藤井聡太棋聖が42手目を封じ手1日目終了
2020年8月19日 17時54分
将棋の藤井聡太棋聖が2つ目のタイトル獲得をかけて挑む「王位戦」七番勝負の第4局。「棋聖戦」を制して史上最年少でタイトルを獲得した藤井聡太棋聖(18)は、「王位戦」の七番勝負で木村一基王位(47)を相手に3連勝し、タイトル獲得まであと1勝に。対局会場に設けられた関係者の控え室では、立会人を務める棋士などが対局の進行を見守っています。
中田功八段「互角の戦いだ」
このうち、立会人を務めている中田功八段は、19日午後2時半ごろまでの進行について「先手番の木村王位が積極的にポイントを上げにいったような展開です。普通はもっとゆったりとした戦いにするものですが、大駒がぶつかり合うような激しい展開が多々ありますね。藤井さんも一歩も引かず、互角の戦いだと思います。これからが注目で、どちらかがミスすれば一気に崩れてしまうような展開で、すごく激しい将棋になってくる可能性もあります」と解説していました。
豊川孝弘七段「プロが見ても難しすぎてわからない局面」
副立会人を務める豊川孝弘七段は「木村さんは、第2局と同じ『相掛かり』の戦いでいきなり斬新な手を出して、先にジャブをかましました。そこからはプロがぱっと見ても難しすぎてわからないような局面で、難所中の難所ですね。すごく難解、南海ホークスです」と得意のだじゃれを交えて解説しました。
中田八段「木村王位 人間離れした芯の強さ」
今回、藤井棋聖の挑戦を受けている木村王位について中田八段は「彼が四段になった時から親しくしていますが、男らしい人で、自分が苦労した経験を教えてくれないんです。前局も、失敗にも陥るんですけどそこからまだ勝機を見出しているという将棋でした。しぶとさというか、不屈の精神といいますかね。決してあきらめないということをずっと持続しているところに人間離れした芯の強さを感じます」とその棋風を語っていました。
豊川七段「おやじももうちょい頑張ってほしいな」
豊川七段は「木村さんは本当に“ナイスなおやじ”で、将棋盤を離れるとひょうきんでユーモアもある。ただ、盤に向かった時は厳しく、ストイックですね。棋士はふだん自由な時間も多いですが、緩まずに、研さんを怠らないんです」とその人柄を語ったうえで、「立会人で公平の立場ですが、おやじの独り言として言うなら、木村さんはまだ勝てていないので、おやじももうちょい頑張ってほしいなと思います。藤井さんは飛ぶ鳥を落とす勢いどころじゃなく、ありえないぐらい勝っていますからね」と話していました。
中田八段「藤井さん 子どもの頃負けるとギャンギャン泣いた」
一方、藤井棋聖の強さについて、中田八段は「とにかくミスが少ないですが、すごくクールで切り替えが早いと思います。藤井さんも子どもの頃は負けるとギャンギャン泣いていましたけど、相当の修練を積んでも感情のコントロールってふつうは難しいんです。技だけではなくて、気持ちの面でも超一流のハートを持っている。そこに注目していますね」と話していました。
情報源:藤井棋聖「二冠」かけた対局 棋士たちが語る戦況とは | 藤井棋聖 | NHKニュース
▲木村一基王位 vs △藤井聡太棋聖(棋譜中継)
39手-40手
41手(1日目最後の手)
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藤井聡太棋聖が42手目を封じ手1日目終了
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