藤井七段が今期優勝すれば、一皮むけるな。
2020年1月6日16時30分
第13回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)は昨年末までに2次予選が終了し、本戦出場者が出そろった。3連覇をめざす藤井聡太七段(17)と争うのは、いずれもタイトル経験のある強豪ばかりだ。激戦が予想される本戦トーナメントは17日に開幕する。
本戦は2次予選を勝ち抜いた8人とシードの8人が初戦で当たるという組み合わせだ。注目はなんといっても藤井七段が入ったブロック。この対局が行われる名古屋で大盤解説を担当する藤井猛九段(49)は「藤井君にとって分の悪い相手が並んでいる」と言う。初戦の相手、菅井竜也七段(27)は3戦して1勝2敗と負け越している。勝てば2回戦は斎藤慎太郎七段(26)と三浦弘行九段(45)の勝者が相手だが、斎藤七段には過去1勝2敗、1勝1敗の三浦九段には昨年、早指し棋戦の将棋日本シリーズで敗北を喫している。
藤井七段と4度目の対戦となる菅井七段は「将棋の感覚が自分と少し違うので、いろんな意味で強敵」。藤井七段は「1回戦からたいへんな強敵で、厳しい戦いになるかと思うが、一局一局、全力を尽くして優勝をめざしたい」と話している。
隣のブロックは、1回戦が豊島将之名人・竜王(29)と深浦康市九段(47)、昨年4強の千田翔太七段(25)と屋敷伸之九段(47)と、いずれも40代と20代の対決となった。豊島名人は藤井七段に過去4戦全勝の難敵だ。
藤井九段は「藤井君は朝日杯で今まで一回も負けたことがないが、今回は3連覇は難しいのではないかという山になった。でもそれを突破できるかは注目ではあります」と話している。
■「だれが勝ってもおかしくない」
もう一方の山も本命不在の強豪ブロックとなった。注目は今年度勝率が8割を超える渡辺明三冠(35)だ。前回の朝日杯では決勝で藤井七段に敗れて準優勝に終わったが、優勝経験もあり、日本シリーズで2連覇するなど早指し戦でも結果を出している。対する山崎隆之八段(38)もNHK杯戦や日本シリーズで優勝経験がある。同じブロックには永瀬拓矢二冠(27)、隣のブロックには第1回朝日杯優勝の行方尚史九段(46)もおり、「だれが勝ってもおかしくない」と藤井九段は言う。
本戦全体では、40代が5人、30代が5人、20代が5人、10代が1人と、ベテランが健闘している。藤井九段は「考え方や修業経験の違う若手と戦ってもいい勝負になるというところに将棋の深さを感じる。今回はベテランの活躍にも期待したい」と話している。(村上耕司)
■シード勢が圧倒、羽生九段は敗退 2次予選
2次予選は、1次予選を勝ち抜いた16人とシードの16人が4人ずつ8ブロックに分かれて、約1カ月にわたって行われ、全ブロックでシード勢が圧倒した。第10回優勝の八代弥七段(25)や第11回優勝の藤井七段など、若手が1次予選から本戦に勝ち上がるケースが目立っていたが、今回は8ブロックすべてで1次予選組は姿を消した。
また、朝日杯で最多5回の優勝を誇る羽生善治九段(49)は無冠になったことで本戦シードからもれ、2次予選から登場したが、決勝で屋敷九段に敗れ、第1回からの連続本戦出場がストップした。最年長で初タイトルを獲得した木村一基王位(46)は1回戦で敗退した。
■名古屋での観戦申し込み、特設サイトで
本戦のうち、藤井七段、豊島名人が登場するブロックは18、19日、名古屋市中区の朝日新聞名古屋本社・朝日ホールで公開で行われる。両日とも解説者は藤井猛九段と杉本昌隆八段、聞き手は山口恵梨子女流二段と中澤沙耶女流初段。観戦の申し込みは特設サイト(https://www.asahi.com/ads/asahihai-nagoya/)で(19日のチケットは完売)。また、準決勝と決勝は2月11日に東京都千代田区の有楽町朝日ホールで公開で行われる(観戦申し込みの詳細は後日、ご案内します)。
情報源:藤井七段、待ち受ける強敵 初戦は菅井七段、V3へ厳しい組み合わせ 朝日杯将棋本戦、17日開幕:朝日新聞デジタル
村)18、19日の名古屋対局で解説を務める藤井猛九段の展望も載っています。チケットは引き続き販売中です(19日は完売)。
藤井七段、待ち受ける強敵 初戦は菅井七段、V3へ厳しい組み合わせ 朝日杯将棋本戦、17日開幕:朝日新聞デジタル https://t.co/tKnpcuGgPj— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) January 6, 2020
さぁ、だれがベスト4に進むか・・・