八段の免状を手にする杉本昌隆八段=2019年4月18日、大阪市福島区の関西将棋会館

(大志 藤井聡太のいる時代)鮮烈編:10 八段に昇った師匠「注目、弟子のおかげ」:朝日新聞デジタル

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2020年3月1日 5時00分

八段の免状を手にする杉本昌隆八段=2019年4月18日、大阪市福島区の関西将棋会館
八段の免状を手にする杉本昌隆八段=2019年4月18日、大阪市福島区の関西将棋会館

「八段は、こどものころ、将棋を覚えてから、棋士を志したときの一つの目標でした」

2019年2月22日、大阪市福島区の関西将棋会館。藤井聡太七段(17)の師匠、杉本昌隆八段(51)が、昇段を決めたときの第一声だ。八段が棋士にとって特別な段位ということが、にじむ言葉だった。

日本将棋連盟は、八段への条件として(1)竜王位1期獲得(2)順位戦A級昇級(3)タイトル2期獲得(4)七段昇段後の公式戦190勝、のいずれかと規定する。杉本はこの日、第69回NHK杯テレビ将棋トーナメントの予選で矢倉規広七段(45)、西川和宏六段(33)、井上慶太九段(56)に3連勝し、本戦出場を決めた。2局目の対西川戦の勝利で(4)の条件を満たした。杉本が七段に昇ったのは06年2月10日。13年がかりの昇段だった。

一方、弟子の藤井はデビューから1年半ほどで七段まで駆け上り、段位では師匠と肩を並べていた。藤井に先んじて八段に昇った杉本は「周囲の方が期待されている言葉としては、『師匠の威厳を見せられました』でしょうか。藤井七段には早く(八段に)追いついてきて欲しい」と話した。昇段を決めた日の夜、杉本は名古屋の自宅に帰る新幹線の電光掲示板で「藤井七段の師匠・杉本昌隆七段、弟子より早く八段に昇段」というニュースを見た。「藤井七段の師匠」という表現に、「う~ん、予想どおり」と思った。

藤井はその6日前に朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)で史上2人目の2連覇を達成したばかり。師弟同時昇級の可能性も残っている第77期名人戦・C級1組順位戦の最終戦が11日後に迫っていた。杉本は「弟子の藤井七段のおかげで、師匠である自分の対局まで注目され、大きな喜びを感じます。全力で指したい」と意気込みを語った。=敬称略(佐藤圭司)

◆毎週日曜に掲載します。

情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)鮮烈編:10 八段に昇った師匠「注目、弟子のおかげ」:朝日新聞デジタル



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