高野智史四段が優勝 第50期新人王戦 決勝三番勝負第3局

第50期 新人王戦 決勝三番勝負第3局 増田康宏六段 vs 高野智史四段
98手 3七歩成まで、高野四段の勝ち


第50期新人王戦、決勝三番勝負の増田康宏六段VS高野智史四段 の第3局が10月28日(月)に東京・将棋会館で行われ、高野四段が増田六段を98手で破りました。

これで、高野四段は初の新人王戦優勝となりました。

高野四段は第46期より本棋戦に参加、本棋戦の通算成績は8勝5敗(0.615)です。

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この局面で増田康六段が投了しました。終局時刻は17時35分。消費時間は、▲増田2時間59分、△高野2時間56分。高野智四段が初優勝を決めました。

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終局直後、両者にインタビューが行われました。

新人王戦に初優勝した高野智史四段。

【高野智四段の談話】
――対局を振り返っていかがでしたか。
「ちょっと自信がないのかと思っていたのですが、具体的にどう悪くなるかはわからなかったので。でも受ける展開になって、自分らしさみたいなものが出せたのかなと思います」

――△2二歩(62手目)で、いったん局面が収まりましたが、その辺りでは形勢をどう見ていましたか。
「できればあの変化は選びたくなかったので、何か(別の手段は)ないかと探したのですが、見つからなかったのでしょうがないかなという感じでした。ただ、形は凄く悪いのですが、一周して読んで見ると、こちらがすぐ悪くなる変化は見えなかったので」

――形勢が良くなったと思ったのは、どのあたりですか。
「最後の方の△5六歩(82手目)と合わせたところは、やっと攻めのターンが回ってきて、ちょっとやれるのかなと思いました」

――師匠の木村一基九段が王位を獲得された直後でしたが、そのあたりは何かいい影響がありましたか。
「師匠も新人王を獲られていますので、今年こそはという思いがあったのですが、(師匠が)王位を獲られて、自分も頑張らなければいけないという思いが常にありました。その中で、一つ結果を出すことができて、大変嬉しく思います」

増田康宏六段は3度目の優勝を果たせず。

【増田康六段の談話】
――今日の将棋はいかがでしたか。
「序盤はちょっとうまく行っているのかなと思ったのですが、第2局目と同じで優勢になる変化が見つけられなくて、負けてしまったという感じでした」

――工夫した指し回しだったと思いますが、そのあたりは研究した作戦でしたか。
「そうですね。雁木が予定の作戦だったのですが、本譜は▲5六銀左(35手目)が珍しい形なのですが有力かなと思っていて。作戦としてはうまくいっていたのかなと思います」

――どのあたりが想定外でしたか。
「△2二歩(62手目)と打たれた局面で。あそこは角が5五でいい位置にいるので、悪くないのかなと思っていたのですが、むしろかなり大変で。そこから厚みを作られて負けてしまいました。あそこでもっといい手順があったのかどうか、という感じですね」

――3度目の優勝を逃したという点はいかがですか。
「優勝はしたかったのですが、相手にうまくやられてしまったのかなという感じがします」

情報源:新人王戦中継ブログ: 終局直後の様子


増田康宏六段 vs △高野智史四段(棋譜DB棋譜を見る

増田六段の振り歩先、歩が4枚で増田六段の先手

初手は、▲増田六段 2六歩、△高野四段 8四歩


98手 3七歩成まで、高野四段の勝ち





増田六段、3度目の優勝ならず。