」

■芝野十段 進化するAI 打ち方に変化

美村「それぞれに聞いてみたいことがあったらお願いいたします」

芝野「対局中、形勢が悪くなったとき、形勢がいいときで、気の持ちようは変わりますか」

藤井「形勢が悪いときは自力では勝てないので、仕方がないと思って開きなおってやっています」

3冠目となる十段就位式を終え、賞杯を手にする芝野虎丸十段=令和2年8月21日
3冠目となる十段就位式を終え、賞杯を手にする芝野虎丸十段=令和2年8月21日

芝野「自分の場合、形勢が悪くなると気分が悪くなって、いつあきらめようかという気になってしまう。ただ、逆転の可能性もあるので、はっきりするまで打とうと心掛けています」

美村「藤井さんはいかがですか」

藤井「AI(人工知能)搭載ソフトが出てきて、囲碁でも打ち方が変わってきたと思いますが、どう向き合っていますか」

芝野「そうですね。AIが出てきて打ち方が完全に変わりました。人間もAIにあわせた打ち方になり、布石(序盤)はAIの打ち方をみて勉強しています。将棋もAIが強くなっているようですが、指し方は変わりましたか」

藤井「定跡の部分や全体の価値観、玉の囲いなどに影響はあります。最近のソフトは実力的に高いレベルになって、(ソフトがもつ)クセというのも減ってきている。自分なりに考えたうえで、指し方を受け入れています」

美村「10年後、どんな大人になっていると思いますか」

芝野「願望ですが、数年前に井山裕太さんが7冠を制覇されすごい活躍をしていた。同じように子供たちが憧れるような存在になれたらうれしいです」

藤井「10年は続けられるかな、と思っているのでしっかり取り組んで、高いところにいたいと思います」

美村「今年一年の抱負をお願いします」

藤井「大きな舞台での対局を増やせるよう精進したいと思います」

芝野「タイトル戦に出られるように、一局一局成長できたらいいと思います」

美村「不透明な世の中で心配な面もありますが、お二人にとって素晴らしい一年になることを祈念します。本日はありがとうございました」

【プロフィル】芝野虎丸

しばの・とらまる 平成11年、神奈川県出身。26年にプロ入り。令和元年10月、19歳11カ月と最年少で七大タイトルの名人を、11月には王座を獲得。2年に十段を奪取し史上10人目の3冠を最年少(20歳7カ月)・最速(入段5年9カ月)で達成した。

【プロフィル】藤井聡太

ふじい・そうた 平成14年、愛知県出身。28年、最年少の14歳2カ月で中学生プロ棋士に。昨年7月、ヒューリック杯棋聖戦五番勝負を制し、タイトル獲得最年少記録を17歳11カ月に更新。8月には王位も奪取し、2冠と八段昇段の最年少記録を樹立。

司会の美村里江さん(酒巻俊介撮影)
司会の美村里江さん(酒巻俊介撮影)
【プロフィル】美村里江

みむら・りえ 昭和59年、埼玉県出身。女優としてドラマや映画に多数出演する一方、エッセイストとしても活動。平成30年に「ミムラ」から改名。今年は元日放送「大岡越前スペシャル」をはじめ、大河ドラマ「青天を衝け」などに出演予定。

■美村さん後記

「今度、藤井さんと芝野さんにお会いするんです」。そう話すと誰もが「いいなぁ」「どんな若者なんだろう」と興味津々。私自身も大変楽しみに準備し、当日を迎えました。

実際のお二人はフレッシュさもありつつ、ある領域からは超然的な視点もお持ちで…。笑顔の奥にスッとそれぞれの哲学がうかがえる瞬間を間近に体験し、この先の新たな物語を期待せずにいられません。

対談後、頭脳疲労解消用にヘッドマッサージブラシと頭痛や肩こりに効くアロマオイルをプレゼント。棋聖や十段の防衛などタフな1年が予想されますが、応援しています!

産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「十段戦」は、大和ハウス工業(大阪市)の特別協賛により、正式名称が「大和ハウス杯 第59期十段戦」となります。

情報源:【新春対談】囲碁・芝野十段×将棋・藤井棋聖×女優・美村里江さん 天才棋士 天才を知る(産経新聞) – Yahoo!ニュースコメント

情報源:【新春対談】囲碁・芝野十段×将棋・藤井棋聖×女優・美村里江さん 天才棋士 天才を知る(1/7ページ) – 産経ニュース




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