ふむ・・・
2019年1月5日 18時31分
去年も活躍を続けた将棋の高校生棋士、藤井聡太七段が、NHKのインタビューに応じ、「トップ棋士と対戦する中で、課題が明確になり、成長の糧となる1年だった」と振り返ったうえで、「実力をさらに上げてタイトルに近づけるよう頑張りたい」と、ことしの抱負を語りました。
藤井聡太七段(16)は、去年は史上最年少で七段に昇段したほか、2つの棋戦で優勝し、先月には、歴代のトップ棋士の中では最年少となる16歳4か月で通算100勝を達成しました。
NHKのインタビューに応じた藤井七段は、去年1年間の活躍について、「『朝日杯』『新人王戦』で優勝した一方、竜王戦、王座戦などのタイトル戦では敗退しました。少しずつ成長できているなと感じますし、指す内容も結果もともに上向いていると思います」と述べました。
さらに、「トップ棋士と対戦する機会を得て、相手のほうが形勢判断が上回っていると感じる場面がありました。自分の課題が明確になったので今後の成長の糧となる1年だったと感じています」と振り返りました。
また、若手が台頭してタイトルを分け合っている今の将棋界について、「20代の方が台頭してきて、トップを争う棋士がかなりたくさんいて、とても層が厚くなっていると感じています。自分はトップの方とはまだ少し差があるので、実力をもっとつけて上を目指すしかないと思います」と分析しました。
一方、去年春からの高校生活については「将棋と学校といいバランスが保てていると感じています。家で将棋ばかりしていても行き詰まることもあるので、学校に行くことでまた違う刺激があり、よい影響があります。学校では自分も友人も将棋の話を全然しないかわりに鉄道の話をすることが多いです」と話しました。
趣味の鉄道については、「自分は鉄道に乗るのが好きで、去年夏には山梨と長野を結ぶ小海線に乗り、非常に景色もよくて印象に残っています。将棋のことばかり考えていてもなかなか新しい発想が浮かばない時もあり、そういう時に気分を切り替えられるという意味でいいと思っています」と語りました。
今後、将棋以外に挑戦してみたいことを問われると、長く考え込んだ末に「将棋の話になってしまうのですが」と切り出し、「戦型はもちろんですが、中盤にこれまでよりもっと自由な発想というか、いろいろな手を模索して、自分の将棋の枠を広げてどんな形でも指しこなせるようになりたい」と話しました。
そして、ことしの目標について、『進歩』という字を色紙にしたため、「去年から取り組んできた形勢判断の改善といったことをもう一歩上に進めて、さらに強くなれる1年にしていきたい」と説明し、「去年はタイトルに挑戦するまでには至らなかったので、ことしはもう一歩、タイトルに近づけるように頑張りたいと思っています」と意気込み語っていました。
去年は記録ずくめ
藤井七段はおととし、公式戦で29連勝して最多連勝記録を30年ぶりに更新したあとも勝ちを重ね、去年もさまざまな記録を打ち立てました。
1年前には、デビュー時と同じ四段だったものの、2月1日に五段に昇段し、僅か半月後の2月17日には「朝日杯将棋オープン戦」で、当時二冠だった羽生善治さんらを破って優勝して、六段となりました。5月18日には七段となり、最年少記録を塗り替えました。
多くのトップ棋士が参加するタイトル戦は、いずれも予選などで敗退しましたが、それ以外の棋戦では、朝日杯将棋オープン戦に続いて、10月17日には「新人王戦」で最年少での優勝を果たしました。
先月12日には通算100勝を達成し、日本将棋連盟によりますと、16歳4か月での達成は、歴代のトップ棋士の中で最年少で、プロ入りから達成までの速さと、84.7%というこの時点での勝率も歴代のトップ棋士を上回っています。
ことしも数々の期待が
藤井七段は、名人を頂点とする棋士のランクを決める順位戦では、デビューから負け無しの17連勝中で、今月8日の対局に勝てば、中原誠十六世名人が持つデビュー時からの連勝記録18に並びます。
順位戦は現在、下から2番目のC級1組に在籍していますが、上位2人以内に入れば2期連続の昇級となり、高校2年生となる新年度は1つ上のB級2組に進むことになります。
また、本人も「近づけるように頑張りたい」と意気込んでいるタイトル戦については、2次予選に臨んでいる「棋聖戦」で、あと1勝すれば決勝トーナメントに駒を進めます。
タイトル戦の挑戦者となった最年少記録は17歳10か月、タイトルを獲得した最年少記録は18歳6か月で、藤井七段はいずれも更新する可能性を残しています。
このほか、3月に結果が出る年度ごとの記録で、昨年度は1位だった「勝ち数」や「勝率」などが今年度はどうなるかも注目点です。
情報源:藤井七段「タイトルに近づける1年に」 | NHKニュース
ほぉ・・・