ほぉ・・・
2020年12月6日 5時00分
「空気を読まずに勝ってしまいました。彼は何連覇もするでしょうから、一度くらいは私が勝っても……」。2019年8月11日、福岡市で行われた第40回将棋日本シリーズJTプロ公式戦の表彰式で、三浦弘行九段(46)は1700人を超す観衆の前で冗談交じりに語った。
「彼」とは藤井聡太二冠(18)=当時七段=のことだ。この対局の勝者は、会場出口で来場者を一人ひとり「お見送り」する。その役を奪ってしまったことを気にしての発言だった。
三浦は藤井との公式戦を心待ちにしていた。15年夏に杉本昌隆八段(52)が、弟子で奨励会員の藤井を連れ、群馬県高崎市の三浦の自宅で合宿した話は有名だが、これは三浦が誘った。「藤井さんは詰将棋選手権で優勝して有名だったので、指してみたいという気持ちがありました」。三枚堂達也七段(27)を加えた4人で1泊2日、寝食を共にし、将棋に没頭した。練習将棋はすべて三浦が勝ったが、「詰将棋を解くスピードを指し将棋にうまく活用できていない感じでした」と振り返る。
その後、藤井はプロデビューを果たし、勝ちまくる。「どこかで当たりたい」と思っていた三浦にとって、将棋日本シリーズは待望の公式戦だった。早指しの対局で、作戦家の三浦は藤井の経験が少ない戦型に持ち込んで勝利。だがその1カ月半後にあった持ち時間4時間の王将リーグでは敗れた。長時間の対局を通して「手厚い将棋になっている印象を受けた」と言う。
24年前、羽生善治九段(50)の七冠独占を崩したころは1日10時間勉強し、「将棋の虫」と呼ばれた三浦。「私は高校卒業後、時間をすべて将棋に費やし、強くなった。藤井さんが卒業したら、どれだけ強くなるのか。恐ろしさを感じています」(村上耕司)
◆毎週日曜に掲載、今回から「番外編」です。今年7月までの連載などをまとめた「藤井聡太のいる時代」(朝日新聞出版、税込み1430円)が発売中です。
情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)番外編 三浦九段「高校卒業したらどれだけ強くなるのか」:朝日新聞デジタル
へぇ・・・
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