ふむ・・・
2019年2月23日15時00分
第12回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催、ローソン協賛、AbemaTV特別協力)は16日、藤井聡太七段(16)が史上2人目の2連覇を達成して幕を閉じた。決勝ではトップ棋士の渡辺明棋王(34)を圧倒し、その強さを改めて印象づけた。
決勝戦は、現在タイトル戦で快進撃を続けるトップ棋士の渡辺と、前回優勝者藤井の対戦。しかも公式・非公式戦を通して初手合という、今ファンが最も見たい黄金カードとなった。
対局は午後2時30分、渡辺の先手で始まった。戦型は渡辺が誘導した格好で、互いに雁木(がんぎ)という陣形に組む「相雁木」。ガチガチに守りを固め合うのではなく、攻守のバランスを取りながら戦う、力戦型の戦法だ。藤井は「少し意外だった。できるだけ自然に指そうと思った」という。
駒組みが頂点に達したところから渡辺は歩を連続で突き捨てて戦端を開き、藤井は堂々と応じた。後から分かったことだが、実は細かいところで渡辺は自分の読みにない手を指されていた。別室で行われた大盤解説会でも佐藤天彦名人(31)は「渡辺さんにしては時間を使っている。意表を突かれたんじゃないですかね」と話していた。
そして迎えたのが図の局面だ。△7六歩▲8八角に続いて藤井が△3四歩と飛車取りに打ったところ。藤井はこの歩を打った瞬間、「銀を打たれたらまずい」と思った。
それは飛車取りに飛車取りで返す▲7五銀だ。飛車を取り合うと、王手で飛車を打たれた時に、先手は▲6九歩と合駒に歩を打てるが、後手は打てない。飛車の取り合いは後手が不利なのだ。感想戦で藤井は「(先手側は)底歩が利くのが痛すぎる。ちょっと間違えてしまったかなと思いました」と振り返った。実戦は、渡辺が▲3六飛と逃げたので、藤井は△7五銀と打ち、主導権を握った。
トップ棋士同士の対戦ではいかに自分に有利に組んで相手に力を出させないかが大事で、相撲や柔道の組み手争いに似ている。この将棋は5段目のラインをどちらが支配するかが勝敗を左右した。感想戦で藤井に▲7五銀を指摘された渡辺は「私は読めていなかったが、相手は自分が不利になる変化まで全部読んでいました」と脱帽した。前回の決勝戦では派手な手を見せた藤井だが、今回は地味な折衝でトップ棋士の読みを上回り、力を見せつけた。
このあと藤井は、手に入れた金を3五に打ち、6三の銀を6四~5五と進出させて渡辺の防衛網を崩し、リードを拡大。最後は渡辺に粘る余地を与えず、午後4時52分、128手で押し切った。快勝だった。
藤井は「細かいミスはいくつかあったと思うが、落ち着いて指せたかなと思う。去年に続いて結果を残すことができてうれしい」と話した。
「身動きできなくなった」
準決勝、決勝は、観戦席から対局者が見えるように壇上で行われた。盤面は大モニターに映し出され、約750人が観戦や大盤解説会を楽しんだ。
準決勝は午前10時30分開始。行方尚史(なめかたひさし)八段(45)―藤井七段戦は、先手の行方が矢倉模様に組み、藤井は右銀を素早く繰り出す。藤井は銀交換で手にした銀を再び5段目に据えた。佐藤名人も感心した好手で、行方は桂馬を跳ねて銀を後退させたが、これが藤井の狙いだった。
藤井はこの桂馬を目標に攻撃を組み立て、リードを奪った。対局後、行方は「気がついたら身動きできなくなっていた」。愚形を強いられた行方は、事態を打開しようと決戦に踏み切ったが、厳しく反撃され、力を出し切れないまま土俵を割った。「ちょっと覇気のない将棋を指してしまった」と行方。藤井は「序盤から一手一手難しい将棋だった。秒読みの中でも落ち着いて指すことができたかなと思います」と話した。(村上耕司)
同学年の女流棋士が記録
藤井七段の準決勝、決勝の記録係は、小高佐季子女流2級(16)が務めた。私立千葉英和高校(千葉県八千代市)の1年生で昨年2月に正式にプロになったばかり。この日が初対面の藤井七段と同学年だ。500人を超す観客の前で、記録と秒読みを行った。「声が裏返りかけたときもあったが、事故がなく終わって良かった」「将棋も精神年齢も全て藤井先生が上で、同い年という感じがしない。自分もこんな緊張感を対局者として味わえるように頑張りたい」(村瀬信也)
情報源:藤井七段「不利になる局面」まで読んだ 渡辺棋王を圧倒:朝日新聞デジタル
村)朝日杯の準決勝、決勝を今日の朝刊で振り返りました。決勝で敗れた渡辺棋王は「私は読めていなかったが、相手は自分が不利になる変化まで全部読んでいました」。
読みで上回った藤井七段 初手合の渡辺棋王制し連覇 第12回朝日杯将棋オープン戦:朝日新聞デジタル https://t.co/cZrnpJyfPd— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) February 23, 2019
ほぉ・・・