行方尚史九段 vs 糸谷哲郎八段
糸谷八段の2連勝でチーム糸谷に+2ポイント(0)
2020.05.31 10:33
将棋の超早指し団体戦「第3回AbemaTVトーナメント」の予選Cリーグ第2試合、チーム木村VSチーム糸谷が5月30日に放送され、中堅戦で糸谷哲郎八段(31)が行方尚史九段(46)との三番勝負で2連勝、+2ポイントを獲得した。周囲からは、参加12チーム・36棋士の中でも、最もルール適性が高いと言われた糸谷八段だが、第1試合では手痛い負け越し。名誉挽回で臨んだ今回は、会心の2連勝でリーダーとしての責務を果たした。
指せば指すほど力強さが増す。そんな怪力の持ち主が、ついに本領を発揮した。個人戦だった第2回大会では準優勝し、今回もその早指し適性を高く評価されていた糸谷八段。ただ初戦だったチーム康光との戦いでは大将戦で、佐藤康光九段(50)に1勝2敗(千日手含む)で敗れ、チームに貢献できなかった。今回、中堅戦で登場した時点で、チームポイントは「-2」。予選通過には崖っぷちにも近い状況でもあったが「連勝すれば埋まります」と、いつも以上に気迫を見せていた。
糸谷八段と言えば特に序盤は1手につき1秒、2秒といった具合に、早指しで指すのが特徴的。それでいて棋風は受け将棋。直線的な攻めが持ち味の行方九段に対して「いつものように惑わして泥沼に引き込んで、曲線を目指して戦いたい」という構想を練っていた。
迎えた第1局は相居飛車。当初の思惑とはやや異なり、真っすぐぶつかり合うような激しい攻め合いになったが、最後には豪腕から繰り出す攻めが炸裂。103手で勝利した。
続く第2局は後手番から、得意としている一手損角換わり。さらに飛車を振る工夫も見せた。途中、リードを奪ったもののあっさり勝たせてもらえないのがトップ棋士同士の対局。中終盤にかけて、行方九段の猛反撃にあい、一時は形勢を損ねたかに見えたが、チームメイトの都成竜馬六段(30)からも「底力を見た」という戦いぶりで、狙い通りの2連勝をもぎ取った。
戦った行方九段から「彼は絶対に(持ち時間6時間)の順位戦よりも、こっちのルールの方が向いている。正直あまりやりたくない相手ですね(苦笑)」と、最警戒された中での連勝劇。対局後には「ホッとしています。乗ってきました」と安堵の表情を見せた。長時間の順位戦でもA級で活躍する糸谷八段。「高速移動の重戦車」が、決勝トーナメントでも再び大暴れする。
◆第3回AbemaTVトーナメント
持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行い、1回の対戦は三番勝負。3人1組の12チームが、3チームずつ4つのリーグに分かれて総当たり戦を実施。1対局につき1勝を1ポイント、1敗を-1ポイントとし、トータルポイントの多い上位2チーム、計8チームが決勝トーナメントに進出する。優勝賞金1000万円。
◆出場チーム&リーダー
豊島将之竜王・名人、渡辺明三冠、永瀬拓矢二冠、木村一基王位、佐藤康光九段、三浦弘行九段、久保利明九段、佐藤天彦九段、広瀬章人八段、糸谷哲郎八段、稲葉陽八段、Abemaドリームチーム(羽生善治九段)
(ABEMA/将棋チャンネル)
情報源:“高速移動の重戦車”糸谷哲郎八段、会心の2連勝「乗ってきました」/将棋・AbemaTVトーナメント(ABEMA TIMES) – Yahoo!ニュース(コメント)
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中堅戦 第1局 ▲糸谷哲郎八段 vs △行方尚史九段
行方九段の振り歩先、と金が3枚で糸谷八段の先手
初手は、▲糸谷哲郎八段 2六歩、△行方尚史九段 8四歩
103手 5八玉まで、▲糸谷哲郎八段 の勝ち
中堅戦 第2局 ▲行方尚史九段 vs △糸谷哲郎八段(棋譜DB)
行方九段の先手
初手は、▲行方尚史九段 2六歩、△糸谷哲郎八段 3四歩
130手 8七桂成まで、△糸谷哲郎八段 の勝ち
チーム木村
チーム糸谷
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さすが強いな。