箱根大名行列!第4局に勝利した広瀬八段は、笑顔で紙吹雪(撮影・吉田 剛、協力・大名行列保存会)

広瀬八段、再び五分!渡辺王将の猛反撃に耐え2勝目「ギリギリ逃げられた」― スポニチ Sponichi Annex 芸能

129手 2三金打まで、▲広瀬八段 の勝ち


2020年2月22日 05:30

箱根大名行列!第4局に勝利した広瀬八段は、笑顔で紙吹雪(撮影・吉田 剛、協力・大名行列保存会)
箱根大名行列!第4局に勝利した広瀬八段は、笑顔で紙吹雪(撮影・吉田 剛、協力・大名行列保存会)

◇第69期大阪王将杯王将戦 7番勝負第4局第2日(2020年2月21日  神奈川県箱根町・ホテル花月園)

挑戦者・広瀬章人八段(33)が大混戦の終盤戦を際どく制し、シリーズ対戦成績を2勝2敗の五分に戻した。細かい攻防の第1日からわずかに抜け出し、リードを保った状態でゴールに向かいながらも、渡辺明王将(35)の激しい追い込みを受け複雑な展開に。それでも前半の駒得が最後まで効力を発揮して勝利に達した。第5局は3月5、6日に大阪市のKKRホテル大阪で行われる。

楽に勝てる相手ではない。検討陣が広瀬有利を指摘する状況に持ち込みながらも当の本人は歯を食いしばって勝ち筋を探していた。「終盤は後手王が広く、持ち時間も少なくなって焦ってしまった。でも自王の兼ね合いを見ながらギリギリ逃げられたと思う」。2勝目を確保した挑戦者はホッと安堵(あんど)の息だ。

封じ手(49手目)の▲5四歩が、まず意表を突く一手。「あの近辺から苦労した」とはいうものの、形勢は少しずつ広瀬に傾いていく。「ギリギリのタイミング」と満を持した59手目▲3七桂=第1図=、さらに63手目▲4五桂と右桂を二段活用させて迫力の攻めを構築する。この時点では心地よい追い風に乗っていたが…。

さていかに仕留めるか。フィニッシュが見え始めてから王将の猛反撃を受ける。一瞬にして勝敗が入れ替わる頓死筋もちらつく。大量リードを奪いながら知らず知らずの間にうっちゃられた第3局の記憶もよみがえる。それでも駒台に最多で8枚、所狭しと並んだ「歩」が心強い味方だった。

第1図(上)と投了図
第1図(上)と投了図

前日に渡辺から浴びた細かい攻めに対応する代償として獲得した戦力たちだ。このアドバンテージは予想以上に効いた。知力体力の総力を集めて逆転の可能性を探っていた渡辺をして「結局、最後は歩が足りない変化が多かった」と言わしめるほど。

7番勝負開幕前は充実著しい王者に対し苦戦が予想されたチャレンジャー。ところが先手番をきっちりモノにする堅実さで、気がつけば土俵中央でのガップリ四つをキープしている。「これから3番勝負。佳境に入りますが、変わらずに一生懸命頑張りたいと思います」と広瀬。両者とも持ち味を十分出し切ってのタイスコアだ。7番勝負は均衡を保ったまま後半戦に突入する。(我満 晴朗)

▼渡辺王将 最後まで一手足りなかった。次局は月も変わる。年度末でもう一踏ん張りしたい。(この日の黒星で公式戦3連敗。巻き返しを期す)

《箱根“トリプルパンチ”》箱根周辺は“トリプルパンチ”に見舞われ観光客が激減している。昨年5月の大涌谷入山規制(現在は解除)に続き、10月には台風19号による土砂崩れが発生。落ち着きを取り戻したところで、今度は新型コロナウイルス感染拡大の波。ホテル花月園の総支配人・足立守男さんは「客足減は東日本大震災よりひどいかも」と心配していた。

情報源:広瀬八段、再び五分!渡辺王将の猛反撃に耐え2勝目「ギリギリ逃げられた」(スポニチアネックス) – Yahoo!ニュースコメント

情報源:広瀬八段、再び五分!渡辺王将の猛反撃に耐え2勝目「ギリギリ逃げられた」― スポニチ Sponichi Annex 芸能


 2020年2月22日 05:30

第1日指了図
第1日指了図

◇第69期大阪王将杯王将戦 7番勝負第4局第2日(2020年2月21日 神奈川県箱根町・ホテル花月園)

