無人の大ホールにずらりと碁盤が並んでいた=東京・市ケ谷の日本棋院

棋士イベント次々中止、碁会所・将棋道場も打撃 新型コロナ感染拡大:朝日新聞デジタル

まぁ、しかたないね。


2020年3月23日 16時30分

無人の大ホールにずらりと碁盤が並んでいた=東京・市ケ谷の日本棋院
無人の大ホールにずらりと碁盤が並んでいた=東京・市ケ谷の日本棋院

新型コロナウイルスの感染拡大が、囲碁界と将棋界に影を落としている。イベントが相次いで中止に追い込まれ、棋士の生活にも影響が出始めた。碁会所や将棋道場も営業休止になったり、客足が落ち込んだりするなどの打撃を受けている。

「思い入れのある企画だった。本当に残念」。将棋の今泉健司四段(46)は、そう嘆く。23~25日に大阪府池田市で計画されていた、小中学生向けの将棋合宿が中止になったためだ。

プロの将棋への取り組み方を感じてもらおうと、研究熱心で知られる菅井竜也八段(27)と共に2泊3日で指導する内容だった。東京などの子どもも含めて20人が申し込んでいた。

今泉は、3月と4月で八つほどの仕事がキャンセルになった。東京の企業から依頼された講演会や、指導対局が予定されていた福井県や広島県でのイベントがなくなった。「対局をして棋譜を提供するだけでなく、ファンのみなさんに喜んでいただく普及も大事な仕事。残念という思いだけでなく、経済的にも痛い」

安倍晋三首相が「スポーツ・文化イベントの開催は2週間自粛を」と要請したのは2月26日。これ以降、囲碁界と将棋界でイベントの自粛が広がった。アマチュア大会やタイトル戦の大盤解説会、公開対局をするイベントなどが相次いで取りやめに。春の風物詩である、山形県天童市の人間将棋も中止になった。

囲碁や将棋を楽しめる身近な場への影響も深刻だ。

囲碁の日本棋院は今月2日から東京、大阪、名古屋の各施設で運営する碁会所、囲碁教室、指導碁などアマチュア向けのすべてのサービスを休止している。4月1日から営業再開の予定だが、状況によっては休止期間延長の可能性もあるという。

プロ棋戦のスポンサー収入に次ぐ収益源のサービスを休止するのは、東日本大震災があった2011年以来。当時の休止は1週間だった。1カ月間の休止は前例がない異常事態だ。

東京本院の碁会所には月2千人、棋院直営の有楽町囲碁センターには月5千人が来場していた。席料は一般1500円、会員1270円。その収益が1カ月分、ごっそり消えた。

「大打撃です」と鈴木秀一・事業部長(51)。20講座ある週1回の囲碁教室は月謝1万円弱で1600人が通っていた。これもすべて休講に。大学囲碁授業への棋士派遣なども中止や延期が相次ぐ。

将棋会館の正面玄関には道場の休業のお知らせが掲示されている。その後、休業は31日まで再延長された=18日、東京都渋谷区
将棋会館の正面玄関には道場の休業のお知らせが掲示されている。その後、休業は31日まで再延長された=18日、東京都渋谷区

東京と大阪の将棋会館の道場も、今月2日から休業している。東京の場合、普段の週末の来場者は1日150~200人。営業中かどうかの問い合わせの電話が1日約10件ある。担当者は「例年、春休みには子どもたちがたくさん来るのですが……」と肩を落とす。

ウイルス禍は地域の碁会所の経営も直撃した。16日、東京・飯田橋の「囲碁ファースト飯田橋」は、客足が伸びる夕方になっても3人しかいなかった。フロアの半分は消灯している。「午前11時に店を開けて、来たお客さんは4人だけ」と店長の吹上(ふきあげ)博之さん(50)。壁に掛けてある今月のカレンダーには、団体客の予約がいくつもペンで塗りつぶされていた。

「2月下旬からお年寄りのお客さんは全滅状態。うちは若いお客さんもついているから、なんとか開けている」。他の碁会所では日本棋院と同じく休止したところや、閉店したところもあるという。「これが続いたらもたない。オーナーとは『我慢していればいいこともある』と励まし合っている」

先行きが不透明な状況が続く中、自宅で対局が楽しめる新たな取り組みも始まった。日本将棋連盟はインターネットを通じた棋士の指導対局を行い、17日には木村一基王位(46)が登場した。元奨励会三段の甲斐日向さん(27)らが運営する将棋教室は、子どもを対象にしたオンライン将棋大会の「電童戦」を企画。29、30日に第1回が開催される。(大出公二、村瀬信也)

情報源:棋士イベント次々中止、碁会所・将棋道場も打撃 新型コロナ感染拡大:朝日新聞デジタル


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