残念だった
2020年1月19日 5時00分
「きょう歴史的な瞬間が見られるかもしれません」。32年ぶりの師弟同時昇級の可能性があることを、テレビのワイドショーはこう伝えていた。
2019年2月5日。第77期名人戦・C級1組順位戦は、師匠の杉本昌隆八段(51)=当時七段=と弟子の藤井聡太七段(17)が2人そろって勝てば、最終戦を待たずに師弟同時昇級が決まる状況だった。2人が戦う大阪市福島区の関西将棋会館には、21社の計70人もの報道陣が詰めかけた。
午前10時、藤井―近藤誠也六段(23)=当時五段=戦は将棋会館の4階で、杉本―船江恒平六段(32)戦は5階で対局が始まった。藤井―近藤戦は、両者が得意な「角換(かくが)わり」という流行の戦型に。過去の公式戦は藤井の2連勝だったが、盤上は激しく攻め合う熱戦となった。一方の杉本―船江戦。杉本は「四間飛車(しけんびしゃ)」戦法で挑んだが、中盤で形勢を損ね、午後11時12分に投了した。その25分後に藤井も投了。「昇級を目指すうえでは、まあ、少し痛い敗戦になってしまったかなとは思います」と冷静に振り返った。
日付が変わった午前3時すぎ。作業を終えた記者が将棋会館3階の棋士室に行くと、杉本と藤井がいた。C級1組順位戦で5日にあった18局を杉本がパソコンで再現し、寸評を述べ、それを藤井がニコニコしながら聞き、ときに「クククッ」と笑いながら相づちを打っていた。
対局と感想戦の後、師弟はいつものように行きつけのラーメン屋で夜食を取り、将棋の研究のために将棋会館に戻っていた。8勝1敗で4人が並び、杉本は2番手、藤井は4番手に。藤井の自力昇級は消えたが、1カ月後にある最終局の展開次第では、まだ師弟同時昇級の可能性は残っていた。師弟の思いは、もう最終局に向かっているように見えた。(佐藤圭司)
◆毎週日曜に掲載します。
情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)鮮烈編:6 師弟とも敗戦、「歴史的瞬間」は最終局へ:朝日新聞デジタル
村)昨年度のC級1組順位戦。藤井七段と杉本八段は、共に勝てば師弟そろっての昇級でしたが、そうはなりませんでした。ただ、その直後、視線は次へと向いていたようです。
(大志 藤井聡太のいる時代)鮮烈編:6 師弟とも敗戦、「歴史的瞬間」は最終局へ:朝日新聞デジタル https://t.co/dUuVx5BtOC— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) January 19, 2020
ふむ・・・