久米宏さんが語るカープ 「負ける美学、自分に投影」:朝日新聞デジタル

ふむ・・・


2019年4月14日13時58分

インタビューに答える久米宏さん=広島市中区、大滝哲彰撮影
インタビューに答える久米宏さん=広島市中区、大滝哲彰撮影

4連覇の先にある「日本一」へ向けて、今季のスタートを切った広島カープ。出だしはつまずき気味でも、鯉(こい)党は赤く盛り上がる。広島ホームテレビで22日に放送される「久米宏特番」を前に、50年来のカープファンとして有名な久米宏さん(74)に、カープの魅力は何かを聞いた。

――カープファンになったきっかけは

同期のTBSアナウンサーで、深夜放送でならした林美雄(よしお)君(故人)の影響です。彼は東京出身なんですが熱烈なカープファンで、1967年に入社して3年間ぐらい、隣に寄ってきては延々「カープがいい、応援するならカープしかない」と。70年当時ですね、僕がファンになったのは。

みんな苦労して市民球団を立ち上げたという話を聞いていたので、75年の初優勝は確かに僕も感動して。林君は号泣です。それを見て、この球団は一体何なんだろうと思って。大きくかじを切って本当のファンになったのはその時ですね。

――その後は

結構つらくて。順調に勝っていくことはなくて。何回か優勝していますけど、負ける美学、負ける魅力みたいなものがあってね。自分に投影するというのは変なんですけど、仕事も人生も含めてうまくいかないことが多い。その自己反省とカープのうまくいかない試合運びが妙に一致している、というところですね。

――被爆、樽(たる)募金など苦労した広島への思いは。林さんの思いと通じますか

僕は広島の町の形が大好きです。林君は深夜放送で有名になった男ですけれど、落ちこぼれている若者たちに特に目をかけていて、弱者に対する関心が非常に高い男だった。それで広島というのは何なんですが、かなりその共通点はなきにしもあらずですね。

――でも3連覇です

しっくりこないんです。強いカープというのは。負けてこそカープ、というのがベースにあるんですね。この3連覇は本当じゃないんじゃないかと。だまされてるんじゃないかと。

2016年の25年ぶりの優勝は黒田さんとか新井さんのドラマがあって本当に優勝したというのがあったんですけど、それから2回の優勝は気づいたら優勝していたと感じるんですよね。2連覇、3連覇はまったく想定していなかったですね。また25年ぐらい待たされると思っていました。

――カープの魅力は

ジャイアンツは自営業者の集まりみたいですが、カープはスポーツマンの集団だと思うんです。野球が大好きで、野球ができる喜びで、おまけとして勝てば良いという感覚がやっぱりある。お金のことをあまり考えずに野球のことだけで頑張ってくれる球団だっていうのは大きな魅力ですね。

――今のカープ人気は

うれしさは8割ぐらい。年取ったご夫婦がテレビに映ると、いいなあと思うんです。これこそ本物のカープファンと。でも、若い人は、あの時代を知らない。黄金時代しか知らないわけで、あの暗い時代を知っていたらもっと楽しいのになあと思ったりしますね。

また冬の時代は必ずや来ると思うんです。その時にカープファンを離れるか離れないか、踏み絵がある。みんなそこで絵を踏まずにね、乗り越えてほしい。

――特番の見どころは

緒方監督とは、なんで日本一になれなかったのかという話がメインになりました。その答えとして、カープの野球の神髄という話をしてくれたんですね。カープの野球を貫くと。それは僕は深く納得しましたね。「丸が出て行くのもカープなんだ」と。

――一番好きな選手は

衣笠祥雄さんですね。放送翌日が命日なんですよ。まあショックでねえ。僕は衣笠さんが何で監督にならないのかずっと不思議で。監督になってベンチに座ったら、衣笠さんは絵になっただろうなと思ってね。圧倒的に好きでした。(聞き手・副島英樹)

22日特別番組 ホームテレビ
長年カープを追いかけてきた久米宏さんの特別番組は22日午後7~8時、広島ホームテレビで放送される。球団史上初の3連覇を成し遂げたものの、日本一の栄冠には届いていないカープ。久米さんが緒方孝市監督や古葉竹識元監督、カープOBの江夏豊さんや北別府学さんらにインタビューし、日本一に必要なものとは何かを探る。

情報源:久米宏さんが語るカープ 「負ける美学、自分に投影」(朝日新聞デジタル) – Yahoo!ニュースコメント

情報源:久米宏さんが語るカープ 「負ける美学、自分に投影」:朝日新聞デジタル




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