ふむ・・・
2019年6月1日16時30分
豊島(とよしま)将之名人(29)への挑戦権を争う第78期将棋名人戦・A級順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)が12日に開幕する。トップ棋士10人が総当たりで来年2月末まで9回戦を戦う。出場棋士に戦いに向かう意気込みを聞いた。
■4期ぶりの佐藤天九段、初戦は羽生九段
今期A級出場棋士の最年長は佐藤康光九段の49歳、最年少は糸谷(いとだに)哲郎八段と稲葉陽(あきら)八段の30歳で、平均年齢は38・8歳だ。
5月17日に名人を失冠したばかりの佐藤天彦九段は羽生善治九段と1回戦で6月27日に対戦する。初参加の第74期で8勝1敗の成績を挙げて挑戦者になり、その後名人を3期務めたため、A級順位戦を戦うのは4期ぶりだ。「持ち時間が6時間の将棋も、1年を通して戦うのも久しぶり。強豪と戦えるのは大変ではあるが楽しみです。初戦で羽生さん、2回戦で渡辺(明)さんと実績のある強豪とあたるので、先のことは考えず、そのあたりを大事にしたい」と話す。
一方、羽生九段は「今期も一局一局の密度が濃いリーグになりそうです。自分自身の状態を安定させて臨みたい」。前期は7勝2敗だったものの、初戦で糸谷八段に敗れ、挑戦権争いで豊島名人に後れをとった。名人戦で何局も戦った佐藤―羽生の1回戦は注目だ。
広瀬章人竜王はA級6期目。これまでの最高成績は6勝3敗。「挑戦者争いにからんでも1勝足りないことが多い。秋に竜王の防衛戦があるので、5、6回戦が大きな山場になると思う」と話す。
前期初参加の糸谷八段は3勝3敗から後半3連勝した。「残留できたのはある程度喜ばしいこと。今期は順位もよくなったし、初めから挑戦にからむ活躍ができれば」と話している。
■渡辺二冠、勢いを保てるか
前期残留したものの、4勝5敗と負け越しだった3棋士は、今期は上位を目指したい。佐藤康九段は「今年は50代になるので、自己との戦いの部分がより増えていくと考えている。気持ちを新たに戦いたい」。久保利明九段は「勝ち越しを目指す。先のことは考えず目の前の一局をしっかり準備して臨みたい」。前期3連勝のあと5敗を喫した三浦弘行九段は「好調の滑り出しでも後半に息切れすることが昨年に限らずあった。一年中張り詰めると疲れるし、気を抜くと調子を崩すことがある。気をつけたい」と話した。
初参加の第75期に8勝1敗で挑戦者になった稲葉八段は前期3勝6敗。「少しずつ成績が下がってきているので今期は厳しい戦いになるかもしれない。まずは残留を決めて上を目指せれば」と話す。
2期前に4勝6敗でA級から陥落した渡辺明二冠は前期B級1組で12勝0敗と圧倒的な強さで復帰を果たした。三冠獲得をかけて棋聖戦五番勝負で豊島名人に挑戦する。その勢いをA級順位戦につなげられるか。「一斉対局のB級1組と一局ずつ行われるA級は雰囲気が違う。これまで結果が出せなかったので、今の状態でどれだけやれるか、自分でもやってみないと分からない」と話している。
木村一基九段は第69期以来9期ぶりのA級復帰だ。「久しぶりで、以前と比べると後輩ばかり。どこまでやれるのかという期待と、ふるい落とされる不安が入り交じっている。6時間の持ち時間らしく、じっくりと指したい」(村上耕司)
■1回戦の日程(左が先手)
6月12日 佐藤康―久保
14日 広瀬―稲葉
渡辺―木村
19日 糸谷―三浦
27日 羽生―佐藤天
情報源:(月刊将棋)名人挑戦権、譲れない 第78期名人戦・A級順位戦、12日開幕:朝日新聞デジタル
村)毎月第1土曜夕刊(東京本社版)に載っている「月刊将棋」の記事です。A級開幕を控え、佐藤天彦九段、羽生善治九段ら10人の棋士に聞きました。杉本昌隆八段のコラムも。
(月刊将棋)名人挑戦権、譲れない 第78期名人戦・A級順位戦、12日開幕:朝日新聞デジタル https://t.co/oB0kk0yuPu— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) June 1, 2019
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