ふむ・・・
2020.04.21 10:54
将棋において、相手の玉を討ち取る「即詰み」の状況になっても、実戦で冷静に解くのは、問題を解くよりはるかに難しい。それはプロの世界でも同じで、超早指し戦となればなおさらだ。トップ棋士の白熱した戦いの中、持ち時間残り8秒で7手詰を見逃すというシーンが生まれたが、これぞ超早指し戦における人間同士の白熱の戦いというものだった。
第3回AbemaTVトーナメント・予選Aリーグ第2試合、チーム豊島とチーム三浦の戦いで、大将戦で戦った豊島将之竜王・名人(29)と本田奎五段(22)の第2局で、先手の本田五段に最長7手詰という局面が訪れたが、これを見逃しあわや逆転負けという状況に追い込まれた。対局後、本田五段本人も「5手詰ぐらいを見逃した」と振り返るように、少し落ち着いて考えれば、プロなら一目でわかるものが、刻一刻と減る持ち時間、しかも相手は将棋界の頂点に君臨する豊島竜王・名人ともなれば、そのプレッシャーからさらに難しさを増したのだろう。
同棋戦は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算される独特のルール。最終盤には、持ち時間がわずか数秒という状況で、勝負どころを指し続けることになる。この局面、本田五段は▲7二馬と取り込めば以下、△同玉、▲7三銀打、△8三玉、▲8一飛成、△9三玉、▲8二竜で詰み。解説を務めていた藤森哲也五段(32)も「▲7二馬で詰んでましたね」と語っていた。
実戦と詰将棋の最大の違いは、詰将棋は「正解を指せば必ず詰むことがわかっていること」だ。実戦で即詰みがあると踏み込んだところ、実は詰んでいなかったとなれば、そこから大逆転負けを喫することもある。
ここで本田五段が実際に指したのは、守りの一手(▲3七同金)。ここから一気に形勢が逆転し、豊島竜王・名人の玉が上部脱出することを許してしまった。最終的には、なんとか勝利を収めたものの、第1局を落としていた本田五段からすれば、2連敗で敗戦決定だっただけに、まさに天と地ほどの差がついていた。
通常の対局では、長時間の持ち時間がメインで、持ち時間を使い切っても一部の早指し棋戦で1手30秒というものが最短。特殊な環境下になったことで、将棋においていかに時間が重要であるかが、改めてわかるシーンとなった。
◆第3回AbemaTVトーナメント
持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行い、1回の対戦は三番勝負。3人1組の12チームが、3チームずつ4つのリーグに分かれて総当たり戦を実施。1対局につき1勝を1ポイント、1敗を-1ポイントとし、トータルポイントの多い上位2チーム、計8チームが決勝トーナメントに進出する。優勝賞金1000万円。
◆出場チーム&リーダー
豊島将之竜王・名人、渡辺明三冠、永瀬拓矢二冠、木村一基王位、佐藤康光九段、三浦弘行九段、久保利明九段、佐藤天彦九段、広瀬章人八段、糸谷哲郎八段、稲葉陽八段、Abemaドリームチーム(羽生善治九段)
(ABEMA/将棋チャンネル)
情報源:7手詰も見えなくなる…超早指し戦、残り8秒のプレッシャーと難しさ/将棋・AbemaTVトーナメント(AbemaTIMES) – Yahoo!ニュース(コメント)
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チーム豊島
チーム三浦
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