神戸新聞NEXT|総合|谷川九段ら輩出の将棋教室終了へ 若松七段が半世紀指導

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2019/3/18 14:43

将棋教室で受講生の対局を見守る若松政和七段(左奥)=神戸市中央区雲井通7、神戸新聞文化センター
将棋教室で受講生の対局を見守る若松政和七段(左奥)=神戸市中央区雲井通7、神戸新聞文化センター

将棋の史上最年少名人記録(21歳2カ月)を持つ谷川浩司九段(56)=神戸市東灘区=をはじめとするプロ棋士を輩出した、若松政和七段(79)=同=による将棋教室が3月いっぱいで終了し、半世紀以上の歴史に終止符を打つ。入居する施設の事情や自身の年齢が理由。アマチュア向けの丁寧な指導を地道に続け、将棋の普及に貢献してきたベテラン棋士は「将棋を通じて、さまざまなご縁に恵まれてきた。感謝したい」とほほ笑む。(溝田幸弘)

若松七段は神戸市長田区生まれ。1961年、22歳で全日本アマ名人になったのを機にプロを志した。プロ養成機関の奨励会三段だった67年1月、長田区の自宅で土日曜限定の教室を始めた。

生計を立てるためだったが「やってみると、指導が結構楽しかったんですよ」。同年のプロ入り後も運営を続けた。75年には教室をJR神戸駅近くに移転し、対局場を兼ねた「若松将棋センター」としてオープン。その後、神戸・三宮に拠点を移し、対局を楽しむ将棋ファンでにぎわった。

谷川九段が教室の門をたたいたのは70年、小学2年の時。若松七段は「今と違って子どもが来るのは珍しく、目立っていた」と振り返る。

76年、谷川九段は史上2人目の中学生プロ棋士に。83年には史上最年少で名人位を獲得し、社会現象となった。「あの頃は、現在の藤井聡太七段を超えるフィーバーだった」と目を細める。ほかにも井上慶太九段(55)、藤原直哉七段(53)が教室からプロ棋士に育った。

1995年の阪神・淡路大震災では入居していたビルが被害を受け、将棋センターを閉鎖。神戸市長田区の神戸新聞文化センター(KCC)に移り、対局場はやめて教室のみの形にした。現在教室を開いている三宮KCCの改装に伴い、使用していた教室が4月から使えなくなり、自身の年齢なども考慮してやめることにした。

谷川九段は「プロ棋士が50年以上教室を続ける、というのはなかなかない。指導への熱意を人一倍お持ちなのだと思う。今は『お疲れさまでした』の一言です」とねぎらう。

ファンからは惜しむ声が上がるが、若松七段は「教室は一区切り。だけど、普及活動は元気な限り続けていきたい」と穏やかに話す。教室は23日が最後となる。

情報源:神戸新聞NEXT|総合|谷川九段ら輩出の将棋教室終了へ 若松七段が半世紀指導



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