(大志 藤井聡太のいる時代)激闘編:9 トップ棋士の壁、さらなる飛躍のカギは:朝日新聞デジタル

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2019年9月8日05時00分

王座戦挑戦者決定トーナメント準決勝で敗れた藤井聡太七段=2018年7月、大阪市
王座戦挑戦者決定トーナメント準決勝で敗れた藤井聡太七段=2018年7月、大阪市

2018年7月6日。当時15歳の藤井聡太七段(17)は、王座戦の挑戦者決定トーナメント準決勝に臨んだ。挑戦権獲得まであと2勝と迫っていた。

1次予選から8連勝中だったが、快進撃に待ったがかかる。立ちはだかったのは、斎藤慎太郎・現王座(26)。この王座戦で勝ち進み、初タイトルを獲得したトップ棋士だ。藤井は「敗れてしまったのは力不足だが、収穫もあった」と話した。

デビューから1年半ほどの藤井は既に実力を高く評価されていた。決勝で藤井と戦う可能性があった渡辺明三冠(35)は、「他棋戦の勝ちっぷりから、特に驚きはなかった」と言う。トップ棋士との対戦が糧となっているのは間違いないが、さらに飛躍するためのカギは何か。

将棋の一局の流れは、序盤、中盤、終盤に分けられる。詰将棋で培った藤井の読みの力は、「正解」が見えやすい終盤では大きな武器となる。だが、序中盤で差をつけられ、その力が勝利に結びつかないこともある。前述の斎藤戦もそうだった。

藤井は常々、「形勢判断の改善」を課題に挙げている。先の展開が見通しづらい局面で、いかに状況を把握し、指し手を選ぶか。トップ棋士ほど、その力量に秀でている。

藤井のプロ入り直後から将棋を見てきた鈴木大介九段(45)は「トップ棋士は、勝利までのアプローチが何十パターンもある。藤井さんは、それがまだ少ないのではないか」と語る。

持ち時間の制約がある中で、様々な選択肢を掘り下げるのは困難だ。相手の得意戦法、相手の読みを外した手が有効な場合もある。そうした戦術が数々のドラマを生んできた。

鈴木は「藤井さんは豪速球投手。変化球も覚えた方がいいのでは」と分析する一方、こうも言う。「今後、時速170キロの球を投げて勝てるようになるのかもしれない。もしかすると、周りのコーチはアドバイスをしない方がいいのかもしれません」=敬称略

(村瀬信也)

◆毎週日曜に掲載します。

情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)激闘編:9 トップ棋士の壁、さらなる飛躍のカギは(朝日新聞デジタル) – Yahoo!ニュースコメント

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