<頂へ 月刊・藤井聡太七段> 王位戦挑戦者決定リーグ:中日新聞

藤井聡太七段の王位戦、次局は3月20日のvs上村五段


2020年3月6日

王位戦挑戦者決定リーグで羽生善治九段(左)に勝利し、対局を振り返る藤井聡太七段=東京都渋谷区の将棋会館で
王位戦挑戦者決定リーグで羽生善治九段(左)に勝利し、対局を振り返る藤井聡太七段=東京都渋谷区の将棋会館で

先月、八大タイトルの一つ「第六十一期王位戦」(中日新聞社主催)の挑戦者決定リーグが開幕した。新鋭からベテランまで十二人の猛者が、木村一基王位(46)への挑戦権を懸けて争う。藤井聡太七段(17)=愛知県瀬戸市=も“三度目の正直”で予選を突破して初参戦。のっけから大スターを破り、台風の目になりそうだ。

藤井七段は二月十一日に東京であった朝日杯で、惜しくも三連覇を逃した。注目の対局は、その一週間後。王位戦挑決リーグ白組の初戦で、羽生善治九段(49)とぶつかった。

羽生九段は言わずと知れた将棋界の第一人者だ。獲得タイトル九十九期は歴代トップで、二位の大山康晴十五世名人(故人)の八十期を大きく上回る。今回王位を手にすれば百期の大台に乗るため、ファンの関心がひときわ高い。

本局が激しく動いたのは六十九手目。先手番の藤井七段が、思い切りよく敵陣に虎の子の角を打ち込んだ。以後、次から次へと攻め手を繰り出して戦いを主導。羽生九段の柔軟な受けをかわし、華麗に敵玉を追い詰めた。

難解な攻防で、互いに七十分以上長考する場面があった。藤井七段は「自玉を手厚くしながら攻めたいと思ったが、3一飛車(七十八手目)とかわされた局面で思った以上にそれが難しい気がした」、羽生九段は「6六銀(七十九手目)のときにこちらに思わしい手がなかった。ああやって引かれてみると、ちょっと苦しいのかも」と、その局面を振り返った。

これで両者の公式戦成績は藤井七段の三勝〇敗に。報道陣からその感想を問われても、やはり藤井七段はおごらない。「対戦自体がまだ多くないので、自分が勝ち上がって増やしたいです」

王位戦の挑決リーグは、出場棋士が紅白六人ずつの二組に分かれて総当たりで戦い、各組トップの直接対決で挑戦者を決める。

白組は、羽生九段のほかにも“聡太キラー”と呼ばれる菅井竜也八段(27)や、順位戦A級に在籍し続けている稲葉陽八段(31)ら強豪がズラリ。紅組も序列が高い竜王と名人のタイトルを持つ豊島将之二冠(29)=愛知県一宮市出身=を最右翼として、叡王と王座を保持する永瀬拓矢二冠(27)、棋王戦の挑戦者になったダークホース本田奎五段(22)など、そうそうたる顔触れだ。

この激しいレースを勝ち抜くのは、果たして誰なのか-。

棋譜を掲載できるのが主催者の強み。本欄に添えるので、腕に覚えがある方は、二人の攻防を自分の盤駒で再現してみては。詳しい観戦記も本紙朝刊で二十八日から掲載予定。こちらもお楽しみに!

(岡村淳司)

◆当面の主な予定 最年少タイトルへ着々

藤井七段は今期も勝率トップを独走中で、3年連続で首位になる公算が高まっている。本戦に進んでいるタイトル戦は、棋聖戦と王位戦の二つ。タイトル挑戦の最年少記録(17歳10カ月)を塗り替えるラストチャンスの棋聖戦は、決勝トーナメントで8強入りした。王位戦の次戦は20日で、上村亘五段と対局する。

情報源:<頂へ 月刊・藤井聡太七段> 王位戦挑戦者決定リーグ:囲碁・将棋:中日新聞(CHUNICHI Web)


上村亘五段 vs △藤井聡太七段

先後はリーグ抽選時に決まっており、上村五段の先手


 



前回は上村五段が勝ってるんだよな、第26期銀河戦で。