ほぉ・・・
2019年4月14日05時00分
名人への道のりは長い。挑戦者になるには、5階級ある順位戦(リーグ戦)を1年に一つずつ昇り、頂点のA級で優勝しなければならない。第11回朝日杯将棋オープン戦の準々決勝で佐藤天彦名人(31)に完勝した藤井聡太七段(16)は、順位戦では名人への第一関門である最下級のC級2組を戦っていた。
全階級で最も多い50人が年間各10戦し、3人だけがC級1組に昇級できる。同星だと前年度の成績に基づく順位が優先されるため、初参加で45位の藤井は1敗でも命取りになる。だが、藤井は開幕から8連勝し、2018年2月1日、梶浦宏孝(ひろたか)四段(23)との9回戦に臨んだ。
対局は居飛車(いびしゃ)同士の「相懸(あいが)かり」という戦型から本格的な戦いに突入。梶浦は終盤の大詰めで金取りに歩を打った。放置すれば金が取られて王手になるため、相手は歩を取るかかわすか、通常は応対が必要だ。ところが藤井はそこで攻めの手を選び、金を取らせた。
「手抜いたんですか!」。検討室の若手棋士から驚きの声があがった。続く最終盤でも銀取りを放置して攻め、「肉を切らせて骨を断つ」ような手順で一気に勝利を収め、最短の勝ちをめざす藤井将棋を印象づけた。終局後、梶浦は「予想していない手でこられて、斬られてしまった」。ネット中継で解説していた森内俊之九段(48)も「見事としか言いようがない」と感嘆した。
藤井は最終戦を残して昇級を決め、五段に昇段した。初参加での昇級は、名人5期以上の「永世名人」でも中原誠十六世名人(71)だけ。谷川浩司九段(57)と羽生善治九段(48)は2期、森内九段は3期かかった。しかも中学生として初の快挙だった。だが藤井は淡々と言った。「昇級をめざして1年間戦ってきたので、果たせたのはうれしく思います」=敬称略(村上耕司)
情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)挑戦編:9 「肉を切らせて骨を断つ」、最短の勝ち:朝日新聞デジタル
ふむ・・・