将棋AIが一時、8%にまでなってたところからの大逆転だからな
思わず絶句した。「まさか…これ、逆転することあるんですね…」。そう話したのは、将棋界の若手エース候補、佐々木勇気七段(25)だ。佐々木七段と言えば、あの「藤井フィーバー」の真っ最中に、藤井聡太七段(17=当時四段)の連勝記録を「29」で止めた男として知られるが、その佐々木七段が今度は藤井七段の大逆転劇に、言葉を失った。もはや投了寸前まで見られていた敗勢から、一瞬の隙を突いての逆転勝利。ファンからは「藤井マジック」という声も多数飛んだ一局は、どんなに追い詰められても諦めないという姿勢から生まれたものだった。
この対局で藤井七段が戦ったのは、順位戦A級の実力者・稲葉陽八段(31)。タイトルへとつながる王位戦挑戦者決定リーグ戦で、両者にとって負けられない一局だった。藤井七段先手で始まり、戦型は角換わり腰掛け銀からスタート。中盤から長考が目立った藤井七段に対し、稲葉八段は「予定していた局面だった」と、どんどん指し進めた。終盤に入るころ、藤井七段の持ち時間が10分を切ったのに対し、稲葉八段はまだ3時間以上も残していた。また、形勢も稲葉八段に傾いていた。
時間もない、形勢も悪い。対局後「読み筋が当たらず、時間でも形勢でも苦しくなってしまった気がします。途中からかなり複雑で、考えてもなかなかわからない局面が続いたんですが、かなり時間がなくなって厳しいかなと思っていました」と、はっきりと苦戦を自覚していた藤井七段。中継していたAbemaTVで解説を務めていた佐々木七段も「(稲葉八段が)普通に勝ちですよね。勝ちだと思ってからの見落としが痛いんですけど…。落ち着くのが大事です」と話すほどだった。
ところがここから事件が起こる。稲葉八段が「時間ない中で、藤井七段が勝負手を指された。最後の対応も間違ってしまった」と悔やむ局面が生まれた。ほんの一手でガラリと状況が変わるのが、将棋の魅力であり怖さでもある。聞き手を務めていた室谷由紀女流三段(27)が「いやー、大変なことになりました」と驚くと、佐々木七段も「まさか…これ、逆転することがあるんですね…」と、息が漏れるような声を出した。
「これ、もう逃さないでしょう。藤井さん、信用あるんですよ、こういうところは。(残り時間が)1分でも2分でも(勝つ)」。世紀の連勝記録の後も、その棋力の高さは何度も見てきた。大逆転のシーンでは、既に持ち時間を使い1分将棋に入っていたが、佐々木七段にしてみれば、藤井七段の勝利しかイメージできないほどの差がついていた。「いやー、これ勝つんですね。驚いたな。正直これが逆転するとは思わなかったです。だって投了寸前だったじゃないですか」。藤井七段だけでなく、稲葉八段の実力も当然知っている。大きな差を持っての終盤で、そうそう取りこぼすような棋士ではない。それゆえに、この逆転劇のインパクトは大きかった。
対局後に稲葉八段は、早指し戦で1勝1敗、長時間対局で初めて対戦した藤井七段について、こんな感想を述べた。「妥協せず、時間を惜しみなく使っていた。わからなくても時間がなくなると、妥協する棋士が多いんですが、そういうことはないんだなと思いました」。この対局の持ち時間は各4時間。とことん時間をかけて悩み、時間がなくなった後でも、60秒の中で懸命に考える。ぎりぎりまで諦めることをしなかった若き実力者の姿勢を認めていた。この勝利で藤井七段は、3年連続での勝率8割以上という新たな記録を打ち立てた。この大記録を支えたものは、筋金入りの諦めの悪さだったのかもしれない。
(AbemaTV/将棋チャンネルより)
情報源:「これ、逆転することがあるんですね…」解説棋士も絶句する藤井聡太七段の大逆転劇と「諦めない」ことの大事さ(AbemaTIMES) – Yahoo!ニュース(コメント)
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これは凄かった。