躍動する若手、A級棋士に挑む 朝日杯将棋オープン戦、2次予選組み合わせ:朝日新聞デジタル

トーナメント表は10月12日に公表された。


2020年10月19日 16時30分

第14回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)の1次予選が終了し、2次予選に進出する16人の顔ぶれが決まった。例年通り、勢いのある若手が活躍。A級棋士を始めとする2次予選シードの16人を合わせた戦いは11月から行われる。

■20代7人、12連勝の服部に注目

朝日杯は持ち時間各40分で、使い切ると1手1分で指す早指し戦。1次予選は16のブロックに分かれてトーナメントで行われ、3回か4回勝つと2次予選に進出できる。1次予選を勝ち抜いた16人を年代別に見ると、20代が最多で7人。30代は4人、40代は4人、50代は1人だった。

服部慎一郎四段
服部慎一郎四段

20代で目立ったのが、4月にプロになったばかりの服部慎一郎四段(21)の快進撃だ。朝日アマ名人の横山大樹さん(30)、東和男八段(65)、宮本広志五段(34)、村山慈明七段(36)を順に破った。

図・▲2六同銀まで
図・▲2六同銀まで

村山戦は千日手指し直しとなり、後手の村山が横歩取りに誘導。服部が「青野流」で対抗して激しい戦いになり、迎えた図の局面。村山は△6七香成▲同桂△6六桂▲4八玉△6七馬(飛車取り)と攻めたが、▲5六角がぴったりの一手で、服部が優位に立った。図では△6二銀と銀を逃がす手がまさった。

服部はこの勝利で12連勝を達成。今年度、全棋士の中で1位の数字だ(16日時点)。「早指しは得意なので、気合が入っていた」と振り返る。2次予選初戦では糸谷哲郎八段(32)と当たる。「早指しが得意な方とガチンコでやれてうれしい。思い切りぶつかっていきたい」

山本博志四段
山本博志四段

山本博志四段(24)は、2回目の参加で1次予選を突破した。三間飛車党で、師匠の小倉久史七段(52)との共著も出している。1次予選2戦目の佐々木勇気七段(26)戦も三間飛車だった。「強敵と意識していたが、自分のスタイルで勝てたことで自信になった」

2次予選初戦では、名人3連覇の実績を持つ佐藤天彦九段(32)と対戦する。「名人戦の記録を2度とったことがある。立ち居振る舞いなど、全てが魅力的な先生と対局できてうれしい。自分の力がどれだけ通用するのか、精いっぱいぶつかりたい」

八代弥七段
八代弥七段

八代弥(わたる)七段(26)は、優勝した第10回以来となる1次予選突破。「唯一優勝できた棋戦なので、素直にうれしい」。2次予選初戦の相手は、過去5回優勝の羽生善治九段(50)。第11回の朝日杯本戦以来、2度目の対戦となる。「同じ棋戦で2度当たるのは不思議な感覚。あまり気負うことなく指せたら」

女流棋士枠では里見香奈女流四冠(28)、西山朋佳女流三冠(25)、加藤桃子女流三段(25)の3人が出場。里見が1勝したが、いずれも2回戦までに敗退した。アマチュアは横山さんと、学生代表の東京大2年天野倉優臣(ゆうと)さん(19)が出場し、天野倉さんが3勝する大健闘を見せた。今年は朝日アマチュア将棋名人戦全国大会が延期になったため、毎年恒例のプロアマ一斉対局は行われなかった。

2次予選トーナメント、出場者
2次予選トーナメント、出場者
2次予選トーナメント、出場者
2次予選トーナメント、出場者

2次予選は年内に終わる見込み。第13回覇者の千田翔太七段(26)、第11、12回連覇の藤井聡太二冠(18)らシードの棋士が登場する本戦は来年1月に開幕する。(村瀬信也)

■2次予選後の本戦から出場するシードの8人

【前回4強入り】千田翔太七段、永瀬拓矢王座、藤井聡太二冠、阿久津主税八段

【1次予選抽選時のタイトル保持者】豊島将之竜王、渡辺明名人、木村一基九段

【全棋士参加棋戦優勝者】深浦康市九段

情報源:躍動する若手、A級棋士に挑む 朝日杯将棋オープン戦、2次予選組み合わせ:朝日新聞デジタル


第14回朝日杯将棋オープン戦<二次予選>

情報源:第14回朝日杯将棋オープン戦<二次予選>




本戦に進むのは誰だ?