《第1日指し手》

【広瀬】    【渡辺】

(1)▲2六歩1  (2)△3四歩1

(3)▲7六歩2  (4)△4四歩

(5)▲2五歩1  (6)△3三角

(7)▲4八銀   (8)△3二銀1

(9)▲3六歩5  (10)△8四歩4

(11)▲7八銀3 (12)△8五歩4

(13)▲7七銀  (14)△4三銀3

(15)▲5六歩2 (16)△3二金2

(17)▲7八金2 (18)△6二銀7

(19)▲6九王1 (20)△5二金3

(21)▲7九角4 (22)△7四歩3

(23)▲5八金3 (24)△5四歩10

(25)▲6六歩3 (26)△4一王3

(27)▲6七金右3(28)△6四歩1

(29)▲3五歩35 (30)△同歩30

(31)▲同角  (32)△8六歩1

(33)▲同銀5 (34)△6五歩1

(35)▲同歩27 (36)△4五歩1

(37)▲7七銀1 (38)△7三桂

(39)▲6六銀22 (40)△6五桂57

(41)▲5五歩49 (42)△8八歩26

(43)▲同金7 (44)△5三銀1

(45)▲2四歩9 (46)△同歩

(47)▲7八王2 (48)△6二飛51

(49)▲封じ手56 (第1日指了図)

消費時間 ▲広瀬4時間3分  △渡辺3時間30分

残り時間 ▲広瀬3時間57分 △渡辺4時間30分

《第2日指し手》封じ手5四歩

【広瀬】  【渡辺】

(49)▲5四歩56 (50)△同銀左8

(51)▲2四角52 (52)△2七歩55

(53)▲同飛1 (54)△2六歩

(55)▲同飛28 (56)△4四角2

(57)▲5六飛9 (58)△4六歩8

(59)▲3七桂23(第1図)

(60)△3六歩81

(61)▲5五歩1 (62)△4三銀

(63)▲4五桂5 (64)△3七歩成

(65)▲5三桂成63(66)△同金

(67)▲3七銀  (68)△4七歩成

(69)▲4五歩  (70)△5七と1

(71)▲同銀8 (72)△同桂成

(73)▲同金1 (74)△3三角19

(75)▲3五角  (76)△4四歩

(77)▲7七桂16 (78)△3四銀打18

(79)▲6五桂打 (80)△5二金

(81)▲5四歩4 (82)△6四桂2

(83)▲6六飛6 (84)△3五銀1

(85)▲5三歩成 (86)△4五歩1

(87)▲6二と3 (88)△同金

(89)▲6三歩4 (90)△6六角45

(91)▲同金  (92)△5七角

(93)▲8九王  (94)△5九飛

(95)▲9八王  (96)△6六角成

(97)▲6二歩成 (98)△7六桂

(99)▲7八金打 (100)△3一王2

(101)▲2三歩3 (102)△同金2

(103)▲5三角2 (104)△2二王

(105)▲3五角成1(106)△3三馬8

(107)▲5三飛1 (108)△2九飛成

(109)▲4四歩  (110)△同銀

(111)▲3四歩2 (112)△同馬4

(113)▲同 馬 (114)△5三銀

(115)▲2三馬1 (116)△同王1

(117)▲2四歩  (118)△3三王

(119)▲3九歩  (120)△8六歩8

(121)▲3五銀1 (122)△8八桂成1

(123)▲同 金 (124)△8七歩成

(125)▲同 金 (126)△3八飛

(127)▲4八銀打 (128)△8六歩2

(129)▲2三金(投了図)

▼消費時間

▲広瀬 7時間58分 △渡辺 7時間59分

▼残り時間

▲広瀬 2分 △渡辺 1分

《投了図以降》△4三王▲3二角△4二王▲3四桂△3一王▲2二金で詰みとなる。

情報源:王将戦第4局指し手(スポニチアネックス) – Yahoo!ニュースコメント

情報源:王将戦第4局指し手― スポニチ Sponichi Annex 芸能


2020年2月22日 05:30

明暗この一手 A図
明暗この一手 A図

第69期大阪王将杯王将戦 7番勝負第4局第2日 ( 2020年2月21日 神奈川県箱根町・ホテル花月園 )

【明暗この一手 関口武史】渡辺の攻勢に広瀬も呼応し、難解な攻防が繰り広げられた中盤戦。流れに乗って飛車をさばいた広瀬が躍り出る。昼食休憩前に右桂の活用が実現し、広瀬の駒が一気に渡辺陣に襲い掛かる。

渡辺が△4四歩と我慢の手を指した局面、持ち時間切迫の中、広瀬は貴重な16分を使い▲7七桂(A図)と一石二鳥の好手。懸案だった左辺の壁形の解消と▲6五桂打と急所への攻撃、盤上この一手といえる絶品の活用!

攻めでは成算が立たなかった渡辺は桂跳ねに△3四銀打とアヤを求めたが強く▲6五桂打から中央突破。優勢になった広瀬は粘る渡辺を振り切り、壮絶な打ち合いを制した。2局目から続く攻めの姿勢を貫き、広瀬が再び五分に星を戻した。(本紙観戦記者)

情報源:広瀬八段 一石二鳥の▲7七桂(スポニチアネックス) – Yahoo!ニュースコメント

情報源:広瀬八段 一石二鳥の▲7七桂― スポニチ Sponichi Annex 芸能


広瀬章人八段 vs △渡辺 明王将(棋譜DB棋譜を見る

129手 2三金打まで、▲広瀬八段 の勝ち




 



さすがに、渡辺王将も疲れがあるんだろうな・・・