ふむ・・・
2019年4月1日16時30分
親子で将棋に親しんでもらう「朝日おやこ将棋フェスティバル」(朝日新聞社、日本将棋連盟主催、「和食麺処 サガミ」協賛)が3月17日、大阪市であった。谷川浩司九段(56)や高校生棋士の藤井聡太(そうた)七段(16)ら5人の棋士が、103組の親子らに「詰将棋」「次の一手」を手ほどきした。
■詰将棋、早解きに歓声
谷川九段、藤井七段のほか、浦野真彦八段(55)、都成竜馬(となりりゅうま)五段(29)、室田伊緒(むろたいお)女流二段(29)が出演。詰将棋を解くのも、問題を創作するのも得意な棋士ばかりだ。
イベント前半は詰将棋コーナー。「詰将棋の魅力」と題して谷川九段が講演した後、短手数の詰将棋を浦野八段が分かりやすく解説した。
その次の「目隠しをした棋士の詰将棋早解き競争」が、会場を沸かせた。解答する藤井七段、都成五段、室田女流二段はアイマスクをして挑んだ。浦野八段が自作の詰将棋を大盤に並べた後、駒の配置を谷川九段が読み上げて出題した。
1問目が出題されると、10秒ほどで藤井七段が挙手。「オーッ」と観衆がどよめいた。藤井七段が9手詰めを正解。2問目は都成五段が9手詰めを正解。
最後の3問目=図1=が圧巻だった。谷川九段が「玉方(ぎょくがた)、1三歩、2一飛、2二玉、4四飛。攻(せ)め方(かた)、2四角。持ち駒は金3枚です」と読み上げた。その4秒ほど後に、藤井七段が挙手した。「▲3二金△1二玉▲1一金△同玉▲3三角成△2二金▲2一金△同玉▲3二金△同金▲1一飛まで11手詰めです」と藤井七段。正解だ。
藤井七段が「盤上の駒の配置を聞きながら、持ち駒を予想していたので、早く解けました」と明かし、都成五段は「自分は、そこまでは出来なかった。さすがです」と舌を巻いた。
■実戦の一手、丁寧に解説
後半は、実戦で棋士が指した手を予想する「次の一手」コーナー。藤井七段が2月に2連覇を達成した第12回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)から3問が出題された。準決勝の行方尚史(なめかたひさし)八段(45)―藤井七段戦から2問。決勝の渡辺明棋王(34)=現在は二冠=―藤井七段戦からの1問=図2=は、藤井七段自ら解説した。参加者が考えやすいように、実際とは先手と後手を逆にして出題した。
「先手が攻め込んでいますが、攻めが1手緩むと、△4四角と歩を取られて、攻めを続けるのが少し難しくなってしまいます。4四歩の拠点を生かして、どう攻め込むかがポイントの局面です」と藤井七段。
正解は▲7五金。「一見、後手玉から遠くを攻めているようですが、後手の飛車が逃げた後、▲6四金と出るのが狙いです」
本譜では▲7五金以下、△7一飛▲6四金△6三銀打▲同金△同金と進行。「後手の5二金を6三に移動させて、玉の守りから離すことに成功しました」
藤井七段はその後、2筋を攻めて敵陣に竜を作ることに成功した。「相居飛車では、飛車先を破って、竜を作るのが基本的な攻め筋。先手が成功した形になっています」
藤井七段の鮮やかな攻めも、基本的な手筋を積み重ねて、編み出されていることが分かる、丁寧な解説だった。
■解くのも作るのも面白い 藤井七段
終演後、記者は藤井聡太七段に詰将棋について聞いた。
――詰将棋の魅力は?
「解く方はパズルが近そう。いろんな手順がある中で、答えは一つしか無い。その答えに、どう近づいていくか、というのが、解く方から見た面白さかな、と。作る方は自分が思い描いている手順を、どう盤上に表現するかというところが面白さになるかなあ、という気がします」
――好きな詰将棋作品があれば、教えてください。
「一つというのは難しいですね。自分はあまり長編(の詰将棋)は解いたことが無かったんですけど、最近、看寿賞(かんじゅしょう)の作品集を贈られて、解くというよりも解説などを読んだんですが、長編も奥が深いな、と思いました」
――好きな詰将棋作家はいますか。
「自分は解くのも、作るのも、どちらかと言うと中編が多いんですけど、中編という分野だと、若島正さん(詰将棋作家で京大名誉教授)というのは圧倒的だな、と思います」(佐藤圭司)
情報源:親子で楽しむ、教わる、将棋 藤井七段ら人気棋士とイベント 先月、大阪:朝日新聞デジタル
村)今月から月曜掲載になった夕刊囲碁将棋面の記事です。「好きな詰将棋作家は?」という問いに対する藤井七段の答えとは→「自分は解くのも、作るのも……」
親子で楽しむ、教わる、将棋 藤井七段ら人気棋士とイベント 先月、大阪:朝日新聞デジタル https://t.co/p4jQLeslpZ— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) April 1, 2019
ほぉ・・・