ふむ・・・
2020年4月12日 5時00分
夏を思わせる汗ばむ陽気だった。2019年5月17日。最高気温が29・3度に達した福岡県飯塚市で、将棋界最高峰の戦いが大詰めを迎えていた。
第77期将棋名人戦七番勝負第4局の2日目。激しい攻防の末に、豊島将之挑戦者(29)が優位に立つ。午後8時59分、名人3連覇中の佐藤天彦・現九段(32)が「負けました」と告げた。シリーズ通算4勝0敗で、豊島が初めて名人の座に就いた瞬間だった。
平成生まれの棋士が名人になるのは、これが初めて。新しい時代の到来を印象づける名人戦となったが、翌朝のインタビューで藤井聡太七段(17)に対するコメントを求められた時の豊島の答えには驚かされた。
「素晴らしい才能の持ち主で、さらに強くなっていくと思う。彼が25歳の時に自分は37歳。自分が相当うまくこれからの時間を過ごしていかないと、彼が全盛期の時に戦うのは難しいかなと思っている」
豊島は前年に獲得した棋聖と王位を併せ、この時三冠だった。だが、その口から語られたのは第一人者としての自信ではなく、将来への危機感だった。
豊島の名人獲得を、藤井はどう見たか。
「中終盤の指し回しが正確だと感じた。元々、いつ名人を取ってもおかしくない方だった。同じ愛知県出身として、目標となる存在です」
先の豊島からの評価については、苦笑いしながらこう話す。
「そう言っていただけるのはありがたい。豊島名人と互角に戦えるように実力をつけたい」
藤井は昨年、竜王戦の決勝トーナメントや王将戦の挑戦者決定リーグ戦などで豊島と当たり、敗れた。公式戦の対戦成績も通算0勝4敗だが、今後さらに対戦は増えるだろう。2人はどんな物語を紡いでいくのだろうか。=敬称略(村瀬信也)
◆毎週日曜に掲載します。
情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)鍛錬編:2 平成生まれの新名人、翌朝語った危機感:朝日新聞デジタル
村)「彼が25歳の時に自分は37歳。自分が相当うまくこれからの時間を過ごしていかないと、彼が全盛期の時に戦うのは難しいかなと思っている」。豊島名人の言葉です。
(大志 藤井聡太のいる時代)鍛錬編:2 平成生まれの新名人、翌朝語った危機感:朝日新聞デジタル https://t.co/kr9MvkCLQv— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) April 11, 2020
ほぉ・・・